【ストーリー】EPISODE 7-258 香気フォロー!

| EPISODE ◆ 7-258 香気フォロー! 深淵の支配者 |
登場人物
ケイト、エース、オルト、セベク、デュース、レオナ、シルバー、イデア、チェーニャ、トレイ
テキスト全文
── ハーツラビュル寮‐廊下 ──
ケイト:「けーくん、いきなり全員でキッチンに入るのはやめたほうがいいと思うな。」
ケイト:「この中にはトレイくんだけじゃなくて、」
ケイト:「NPCのハーツラビュル寮生(オレら)が一緒にいる可能性がある。」
ケイト:「NPCと鉢合わせたらエースちゃんの夢みたいに「偽物だー!」ってバトルになるかもしれないでしょ。」
ケイト:「エースちゃんたちは「魔法で分身してます」って言い訳ができないわけだしさ。」
エース:「あ、そっか。」
オルト:「さすがはケイトさん。慎重で素晴らしいね。」
セベク:「うむ。それに対象を守っている『闇』は……」
セベク:「夢の主のイマジネーションによって、現実よりも強化されている可能性もある。」
セベク:「特にハーツラビュルの人間は慎重になったほうがいいだろう。」
エース:「でも、先輩だってオレの夢にいたケイト先輩のNPCみたいに……」
エース:「「今ユニーク魔法使ってないよ」って言われたらバトルになっちゃうんじゃね?」
ケイト:「そしたら「えー、ひどーい。オレくんが分身(オレ)にめんどい用事頼んだんでしょ~?」って分身になりすまして」
ケイト:「話をうやむやにしながらNPCをキッチンの外に引っ張り出すことくらいはできるし。」
ケイト:「あとは外でサクッとNPCを始末して、本物になりすましてキッチンに戻ればいいじゃん。」
デュース:「それ、ダイヤモンド先輩にしか使えない荒業っすね……。」
レオナ:「そもそも、キッチンにこの人数でぞろぞろと入っていくのもおかしいだろ。」
シルバー:「では、先遣隊を組むか?」
ケイト:「それがいいね。んじゃまずは……ハーツラビュル代表として、オレと……」
ケイト:「オレと一緒にいても違和感ない同級生のレオナくん、イデアくん、が適任かな?」
イデア:「ヒッ……い、違和感ありすぎでしょ。」
イデア:「せ、拙者ハーツラビュルなどという陽の者の集まりとほぼ接点がありませんが!?」
レオナ:「なんでこの俺が斥候の真似ごとなんぞしなきゃならねぇんだよ。」
レオナ:「下見なんざ、後輩どもにでもやらせておけよ。」
レオナ:「それに、もし俺がハーツラビュルに茶を飲みにきていたらどうする? 鉢合わせたら困るだろうが。」
ケイト:「オレが知ってる限り、レオナくんがハーツラビュルにお茶を飲みに来たことなんてないじゃん。」
ケイト:「鉢合わせないって。」
ケイト:「ていうか、トレイくんのそばなんてリドルくんがいる確率メチャ高いんだから!」
ケイト:「2人とも拒否禁止! ほら行くよ~。」
ケイト:「バトルになったらレオナくんが頼りなんだからね。けーくんはか弱いんだからさ。」
レオナ:「チッ……嘘つけよ。面倒くせーな……。」
イデア:「アッ、アッ……イヤだぁああ~~!」
オルト:「兄さんのタブレットに内蔵されたマイクを通して、僕たちも話は聞いてるからね。」
シルバー:「対象を夢から醒ますには、まずは状況把握が大切だ。」
シルバー:「先輩がた、よろしく頼む。」
エース:「先輩たち、頑張って~。」
── ハーツラビュル寮‐キッチン ──
ケイト:「うわあ!? なにこのキッチン!?」
ケイト:「普段の5倍……いや10倍は大きくなってる!」
レオナ:「見渡す限りの菓子、菓子、菓子……。」
レオナ:「甘ったるい匂いで鼻がバカになりそうだ。食べてもないのに腹一杯だぜ……。」
イデア:「パウンドケーキがタワースタックゲームみたいに積み上げられてる。」
イデア:「寮生どころか、全校生徒にふるまってもまだ余りそう……。」
ケイト:「ウチの寮でお茶会が開かれる時は、いつもトレイくんがお茶請けを作ってくれててさ。」
ケイト:「でも、実家の母さんや姉ちゃんズからは」
ケイト:「「お菓子作りって本当に大変! 結局買った方が美味しいし安い」って聞いてたから……」
ケイト:「トレイくんに「毎回作るのしんどくない?たまには市販品で楽したら?」」
ケイト:「って提案したことあるんだよね。」
ケイト:「その時は「別に作るのは苦じゃない」って言われちゃって。」
ケイト:「そうは言いつつも、本音はしんどいのを我慢してやってくれてるんだろうな~って思ってたんだけど……。」
イデア:「この夢の状況をみると、本当にお菓子を作るのが楽しくてしょうがないとしか思えませんな。」
ケイト:「うん……オレもそう思う。」
レオナ:「ん?パイの山の向こうから話し声が聞こえるな……。」
???:「ハフハフッ! 相変わらずおみゃーの焼くミートパイは抜群やわ。」
???:「ホールケーキの最初の1ピースは寮長のもの。」
???:「……とはいえ、まだ冷まし終わってもいないのにつまみ食いするなよ、チェーニャ。」
チェーニャ:「トレイのミートパイは出来立てアツアツが一番美味いからにゃあ。」
チェーニャ:「最初に食えるのは、寮長の特権だわ。」
トレイ:「そんなこと言ってると、また舌を火傷するぞ。猫舌なんだから気をつけろよ。」
ケイト:「あれは……トレイくんと、チェーニャン!?」
エース:「え? 待って。今「寮長の特権」って言った?」
エース:「まさか、チェーニャさんがハーツラビュルの寮長になってるってこと?」
オルト:「彼……ウチの学園の生徒じゃないね。ナイトレイブンカレッジのデータベースにヒットしない。」
デュース:「あの人はロイヤルソードアカデミーの生徒だ。クローバー先輩の幼馴染で、同じ3年生だったはず。」
デュース:「本名は確か……アル、ナントカビチビチ……みたいな長い名前の……。」
オルト:「アルチェーミ・アルチェーミエヴィチ・ピンカー。薔薇の王国出身、だって。」
オルト:「ロイヤルソードアカデミーのデータベースでヒットしたよ。」
エース:「相変わらずすげーね、オルトは。」
エース:「そんでデュースは『アル』しか合ってねぇし。ウケる。」
デュース:「本名を聞いたのは1回だけなんだから、しょうがないだろ!」
セベク:「舌を噛みそうな名前だな。」
オルト:「兄さんたちにもこの情報を共有しておこう。」
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