【ストーリー】EPISODE 7-134 歓声アワード!

| EPISODE ◆ 7-134 歓声アワード! 深淵の支配者 |
登場人物
イデア、オルト、シルバー、セベク、グリム、ルーク、プレゼンター、ヴィル、ネージュ、場内アナウンサー、エペル
テキスト全文
── 美粧の街‐クリスタル・ギャラリア ──
イデア:「「ストレスフリーなプレイ体験は評価するが、それによりシナリオから深みが失われている」」
イデア:「って拙者のお気持ち長文をマレウス氏(開発運営)に送ったのに。改善するつもりゼロっすな。あーあ。」
オルト:「まあ……マレウスさんは魔法領域に捕らえている人たちに対して、」
オルト:「「幸せな夢を見続けろ」っていうアバウトな命令を出してるだけにすぎないからね。」
オルト:「実際にイマジネーションを働かせ、幸せな夢を創造してるのは夢の主本人だ。」
オルト:「もちろん、悲しみや怒りっていうネガティブな感情を生み出してはならない……」
オルト:「っていう縛りの中で……だけど。」
選択肢:
├ [ 悲しみや怒りのない世界ってかなり歪んでる ]
└ [ そんなの、誰も本当の意味で幸せにはなれない ]
イデア:「ユウ氏の言う通り。」
イデア:「そ、そんなん最初からレベルMAXで、敵が全部自分を避けていくゲームじゃん。」
イデア:「全滅からのリトライ。障害を乗り越えるためのトライ&エラー。」
イデア:「育成の苦労だって、ゲームの醍醐味でしょ。」
シルバー:「……マレウス様は……。」
シルバー:「きっと、そういった“手応え”のようなものを楽しまれた経験が非常に少ないのだと思う。」
シルバー:「あの御方は生まれた瞬間……いや生まれる前から、」
シルバー:「熟練の兵士たちを一蹴できるほどの力を持っていらした。」
シルバー:「比喩ではなく「最初からレベルMAXで敵が全員自分
を避けていく」ような人生を歩まれてきたのだろう。」
イデア:「あー……ッスーーーー。」
イデア:「そ、それは……そうなのかもしれませんが。」
イデア:「うちの学園……特に寮長たちは怖いもの知らずばっかりだから、」
イデア:「ちょくちょくマレウス氏に食って掛かるヤツもいたけど……」
イデア:「もしマレウス氏がイラッときてデコピンでもしようもんなら、相手は確実に保健室送り。」
イデア:「良くて退学処分、悪くて国際問題って感じだもんね。」
セベク:「うむ。つまり学園に通う人間どもは……」
セベク:「誰よりも思慮深く、誰よりも寛大なマレウス様の日頃のふるまいに心から感謝すべき……」
セベク:「ということだ!!」
グリム:「こんな時にまでオメーは……まったく、ブレねぇヤツなんだゾ。」
イデア:「セベク氏の言う通り、マレウス氏が何があっても揺らがない超人メンタルなら、」
イデア:「こんなことにはなってないんだよなぁ……。」
イデア:「魔王級のチーターに生まれたのに、感情の起伏は僕たちとさほど変わらないってんだから……」
イデア:「完全に設計ミスでしょ。」
イデア:「あ、あー……。マレウス氏のことは一旦置いといて。」
イデア:「まずはヴィル氏をどうやって目醒めさせるか考えないと。」
イデア:「とりま、寮でヴィル氏と寝食を共にしてたポムフィオーレの人、なんかないの?」
ルーク:「……私にひとつ考えがある。」
ルーク:「みんな、力を貸してくれるかい?」
── 美粧の街‐クインズ・パレス ──
プレゼンター:「それではいよいよ……『最優秀主演賞』の発表だ。」
プレゼンター:「私もこの封筒の中に誰の名前が書いてあるのか知らない。緊張で手が震えるよ。」
プレゼンター:「本年度のダイヤモンドムービー賞、」
プレゼンター:「栄えある『最優秀主演賞』は………」
プレゼンター:「ヴィル・シェーンハイト!」
ヴィル:「アタシが……本当に?」
ネージュ:「おめでとう、ヴィル様!」
プレゼンター:「おめでとう、ヴィル! さあ壇上へ!輝く王冠は君のものだ!」
場内アナウンサー:「ヴィル・シェーンハイト。『宇宙の彼方、暗闇から』で弱冠7歳にして映画デビュー。」
場内アナウンサー:「社会現象ともなった」
場内アナウンサー:「児童書の映画化『僕の願い』では、主人公……」
場内アナウンサー:「……ではなく、ライバル役を演じ、圧倒的な存在感を示しました。」
ヴィル:「えっ!?」
場内アナウンサー:「さらに学園ミュージカルドラマ『いつか、お姫様が』でも、主人公……」
場内アナウンサー:「……ではなく、主人公を追い詰める悪役を見事に演じきり……」
場内アナウンサー:「嫉妬に取りつかれたヒステリックな演技や、恐ろしい魔女のような笑い声は、」
場内アナウンサー:「見るものの背筋を恐怖で凍らせました。」
ヴィル:「このアナウンスは何?こんなの、全然アタシの経歴じゃないわ。」
ネージュ:「これ……まさかっ!?」
ヴィル:「記念すべき日に、悪い冗談はやめて。誰か、今すぐこのアナウンスを止めなさい!」
場内アナウンサー:「輝石の国出身の彼は現在……魔法士養成学校ナイトレイブンカレッジに在籍。」
場内アナウンサー:「映画を心から愛する彼は映画研究会を創設、同好会のリーダーを務めています。」
ヴィル:「ナイトレイブンカレッジ、ですって?アタシはそんな学校知らない!」
ヴィル:「アタシは撮影で忙しいのよ。辺鄙な島にある全寮制の学校になんか……」
ヴィル:「うっ!?」
ヴィル:「ぐぅっ……! 急に、頭が……ッ!」
ヴィル:「な、なんでアタシは、その学校の立地やシステムを知ってるの……?」
場内アナウンサー:「全国魔法士養成学校総合文化祭のプログラムである『ボーカル&ダンスチャンピオンシップ』では……」
場内アナウンサー:「学園の代表チームを率い、オリジナル曲『Absolutely Beautiful』を発表。」
場内アナウンサー:「ヴィルは見事にフロントマンを務め上げ、第2位の好成績を残しています。」
場内アナウンサー:「そして何より彼は――」
場内アナウンサー:「美しき女王の奮励の精神に基づく、ポムフィオーレ寮の寮長!」
場内アナウンサー:「我らの美しき女王、毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)だ!」
ヴィル:「ううっ!? ア、アンタたちは昨日の!?どうやってココに――」
ヴィル:「今の風景は何? 見たことがないのに知ってる……アタシ、アタシは……ッ!」
ネージュ:「大丈夫ですか、ヴィル様!誰か今すぐ救急車を!」
ヴィル:「はぁ、はぁっ……あ、頭が、頭が割れそう……ッ!」
ネージュ:「セキュリティは何をしてるんです!?あの侵入者たちを今すぐ外につまみ出して!」
エペル:「なっ……会場中のゲストたちが、みんな黒いドロドロした姿に変わった!」
ルーク:「なんて数だ……ああっ!ヴィルが『闇』に押し流されていく!」
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