【ストーリー】EPISODE 7-60 前進アカンパニー!

| EPISODE ◆ 7-60 前進アカンパニー! 深淵の支配者 |
登場人物
1. シルバー、近衛兵A、セベク、近衛兵B、グリム
2. リリア、グリム、セベク、シルバー、バウル、鉄の者D、鉄の者E
3. バウル、リリア、シルバー、鉄の者A、鉄の者B、グリム、セベク
4. 小さな妖精、グリム、リリア、シルバー、バウル、セベク
5. リリア、バウル
テキスト全文
── 茨の国-森 ──
シルバー:「ところで……先程から何度も話に出る『鉄の者』や『銀の梟』とは一体何者なんだろうか。」
近衛兵A:「クァーッ!! ギャギャッ!ファルム! ヴィーラムッ!」
シルバー:「……?」
シルバー:「すまない。きっと説明してくれているのだろうが、俺には妖精語は聞き取れなくて……。」
セベク:「「『銀の梟』とは、茨の国の各地で勝手に採掘行為をしているならず者集団のことだ」と言っている。」
セベク:「「『銀の梟』の団員はみな鉄の鎧を着ているから、」
セベク:「妖精(われわれ)は奴らを『鉄の者』とよんでいる」……と。」
近衛兵B:「ゴェエッ! ガルル! ガルルル!」
セベク:「「奴らは外つ国(とつくに)からやってきて、断りなく我々の森を切り拓き、山を崩し、資源を奪っていく」」
セベク:「なんなのだ、ソイツらは!」
シルバー:「親父殿から聞いたことがある。」
シルバー:「かつて茨の谷を囲む雷鳴山脈では、貴重な魔法石や鉱石がたくさん採れたと。」
近衛兵B:「ガウガウッ! ギャルル…… ゴェェ。」
セベク:「「山が丸裸になり、住処を失った魔獣が里に下りてきて悪さをすることも多い」」
セベク:「「奴らのせいで、妖精に数え切れない被害が出ているんだ」」
セベク:「なにぃ〜!? なんと無礼な!」
近衛兵A:「クァッ! ホーッ! ディディーッ。」
セベク:「「リリア様率いる近衛兵たちは『銀の梟』をこの国から追い出そうと奮闘しているが……」」
セベク:「「なにせ奴らは数が多いから苦労している」」
セベク:「ぐぬぬ……許せん!」
セベク:「そんな奴らは即刻追い出しましょう!!」
グリム:「1人で渋い顔したり怒ったり忙しい奴なんだゾ……。」
グリム:「っていうかよぉ、セベクは妖精たちが何を言ってるのかわかるのか?」
セベク:「完璧ではないが、だいたいは理解できる。」
シルバー:「彼らが使っているのは、古い妖精語のようだ。」
グリム:「アレ、言葉なのか?オレ様ずっと鳴き声だと思ってたんだゾ!」
セベク:「妖精は種族によって言語も発声方法もまるで違うが、声に魔力を込めることで意思疎通ができる。」
セベク:「現代では茨の谷でも共通語で話す者が多く、妖精語を使う者は限られているが……」
セベク:「妖精語は誇り高く伝統ある言葉だからな。」
セベク:「僕は昔、祖父や母に習って覚えたのだ。」
シルバー:「俺も親父殿に習おうとしたことがあるが……」
シルバー:「俺の耳では、言語として聞き取ることすらできなかった。」
セベク:「僕の父も同じことを言っていた。」
セベク:「そもそも人間の耳は、他の動物に比べても可聴域が狭い。」
セベク:「僕は妖精の血を引いているからな。貴様らが聞こえない繊細な音も聞こえるというわけだ。」
セベク:「どうだ、すごいだろう!!!!!」
グリム:「なら、なんでオメーはそんな声がデケーんだゾ……。」
── 茨の国-野営地 ──
リリア:「見ろ。『銀の梟』の野営地だ。」
リリア:「人間の匂いがする。……ざっと30人ってところか。」
リリア:「警備隊の中に『夜明けの騎士』の姿はなさそうだ……なら、楽勝だな。」
グリム:「楽勝!? オレ様たち、15人もいねぇんだゾ。」
セベク:「馬鹿者! こちらには天下無双と名高い現役時代のリリア様がいらっしゃるのだぞ!」
セベク:「敗北などありえん!」
シルバー:「シッ……セベク。声を落とせ。」
シルバー:「セベク、ユウ、グリム。」
シルバー:「俺の話をきいてほしい。」
シルバー:「もうわかっていると思うが、これは学園で行われる戦闘訓練や決闘とは違う。」
シルバー:「……俺たちは今、ダメージを受けてもその衝撃で眠りから覚醒することができない状態だ。」
シルバー:「夢の中とはいえ、深手を負えばどうなるかわからない。」
シルバー:「ユウとグリムは、絶対に俺のそばを離れるな。セベク、お前も……」
セベク:「貴様に心配されるまでもない。貴様こそ、怖気づくなよ。」
シルバー:「……はぁ。」
シルバー:「くれぐれも、無茶はするな。」
バウル:「ぐぬぬ……『鉄の者』どもめ。我が物顔で天幕など張りおって……許しがたい。」
リリア:「ククッ、いいじゃねぇか。あれだけ準備万端なら、今日はすぐに寝床にありつけるぜ。」
選択肢:
├ [ それってどういう……? ]
└ [ すぐに寝られるって、まさか…… ]
リリア:「奴らをぶちのめして、あの野営地をまるごといただく。」
リリア:「者ども、かかれ!」
リリア:「キシャアアッ!!!」
ギギーーッ! キャキャキャキャッ!!
