【ストーリー】EPISODE 7-296 深淵コンシダー!

| EPISODE ◆ 7-296 深淵コンシダー! 深淵の支配者 |
登場人物
シルバー、トレイ、セベク、デュース、エース、オルト、ケイト、レオナ、グリム
テキスト全文
── 南国リゾート‐浜辺 ──
シルバー:「リドルも今頃、1人で戦っているかもしれない。」
トレイ:「そんな! 助けに行く方法はないのか?」
セベク:「ふん! “あの”リドル先輩だぞ。貴様らの助けなど、むしろ足手まといだろう。」
セベク:「必ずや『闇』を打ち破り、自力で戻って来るに決まっている!!」
デュース:「それを他寮のヤツに先に言われるのは、なんか癪だな……」
デュース:「でも、僕もそう思う。」
デュース:「カシラなら『闇』の1体や2体……いや、100体は軽くひねれるはず!」
エース:「そーね。お前らの言う通り、そういう意味での心配はオレもいらないと思う。」
エース:「でもさ、リドル寮長の夢って崩壊しちゃったじゃん。「戻って来る」って、どこに戻ってくんの?」
オルト:「ハッピーエンドを迎えられなくなった夢の世界は」
オルト:「管理者(マレウスさん)にリセットされ、再構築される。」
オルト:「まるで全滅したら自動的にセーブポイントまで戻る、ビデオゲームみたいに。」
ケイト:「え……それって、まさか幸せな結末を迎えるまで何度もループする、とか?」
オルト:「その可能性は高いね。」
オルト:「これは統計的サンプリングから算出したデータじゃなく、少ないサンプルからの推測にすぎないけど。」
オルト:「でもリドルさんが深淵から戻ってくるなら……」
オルト:「自分の夢の世界にある、いずれかのセーブポイントだと推測されるよ。」
トレイ:「なら、どこにも戻れずに1人で深淵を彷徨い続けている……なんてことはないんだな?」
レオナ:「はぁ……知るかよ。確認する手段がない以上、考えたって意味がねぇ。」
レオナ:「たとえ不測の事態が起こっていたとしても、アイツなら自分でどうにかするだろ。」
レオナ:「ガキの心配する父親か、テメェは。うざってぇな。」
ケイト:「あ~あ。トレイくん、とうとうレオナくんにも言われちゃったぁ。」
トレイ:「……茶化すなよ、ケイト。」
トレイ:「お前だって知ってるだろ。」
トレイ:「リドルは確かに強い。でも、ときに驚くほど脆くて幼い部分がちらつく時がある。」
トレイ:「レオナがリドルの実力を認めてくれているのは、寮生として誇らしいが……」
トレイ:「あいつの夢の中を覗いてしまった今、「絶対に大丈夫」だなんて俺にはとても言えないよ。」
オルト:「うん……わかるよ。すごく心配、だよね。」
オルト:「でもレオナさんの言う通り、今僕たちにできることは何もないんだ。」
オルト:「それはリドルさんだけじゃなく、兄さんも同じ。」
オルト:「僕も今すぐ兄さんの夢まで飛んでいって、無事を確認したい……。」
トレイ:「オルト……ごめん、そうだよな。お前が一番不安だよな。」
オルト:「でも今飛び出しても、ただ迷子になってみんなに迷惑をかけるだけ。」
オルト:「それに僕だけで夢を渡ったら、マレウスさんにもバレちゃう。」
オルト:「ううっ……僕の言動、さっきからすごく矛盾してる。」
オルト:「行動プロセスと抑制プロセスが魔導回路の中で無限ループするんだ。」
オルト:「いくつものスレッドが競合して、デッドロック状態になってるよ!」
オルト:「本当に、何もできない。ああ、僕、今すごく役立たずだ……!」
オルト:「僕、一体どうしたらいいの?」
シルバー:「オルト。お前が焦る気持ちはよく分かる。」
シルバー:「だが今は安静にして、怪我を治すことが最優先だ。」
シルバー:「もし今すぐにお前の両親や、イデア先輩に連絡が取れていたとしても、絶対に俺と同じことを言うだろう。」
オルト:「でも……。」
シルバー:「いいか? お前は絶対に役立たずなんかじゃない。」
デュース:「シルバー先輩の言うとおりだ。」
デュース:「お前がいなかったら、ローズハート寮長に一発くらわせることなんかできなかった!」
セベク:「それどころか、僕たちだけでは満足に夢を渡ることすら出来なかったはずだ。」
グリム:「夢を渡るたび、毎回ドシーン! って地面に落ちなくなっただけでも、スゲーことなんだゾ。」
オルト:「そんなの、みんなの魔法でだって……今回も上手くいかなかったし……。」
エース:「なに? 急にネガティブじゃん。いつもの“僕は有能”ムーブはどーしたの?」
トレイ:「オルトは怪我をしたせいで、余計に不安になっているんだろう。」
オルト:「それは……ヒトが体調不良の時に、自律神経の乱れから不安感やイライラを募らせる現象のこと?」
エース:「てかさ、「ヒトが」って他人事みたいにいうけど、お前もバグかなんかで心を手に入れたんでしょ?」
エース:「だったらオレらが感じる不安やイライラは、お前も感じて当たり前だよね。」
エース:「エネルギー残量もかなり少ないんだろ。もうクタクタってことなんじゃない?」
オルト:「不安……クタクタ……僕が……?」

