【ストーリー】EPISODE 7-260 吃驚ストレンジ!

| EPISODE ◆ 7-260 吃驚ストレンジ! 深淵の支配者 |
登場人物
チェーニャ、トレイ、ケイト、イデア、レオナ
テキスト全文
── ハーツラビュル寮‐キッチン ──
チェーニャ:「はねる首がなきゃ、リドルもお手上げってわけさ。」
チェーニャ:「あいつがびっくりしてるうちに、ズボンのベルトを引っ張ってひっくり返してやった。」
チェーニャ:「「おみゃー、頭で逆立ちできるかにゃ~?」ってな。」
チェーニャ:「そしたら派手にズボンが脱げちまって。怒って真っ赤になったあいつの顔ったら……ふふふふ!」
トレイ:「おいおい、そうからかってやるなよ。今のを他寮生にバラしたなんて知ったら、あいつ怒るぞ。」
チェーニャ:「あいつが怒ったところで、ぜーんぜん怖くないにゃあ。」
トレイ:「決闘の時もリドルのユニーク魔法こそかわせたが、他の魔法でボコボコにされてた可能性もあったんだ。」
チェーニャ:「そいでも、リドルは撃ってこんかったじゃにゃーの。」
トレイ:「それは相手がお前だったからだろ。他のヤツなら一瞬で黒焦げにされてたに違いない。」
チェーニャ:「ま、リドルが何度挑んできてもこのチェーニャ様が“ポンカドゥ”してやるぜぇ。」
ケイト:「「ポンカドゥ」? なにそれ?」
チェーニャ:「俺のじーちゃんに教わった、カバンが話す不思議な言語だぜぃ。ケイトは知らないんか?」
チェーニャ:「頭をポコンとやって、カンガルーみたいにぴょんと跳ねさせてやるってことさ。いひひひ。」
チェーニャ:「なにせ俺は、そんじょそこらの魔法士とは偉さが違うからねぇ。」
チェーニャ:「そいじゃあお客さんがた、ゆっくりお茶でも飲んでいきにゃあ。」
トレイ:「チェーニャ! 今日の『なんでもない日』のパーティーは16時からだぞ。庭で待ってるからな。」
チェーニャ:「行くかどうかは気分次第かにゃぁ。」
チェーニャ:「フンフフ~ン♪」
トレイ:「まったく。寮長の気分屋にも困ったもんだ。」
トレイ:「……っと! まずい。そろそろケーキが焼き上がる時間だ。」
トレイ:「オーブンから取り出してくるから、少し待っててくれ。」
ケイト:「行っちゃった……。」
ケイト:「えーっと、情報を整理すると……」
ケイト:「まず、トレイくんの幼馴染のチェーニャンが、」
ケイト:「ロイヤルソードアカデミーじゃなくてナイトレイブンカレッジに入学してて……」
ケイト:「リドルくんもハーツラビュルに所属してるけど、チェーニャンには勝てないから寮長になってない。」
ケイト:「チェーニャンが治めるハーツラビュルで、トレイくんはハッピーにお菓子作りを楽しんでる……」
ケイト:「ってことでいい?」
イデア:「設定が地に足ついてて、なんともトレイ氏らしい夢ですな。」
レオナ:「はっ。地に足がついてる? だいぶヤツの願望がむき出しの都合のいい世界になってるだろ。」
レオナ:「自由に使える学食よりも大きな寮のキッチン、緩い規則、気心の知れた寮長……」
レオナ:「そして幼馴染相手には攻撃の手を緩めるリドル。」
イデア:「確かにどれもちょっとした改変に見えて、実現難易度激高なもののオンパレードってカンジ。」
レオナ:「さて、どうやって目を醒まさせる?」
イデア:「なんというか、レオナ氏の夢みたいに現実とのド派手な齟齬があるわけじゃないし……」
イデア:「こういう、妙にリアルな夢は現実との齟齬を突きつけづらくて一番手強いまであるんだよなぁ。」
イデア:「……ケイト氏、なんかトレイ氏を起こすアイデアないの?」
ケイト:「なんかって言われても……。うーん。」
トレイ:「お前たち、腹減ってないか?」
え?
トレイ:「こないだ手に入れたレシピ本に載ってた、レモンジュレとヨーグルトのデザートを試作したんだ。」
トレイ:「よかったら、試食して感想を聞かせてくれないか?」
トレイ:「甘味料ははちみつだけ。」
トレイ:「サッパリしてるから、甘いものが苦手なケイトも食べられるんじゃないかと思ってな。」
ケイト:「え、いいの? 最初の一口を食べるのは寮長ってのが法律でしょ。」
トレイ:「法律で決まってるのは『ホールの最初の1ピース』だけで、グラスデザートは例外だ。それに……」
トレイ:「たとえそれがホールケーキだろうが、うちの寮長(チェーニャ)は怒りゃしないさ。」
トレイ:「ほら、デザートに合わせてお茶もはいったぞ。」
トレイ:「そこのダイニングテーブルのところに腰掛けて、くつろいでいってくれ。」
レオナ:「……いいだろう。だがお前も一緒に座って、同じものを食え。」
トレイ:「え、俺も?」
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