【ストーリー】EPISODE 7-275 懐古ピクチャー!

| EPISODE ◆ 7-275 懐古ピクチャー! 深淵の支配者 |
登場人物
セベク、デュース、シルバー、オルト、イデア、レオナ、エース、ケイト、トレイ
テキスト全文
── 緋色の都‐リドルの家 ──
セベク:「我が家は母よりも父のほうが写真を撮りたがるし、飾りたがるな……。」
セベク:「しかも妙に凝り性で、プロ仕様のカメラをいくつも持っている。」
デュース:「ウチは母さんがよくスマホで撮影してる。」
デュース:「でも、飾ってあった写真立ては僕が反抗期の時に、全部クローゼットに隠したままだ。」
デュース:「今度実家に帰ったら、探し出して返そうかな……。」
シルバー:「父が古いインスタントカメラを持っていて、年に一度俺の誕生日に一緒に撮影するのが決まりだった。」
シルバー:「実家の壁には飾っていなかったから、きっと親父殿がどこかにしまっているのだろう。」
オルト:「ウチには印刷した写真を飾る習慣はないね。でも……」
オルト:「父さんと母さんが職場のデスクにデジタルフォトフレームで家族写真を飾ってるのは知ってるよ。」
オルト:「兄さんがナイトレイブンカレッジに入学してからも、」
オルト:「行事ごとの写真は送れって言われて定期的に写真と動画を送ってるし。」
イデア:「えっ、それ新情報なんですが!? そうなの!?」
オルト:「うん。といっても……」
オルト:「兄さんがイベントに生身で参加するのはレアだから、シャッターチャンスはなかなかないけど。」
オルト:「レオナさんは王子様だから、また少し“記念写真”のテイストが違いそうだよね。」
レオナ:「大衆新聞紙に王室担当カメラマンがいて、」
レオナ:「イベントごとに王宮を訪ねてきては俺たちの写真を勝手に撮ってやがった。」
エース:「うわ、マジで次元が違う……。」
レオナ:「撮られた写真は王室の広報担当がチェックして……」
レオナ:「一番大衆ウケが良さそうなものを選んで報道にばらまくんだ。」
レオナ:「俺はそういう“王家のイメージアップのためにやらされる家族団欒”ってやつが嫌いでな。」
レオナ:「カメラマンが来る日は朝から姿をくらませてた。」
レオナ:「間抜けな家臣どもが見当違いの場所を捜してるのを高みの見物するのは、悪くなかったがな。」
レオナ:「大体、何で俺が楽しくもない行事に参加して、ヘラヘラと愛想をふりまかなきゃならねぇんだ。」
イデア:「うーん。ほんっっとにレオナ氏って、『プリンス』って職業(ジョブ)に向いてないよね。」
ケイト:「それじゃあ、あんまり小さい頃の写真とか残ってないの? 勿体な~い。」
レオナ:「いや。公務以外の日は母親やら侍従長やらがあちこちで写真を撮ってた。」
ケイト:「じゃあそれはごくプライベートな写真で、公には出てこないってこと?」
レオナ:「そうなるな。王宮を出て、ようやく奴らのくだらねぇ自己満足に付き合わなくてよくなったと思ったら……」
レオナ:「今度は季節ごとに「写真をよこせ」と連絡がきやがる。」
レオナ:「やれプライベートダイニングに飾る用だの、親父の病室に飾りたいだの……。」
レオナ:「ったく、うざったいことこの上ねぇ。」
トレイ:「……………………。」
ケイト:「……トレイくん? 汗すごいよ。部屋暑い?」
トレイ:「………………」
トレイ:「ないんだ。」
ケイト:「え?」
トレイ:「この部屋の壁に飾ってある写真……全部、俺の記憶にない。」
えっ……?
トレイ:「確かに俺は9歳の頃、リドルに出会ってる。でも……」
トレイ:「一緒に遊んでいたのは、たった1、2ヶ月。」
トレイ:「リドルはずっと私立校に通っていたから、」
トレイ:「公立校に通っていた俺とチェーニャとは、一度も同じ学校に通ったことはないんだ……」
トレイ:「だからスポーツデーに参加したことも、一緒に旅行をしたことも、ない。」
ケイト:「そ……それってつまり、この部屋の写真全部……」
ケイト:「リドルくんが作り出した、『存在しない思い出』ってこと……?」
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