リリア:「テメーら、天幕は焼くんじゃねぇぞ!」
リリア:「野宿したくないならな!」
ガルルル! ガウガウッ!
鉄の者D:「!? て、敵襲! 敵襲ーーーッ!!!」
鉄の者E:「採掘品を狙う賊だ!」
鉄の者E:「警備隊、総員戦闘配備!」
バウル:「賊だと!? 我らは茨の国を守護する誇り高き王宮近衛兵なり!」
バウル:「貴様らの狼藉、許してはおけん。」
バウル:「一人残らず、この森から立ち去るがいい!!」
バウル:「右大将殿。物見の『草』より伝達が。」
リリア:「この先に『鉄の者』あり、だろ? もう鉄と油の匂いがぷんぷんしてやがる。」
バウル:「右大将殿が出るまでもありません。私が露払いを。」
リリア:「それもいいが……」
リリア:「おい、人間ども。」
シルバー:「はい。」
リリア:「早速だが、ナイトレイブンカレッジの魔法士の実力とやらを見せてもらおうか。」
バウル:「なっ!?」
リリア:「この先に『鉄の者』がうろついてる。お前たちだけで捕らえてみせろ。」
リリア:「1匹も逃がすなよ。野営地への奇襲が台無しになるからな。」
鉄の者A:「うわあ! なんだこいつら!?」
鉄の者B:「ひぃっ! 魔法使いだ! 助けてくれぇ!」
グリム:「ふなっ! アイツら逃げ出したぞ!」
セベク:「待て、貴様ら!敵に背を向けるとは、腰抜けどもめ!」
リリア:「チッ、1匹も逃がすなと言っただろうが!」
鉄の者A:「ひぃっ!! 妖精だ! ならず者の妖精が出たぞ!」
リリア:「ならず者はどっちだ。」
リリア:「シャァアッ!」
リリア:「……フン、雑魚が。」
シルバー:「おやじ……」
シルバー:「いや、ヴァンルージュ殿。俺たちの力及ばず、手を煩わせてしまいました。申し訳ありません。」
リリア:「ハッ。蹴散らすところまではよかったが、詰めが甘ぇな。」
バウル:「右大将殿。奴らの荷車に食料や燃料が。」
リリア:「もとは俺たちのもの。返してもらおう。」
リリア:「捕らえた『鉄の者』は、風鳴き渓谷の先へ追放しろ!」
ギャギャーーッ!!
はっ!
小さな妖精:「リンリンリン……♪」
グリム:「ふなっ! ちっせぇ妖精がいっぱい出てきたんだゾ。」
リリア:「この先に……」
リリア:「そうか。わかった。」
小さな妖精:「リリリン……♪」
リリア:「心配するな、すぐに追い払ってやる。お前たちは隠れていろ。」
小さな妖精:「リンリン……♪」
シルバー:「傷が癒えていく……。」
シルバー:「この光は一体?」
バウル:「ピクシーたちの祝福だ。」
バウル:「奴らは普段、人間とみれば近寄りもしないが……よっぽど『銀の梟』を早く追い払ってほしいのだろう。」
セベク:「彼らの期待に添えるよう、努力します。」
リリア:「よし、先を急ぐぞ。」
リリア:「!」
バウル:「どうされました、右大将殿?」
リリア:「シッ……。」
???:「あーあ、ヘンリクの野郎。俺たちばっかり働かせて自分は砦で高いびきか。」
???:「いつも偉そうにふんぞりかえりやがって。やってらんねぇよなぁ。」
バウル:「!! 『鉄の者』ども……。」
リリア:「俺たちにはまだ気づいていない。闇夜にまぎれて手早く追っ払うぞ。」
バウル:「はっ……。」
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