【ストーリー】EPISODE 7-95 交流ジェントル!

| EPISODE ◆ 7-95 交流ジェントル! 深淵の支配者 |
登場人物
リリア、犬、老人、犬(テディ)、老女
テキスト全文
── 黒鱗城‐揺籃の塔 ──
リリア:「……もうあれから80年か。」
リリア:「「そう遠からず星に還るかも」と言われてた割に、粘ってるじゃねぇか。良い子だ。」
リリア:「なあ、いい加減卵の中にいるのも飽きたんじゃねぇのか?」
リリア:「何が気に入らなくて、そこに閉じこもってんだよ。」
リリア:「卵から出てきたら、絵本だって読んでやるし、おしめだって替えてやる。」
リリア:「……だから、なあ、さっさと出てこいよ。」
リリア:「…………………………」
リリア:「はぁ。」
リリア:「そうそう、最近新しい魔法を覚えたんだ。この歳になってだぜ? 人生何が起こるかわからないよな。」
リリア:「ほんの少しだけ物の記憶を再生できるんだけどよ……」
リリア:「この魔法、案外くだらない記憶ばっかり見せやがるんだ。」
リリア:「肝心な情報だけをより分けられるほど上手くはできてないらしい。」
リリア:「でも、今まで以上に調査が捗るのは確かだ。」
リリア:「次の旅では今度こそ、お前を孵す方法が見つかるかもしれねぇ。」
リリア:「それじゃあ、俺はもう行く。じゃあな、マレウス。」
リリア:「……ん?お前、今何か言ったか?」
リリア:「いや、卵がしゃべる訳ないだろ……何言ってんだ俺は。疲れてんのか?」
リリア:「……でも、そうだな。少しだけ、疲れたのかもしれない。」
リリア:「だからもうちょっと……ここで休憩していくとするか。」
リリア:「このあいだ赤竜の国に住むという
竜を訪ねたんだが……。」
リリア:「さ、寒い……手も足も凍りそうだ……!」
リリア:「いかん、眠く、なってきた……こんなところ、で……」
犬:「ワンワン!」
老人:「おい、あんた! 大丈夫かい!」
リリア:「う……?」
老人:「子どもじゃないか!テディや、ソリでうちまで運ぶぞ。」
犬(テディ):「ワンワン!」
老人:「へぇ。あんた、ドラゴンを探して旅してるのかい。」
リリア:「ああ。迷惑をかけてすまなかった。
すぐにおいとましよう。」
老女:「そんな身体で何言ってるの! このあたりの冬は厳しい。子どもひとりで山越えは無理よ。」
老女:「春までこの家にいらっしゃいな。」
リリア:「いや、そういうわけには……。」
老人:「気にせんでいい。こんな山奥にお客さんが来るなんていつぶりだろうな。」
リリア:「……あんたたち、この耳が見えてないのか?」
老女:「耳? ……あらまあ! あなた、妖精さんなの?」
老人:「それじゃああんた、もしかして子どもじゃないのかい?」
老女:「てっきりうちの孫娘くらいの歳かと。子ども扱いしてごめんなさいねぇ。」
リリア:「怖く、ないのか?」
老女:「どうして?あなたは私たちに何も怖いことをしていないわ。」
リリア:「それは………………。」
老人:「春とは言わん、せめてこの吹雪が止むまではここにいるといい。」
老人:「冬の夜は長くてな。この老人たちの話し相手をしてくれんかね。」
リリア:「……ふ、老人か。」
リリア:「それを言うなら、俺のほうがずっと老人だ。」
老女:「とてもそうは見えないわ。おいくつなの?」
リリア:「420……いや、もう430歳になる。」
老人:「そりゃ驚いた!」
老人:「わっはっは! そうだ、婆さん、温かい飲み物を用意しておくれ。」
老人:「この歳で人生の先輩に教えを乞えるチャンスだ。聞きたいことが山ほどある。」
老女:「そうね、素敵な語らいには飲み物が必要ね。私たちと同じものでお口にあうかしら?」
リリア:「………………」
リリア:「。」
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