【ストーリー】EPISODE 7-209 必勝インプリメント!

| EPISODE ◆ 7-209 必勝インプリメント! 深淵の支配者 |
登場人物
シルバー、アズール、ラギー、生徒A、生徒B、ジャック、オルト、セベク、オクタヴィネル寮生A、オクタヴィネル寮生B、イデア
テキスト全文
── 夕焼けの草原‐アイボリークリフアカデミー ──
シルバー:「それは……1マドル硬貨? それをどうするんだ?」
アズール:「こうするんです!」
チャリン……
ラギー:「!!!???」
生徒A:「うわっ!? 急に勢いよく振り返って、どうしたんだよラギー?」
ラギー:「なんか……今、呼ばれた気がして。」
生徒B:「呼ばれたって、誰に?特に何も聞こえなかったけど。」
ラギー:「空耳……ッスかね?」
ジャック:「う、うそだろ。この雑踏の中で、1マドル硬貨が落ちる音が聞こえてる?」
アズール:「さあ、どんどんいきますよ。次は5マドル硬貨です!」
チャリィン!
ラギー:「はっ!!!???」
ラギー:「今の音……どっからッスか!? ベンチの下?今度は絶対に空耳じゃない!」
生徒A:「えっ! 何が!?」
生徒B:「どうしちまったんだよ、ラギー?」
ラギー:「ごめん、2人とも。今日は先に帰っててくんないッスか。」
ラギー:「オレ……この音がなんなのか確かめるまで帰れないッス!」
ラ、ラギー!?
オルト:「ラギー・ブッチさんが友人のNPCと離れて単独行動になったよ。」
セベク:「しゃがみこんでベンチの下や」
セベク:「植え込みを探し始めたぞ。」
ラギー:「あの音、一体なんの、なんの音ッスか? 鈴みたいな……」
ラギー:「でも、もっとワクワクする綺麗な音!」
アズール:「ふふふ……やはり。予想通りだ。そろそろ本気を出しますよ。」
ジャック:「そ、それは……100マドル硬貨!」
アズール:「彼の深層心理に、高らかに響かせてみせましょう!」
アズール:「この音を!」
チャリィィン!
ラギー:「はぁっ!! 今の音……さ、さっきより少し……」
ラギー:「いや、少しどころじゃない。20倍はドキドキする。」
ラギー:「この美しい音色は一体?」
ラギー:「君の姿を……オレに見せてくれ!」
ラギー:「君のことは、オレが絶対に見つけたい!!」
ジャック:「ラ、ラギー先輩まさか……音だけで硬貨の種類を判別しているのか!?」
アズール:「ええ。僕も彼のあの能力に気づいた時には、背筋に震えが走りましたよ。」
アズール:「あれは、ラギーさんが『モストロ・ラウンジ』のバイトに入ったときのことです……」
オクタヴィネル寮生A:「ふぅ、今日も忙しかったなぁ……。」
オクタヴィネル寮生B:「さっさと終わらせて上がろうぜ。僕らでレジ締めするから、ラギー、掃除頼むわ。」
ラギー:「うぃース。」
ジャラジャラッ!
オクタヴィネル寮生A:「うわっ!! やばい、小銭を何枚か床に落としちまった!」
オクタヴィネル寮生B:「げっ、ばか! 相手はあのアズールだ。たとえ1マドルでもレポートと金額が合わなかったら……」
オクタヴィネル寮生B:「ねちねちねちねち……きっと卒業するまで嫌味を言われる。揃うまで帰れないぞ。」
オクタヴィネル寮生A:「ひぃっ……ど、どうしよう。どこに転がってった? 見つけないと……」
ラギー:「今落ちた小銭、合わせて753マドルッスね。」
えっ?
ラギー:「オレが小銭探しとくんで、アンタらはレジ締め作業進めててください。」
オクタヴィネル寮生A:「オレも拾うの手伝うよ。」
ラギー:「いらねぇッス。むしろ足音が邪魔。」
ラギー:「さぁて、キラキラの小銭ちゃんはどこかな~?」
ラギー:「はい、まずはソファの下から500マドルみっけ。こっちのカーペットの上には100マドル。」
ラギー:「んで……50マドル2枚はテーブルの下ね。」
ラギー:「10マドルはレジの下と、水槽の前……ひい、ふう、みい……」
ラギー:「はい、5枚揃った。」
ラギー:「残り3マドル、1枚はアンタの足の下、」
ラギー:「もう1枚はドリンクサーバーの前、そんで最後の1枚はっと…。」
ラギー:「1マドル硬貨って、かなり軽いから予想外のところまで転がっていったりするんスよね。」
ラギー:「カーペットの弾力と、フロアの段差のことを考えると……」
ラギー:「はい、あった~!!レセプションデスクの前に転がってたッス!」
オクタヴィネル寮生A:「マジかよ……今ラギーが拾ってくれた硬貨を足したら、レジの売上レポートと金額ぴったりだ!」
オクタヴィネル寮生B:「ラギーお前、すごすぎだろ!!」
ラギー:「シシシッ! これくらいお安い御用ッス。」
ラギー:「残業回避のお礼に、今日のまかないを超大盛りにしてくれたら嬉しいなー、なんて。」
オクタヴィネル寮生A:「そんくらいお安い御用だよ!じゃあ、金を金庫にしまってくるな。」
ラギー:「はいはい、いってらっしゃーい。」
ジャック:「すげぇぜ、ラギー先輩……! 一体どれだけ耳を鍛えりゃ、そんなふうになれるんだ?」
セベク:「た、たしかに驚異的な聴力だ。だが、使い所が限定的すぎではないか!?」
イデア:「RPGの斥候(スカウト)ジョブなら頼りになりすぎるスキルだけど、日常生活で必要かって言われると……。」
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