【ストーリー】EPISODE 7-127 虚飾ユートピア!

| EPISODE ◆ 7-127 虚飾ユートピア! 深淵の支配者 |
登場人物
イデア、セベク、グリム、シルバー、エペル、オルト
テキスト全文
── サバナクロー寮 ──
イデア:「……………」
イデア:「共感性羞恥でずっとフリーズしてた。」
イデア:「興奮したオタクって、外野から見るとあんな感じなんだ……ううっ。」
セベク:「なんなのだ、あの男は?5時間中10秒も黙らなかったぞ。」
グリム:「現実のルークも、あそこまでハイテンションじゃねぇんだゾ。」
シルバー:「そもそも、なぜポムフィオーレの副寮長がサバナクロー寮生になっている?」
シルバー:「もしやルーク先輩はサバナクローに転寮したいという願望を持っていたのだろうか?」
エペル:「それは、ルークサンが昔サバナクロー寮生だったから……かな。」
セベク:「なにっ? 転寮したということか?」
エペル:「うん。ヴィルサンと出会って、意気投合して、ポムフィオーレに転寮したんだって。」
オルト:「この夢の中のヴィル・シェーンハイトさんは学業に専念することなく、」
オルト:「映画やドラマなどの長編作品にも出演し続けている。」
オルト:「そして、ナイトレイブンカレッジには通っていない……。」
オルト:「つまりこの夢でのルーク・ハントさんは“ヴィルさんと友人になった”という事実がない。」
オルト:「だから転寮することなく、3年生になってもサバナクローに所属している。」
エペル:「………………。」
グリム:「じゃあルークのヤツ、本当はヴィルと仲良くなんてなりたくなかったってことか?」
セベク:「あるいは、ヴィル先輩と仲良くなるよりも、彼が芸能界で活躍し続ける姿を見たかったのかもしれん。」
イデア:「……それはどーかな。」
イデア:「マレウス氏の作り出した夢の中で定義されてる『幸せ』ってかなり表面的っていうか……」
イデア:「解釈が浅くて、解像度低めな感じがするんすわ。」
イデア:「例えばルーク氏が、ネージュ氏とヴィル氏両者の幸せを心から願っていたとして……」
イデア:「芸能界にありがちなギスギスした嫉妬やら蹴落とし合いがない、優しい世界で」
イデア:「推し2人がずっとニコニコしてたら幸せでしょ?……みたいな。」
エペル:「……イデアサンの意見も正しいと思う。」
エペル:「でも、ルークサンがこんな夢を見てる理由はそれだけじゃないかもしれない。」
セベク:「どういう意味だ?」
エペル:「現実のヴィルサンは、ネージュに対してかなり強いライバル心を持ってるんだ。」
エペル:「『VDC』の頃は、絶対に世界一になるって……ネージュに勝つんだって、ずっとピリピリしてて。」
エペル:「それで…………。」
エペル:「ヴィルサンは、世界一にかける想いが強すぎた。だから、『VDC』当日……」
エペル:「普段なら絶対にしない、今まで築いてきたヴィルサンの全部をぶっ壊すようなことをしちゃったんだ。」
エペル:「結局、いろいろあってニュースで報道されるような大事件にはならなかった。でも……。」
イデア:「あー…そういやヴィル氏がオーバーブロットしたのは『VDC』当日だったって調書に書いてあったっけ。」
オルト:「そうだね。」
オルト:「もしヴィル・シェーンハイトさんがネージュ・リュバンシェさんをライバル視していなければ、」
オルト:「彼はオーバーブロットしていなかったかもしれない。」
エペル:「……………………。」
エペル:「あの日のことは………」
エペル:「ヴィルサンだけじゃなく、ルークサンにとってもすごく辛くて悲しい出来事だったんだと思う。」
エペル:「誰よりもヴィルサンのことを信頼してたのはルークサンだったから……。」
グリム:「そういやアイツ「ヴィルを信じたい」って、呪いがかかったジュースを飲み干そうとしてたんだゾ。」
グリム:「オレ様、あん時はルークのヤツがテンパりすぎて変なコト言い出したんだって思ってたけど……。」
エペル:「ルークサンは身体を張ってでもヴィルサンを止めたかったんだろうし、」
エペル:「もしかすると、それだけじゃなくて……」
エペル:「二度と目覚めない呪いにかかってしまいたいくらい、ショックだったのかもしれない。」
選択肢:
├ [ この夢では『VDC』に至るまでの日々が全部無かったことに……? ]
└ [ 悲しい出来事だって、大切な思い出のひとつのはずなのに…… ]
── 分岐:【この夢では『VDC』に至るまでの日々が全部無かったことに……?】 ──
シルバー:「そんな。」
シルバー:「辛い経験の先に、大きな幸せが訪れることもあるのに……!」
── 分岐:【悲しい出来事だって、大切な思い出のひとつのはずなのに……】 ──
シルバー:「ユウの言う通りだ。辛い経験の先に、大きな幸せが訪れることだってある。」
────
イデア:「わかりみが深い。エンタメも夢も、ご都合ラッキー展開ばっかりだと冷めるしね。」
イデア:「とはいえ……流石というかなんというか、ルーク氏はとんでもなくイマジネーション強度が高い。」
オルト:「うん。ルーク・ハントさんの夢は細部までかなり丁寧に作り込まれてる。」
オルト:「雑誌の発売日とか、DVDの内容までかなり“それっぽい”んだよね。」
イデア:「それな。マレウス氏の解像度の低さを、ルーク氏自身がつよつよに補強してる。」
イデア:「エペル氏の言葉にも一切揺らがないし、『闇』が出てくる様子すらない。」
イデア:「愉快なオタク生活を満喫してるだけじゃないなら、覚醒させるのはけっこう骨が折れそうっすな。」
エペル:「……………………。」
オルト:「……エペルさん。これは全部夢だ。」
オルト:「悲しい出来事や思い通りにならなかった経験を勝手に『悲劇』と決めつけられて、」
オルト:「マレウスさんに記憶を封じられている状態。」
オルト:「ルークさん自身が、ヴィルさんや君たちとの日々を無かったことにしたいと思ってるわけじゃない。」
イデア・シルバー:「…………………。」
セベク:「うむ。オルトの言うとおりだ。」
セベク:「それに『闇』は夢の主以外の負の感情に反応し、襲ってくることもある。」
セベク:「だから深く悲しむのはよせ、エペル。」
グリム:「にゃははっ! 大泣きして『闇』に引っ張り込まれたヤツが、先輩ヅラでなんか言ってるんだゾ。」
セベク:「なっ……コラ! グリム!貴様、余計なことを言うんじゃない!」
エペル:「オルトクン、セベククン……。」
エペル:「そうだよね。僕がルークサンの目を醒ましてやんなくちゃ!」
オルト:「ふふっ。その意気だよ、エペルさん。」
選択肢:
├ [ 早速、みんなで作戦を立てよう ]
└ [ どうやったら目を醒ましてくれるんだろう? ]
グリム:「う〜ん。アイツ、ちょっとやそっとのショックじゃ全然夢から醒めそうにないんだゾ。」
エペル:「あのね……今、1つだけアイデアを思いついたんだけど。」
エペル:「みんな聞いてくれる、かな?」
< >

