【ストーリー】EPISODE 7-76 決闘コンフィデント!

| EPISODE ◆ 7-76 決闘コンフィデント! 深淵の支配者 |
登場人物
リリア、マレノア、バウル
テキスト全文
── 野ばら城-広間 ──
リリア:「あなた様も、ヘンリクの……『銀の梟』の首領の声は聞いていたでしょう。」
マレノア:「ほう、先程の騒音はあの人間の仕業か。」
マレノア:「イノシシの鳴き声かと思ったぞ。耳障りでかなわないな。」
リリア:「あと四半時(しはんとき)で『銀の梟』どもが城へ攻めいって参ります。」
リリア:「この城に残っている兵では、あれほどの大群を退けることは難しい。」
リリア:「大変無念ではございますが……今は退却を選択すべきかと。」
リリア:「城塞も、魔法石も……我らの誇りですら、お世継ぎの命に比べれば瑣末なもの。」
マレノア:「………………。」
リリア:「姫、ご決断を!」
マレノア:「ふふふ……」
マレノア:「ははははは!!」
マレノア:「退けと申したか?このわたくしが負けると?」
マレノア:「お前でなければ炎を一吹きして灰にしていたところだぞ、」
マレノア:「リリア!」
リリア:「姫!」
マレノア:「奴らの狙いは、私の杖に使われている魔法石『プリンセス・グロウ』……そしてこの卵だろう。」
マレノア:「人間風情が、私に『決闘』を申し込むとは……随分と思い上がったものだ。」
マレノア:「弱く、脆く、愚か。人間どもは、よほど滅ぼされたいとみえる。」
マレノア:「ならば、望み通り食らわせてやろう。」
マレノア:「……裁きの雷槌(いかづち)をな!」
リリア:「お待ち下さい!」
リリア:「あの姑息な男がなんの策もなしに一対一で『決闘』などと言い出すわけがない。」
リリア:「これは罠だ!」
マレノア:「くだらん。下賤の策略など、蹴散らしてくれよう。」
リリア:「あ〜〜〜〜〜〜っ!! もう! この我儘姫!こんな時くらい、真面目に俺の言うことを聞け!」
リリア:「ガキの頃城を抜け出して大騒ぎになった時も、女王陛下の杖にイタズラしてぶっ壊した時も……」
リリア:「はるばる遠方から呼んだドラゴンとの見合いを台無しにした時もそう!」
リリア:「俺が「やめとけ」って言ったことで、間違ってたことあったか!?」
リリア:「毎回毎回、女王陛下と元老院のジジイどもに大目玉くらってきただろうが。」
リリア:「今回ばかりは、選択を間違えれば取り返しがつかない。絶対に言うことを聞いてもらうぞ。」
マレノア:「お前が私にそんな口をきくのは久しぶりじゃないか。」
マレノア:「だが、「やめておけ」と言いながらも、お前が私に手を貸さなかったことは1度もない。」
マレノア:「ふふふ。」
リリア:「笑ってる場合じゃねーんだよ! わかってんのか? もうお前はヤンチャなおてんば娘じゃない。」
リリア:「確かにお前は強い。この国の誰よりもな。」
リリア:「だが、万が一ってことがあるだろう。」
リリア:「父親……レヴァーンもいない今、お前になにかあったら、この子はどうなる?」
マレノア:「母親だからこそ、征(ゆ)くのだ。」
……!
マレノア:「私が『決闘』に応じれば、人間どもの注意は私に集中する。」
マレノア:「その隙をついて、お前たちは卵と共に脱出しろ。」
バウル・リリア:「なっ……!」
リリア:「何いってやがる! 戦うのは俺たち近衛兵の仕事だ!」
バウル:「右大将殿の仰るとおりです!姫をお守りできず、なにが近衛兵か!」
マレノア:「どこもかしこも傷だらけ。そのみすぼらしく弱った体で、このわたくしを守る?」
マレノア:「笑わせるな。」
マレノア:「足手まといは下がっていろ、と言っているのだ。」
マレノア:「足元をうろちょろされては、うっかりお前たちごと焼き払ってしまいそうだからな。」
マレノア:「ほら。わかったなら受け取れ、リリア。」
リリア:「え?」
リリア:「うわっ!」
リリア:「なんて乱暴なことしやがる。卵が割れたらどうすんだ!」
マレノア:「リリア、バウル。お前たちに勅命をくだす。」
マレノア:「野ばら城を脱出し、卵を黒鱗城へと届けよ。逆らうことは許さぬ。」
マレノア:「さあ、行け!」
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