【ストーリー】EPISODE 7-276 架空メモリー!

| EPISODE ◆ 7-276 架空メモリー! 深淵の支配者 |
登場人物
リドル、エース、ケイト、レオナ、グリム、デュース、セベク、シルバー、トレイ、オルト、イデア
テキスト全文
── 緋色の都‐リドルの家 ──
リドル:「みんな、お茶が入ったよ!」
リドル:「……どうしたんだい、みんな座りもせず立ったままで。」
エース:「オレら薔薇の王国出身者が多いんで、つい壁の写真見ながら昔の話で盛り上がっちゃって。」
リドル:「ふふふ! どれも最高だろう?」
リドル:「さあそんなことより、今はお茶だ!席はいくらでもある。」
リドル:「みんな座って、座って! 飲んで、飲んで!楽しくやろう!」
リドル:「紅茶には角砂糖を5つ、それからミルクとはちみつもたっぷりと!」
ケイト:「ひぇっ……それもう茶葉の味がわからなくない?」
レオナ:「ゲストの好みも聞かずに勝手にブチ込むとは。ホストにあるまじき行動だな。」
リドル:「トレイが持ってきてくれたイチゴタルトの他にも……」
リドル:「ママが焼いてくれたシフォンケーキと、バタークッキーがあるよ。」
グリム:「やったー! おなかペコペコなんだゾ。いっただっきまーす!」
んっ……?
デュース:「このシフォンケーキ、なんだか妙に硬いような……?」
エース:「妙にボソボソしてるし……。」
グリム:「クッキーも全然甘くねぇんだゾ。」
セベク:「随分粉っぽいな。一口ごとに口の中の水分が奪われていくような……」
シルバー:「ああ。噛み応えがあって、腹持ちが良さそうだ。」
トレイ:「…………」
トレイ:「これ。」
トレイ:「材料が大豆粉とおからパウダーだ。砂糖も白砂糖じゃないし、かなり控えられてる。」
リドル:「どう? うちのママのケーキは。とっても美味しくて、紅茶に合うだろう?」
リドル:「気に入ったならおかわりもあるからね!」
エース:「ははは、それはどーも……。」
エース:「ちょっとオルト、これどういうこと……?」
オルト:「もしかすると、リドルさんの記憶の中の“母親の作るスイーツ”の味を再現しているのかもしれない。」
グリム:「見た目はふわふわしっとりでウマそうなのに、変な感じなんだゾ〜……。」
リドル:「そうそう!」
リドル:「イチゴタルトが本当に箱のなかでしっちゃかめっちゃかで潰れたトマトみたいになっていたのだけど……。」
リドル:「ここに来る途中で、うさぎの穴にでも落ちたの?あはは!」
トレイ:「そ、そんなに崩れてたか? 悪い……はは。」
リドル:「ねえねえ! トレイと同じ学校に通っているってことは、けーくんたちも魔法士なんだよね?」
ケイト:「うん、そうだよ。」
リドル:「魔法士は楽器を奏でるのにも、魔法を使うことがあるんだろう? 見せておくれよ!」
リドル:「チェーニャは魔法が使えるくせに、頼んでも見せてくれないんだ。」
デュース:「え? でも、ローズハートさんも魔法使えますよね?」
リドル:「いいや? ボクは魔法を使えない。」
えっ!?
トレイ:「嘘だろ? だってお前の両親は有名な魔法医術士で……だからお前も幼い頃から勉強漬けに……。」
リドル:「両親が魔法医術士? ボクが勉強漬け?アハハハハハ!」
リドル:「ワタリガラスと机が似ているくらい、ありえないよ!」
リドル:「ママは専業主婦だし、パパは小説家だ。しかもふたりとも魔法士じゃない。」
えっ…………!?
イデア:「……ついにこのパターンがきたか。」
イデア:「現実の自分の人生を、“根本から”無かったことにするほど夢にどっぷり浸かってるヤツが……。」
レオナ:「……どうりで、全く魔力の匂いを感じなかったわけだ。」
オルト:「自分自身が最も現実と遠い姿になっていたアズールさんと似たパターンではあるけど……」
オルト:「生まれてから今までの記憶が全てリドルさんのイマジネーションによるものとなると、」
オルト:「何がきっかけで覚醒させられるかわからない。どうする?」
イデア:「リドル氏の記憶が完全消去されたわけじゃない。」
イデア:「必ずどこかに保存されてて、呼び出せる方法があるはず……。」
シルバー:「思い出を共有している寮生たちとの対話で、綻びが生まれてくれればいいが……。」
リドル:「コソコソ話はおやめ!!!!」
!!!
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