【ストーリー】EPISODE 3-31 悪党トランザクション!

| - 悪党トランザクション! 深海の商人 |
登場人物
レオナ、アズール、ラギー
テキスト全文
── オクタヴィネル寮 ──
レオナ:「……そこでだ。なあアズール、俺と取引しようぜ。」
アズール:「……は?」
レオナ:「この契約書をお前に返したらお前は俺になにを差し出す?」
アズール:「な、なんでもします。」
アズール:「テストの対策ノートでも卒業論文の代筆でも、出席日数の水増しでも、なんでもあなたの願いを叶えます!」
レオナ:「なるほど、実に魅力的な申し出だ。」
アズール:「なら──」
レオナ:「だが……。」
レオナ:「悪いが、その程度じゃこの契約書は返してやれそうにねぇなァ。」
アズール:「……えっ?」
レオナ:「俺はな、今、ユウに脅されてんだよ。」
レオナ:「契約書の破棄に協力してくれなきゃ、毎日朝まで毛玉と一緒に部屋の前で大騒ぎしてやるってなァ。」
アズール:「は……?」
レオナ:「お前にオンボロ寮を取られちまったら俺が寝不足になっちまう。」
レオナ:「アイツらにサバナクローから出て行ってもらうためにも、契約書(コイツ)は破棄させてもらうぜ。」
アズール:「まさか、そんなことで……!?」
レオナ:「悪党として、ユウに一歩負けたな、アズール。」
アズール:「う、うそだ……やめろ!」
レオナ:「──さあ、『平伏しろ!』」
レオナ:「『王者の咆哮(キングス・ロアー)』!」
アズール:「やめろおおおおおおおおおおお!!!」
ザラザラッ!
アズール:「あ、あああ……あああああ……!!!」
アズール:「僕の、僕の『黄金の契約書』が……っ!」
アズール:「全部、塵に…………っ!」
ラギー:「アズールくんのユニーク魔法『黄金の契約書(イッツ・ア・ディール)』」
ラギー:「一度サインをした契約書は、何人たりとも傷つけることはできない。」
レオナ:「わざわざ何度も破れないところを見せびらかし無敵だと印象付けていたが……」
レオナ:「全てにおいて完全無欠な魔法なんかない。」
レオナ:「状況からみて、VIPルームの中、あるいはお前が手にしている時だけ」
レオナ:「無敵効果が付与されてるんじゃないかと予想してたんだが──。」
レオナ:「俺の魔法で簡単に砂に変えられたとこを見るとその読みは当たったらしいな。」
レオナ:「契約書自体の強度は、ただの紙同然だ。」
アズール:「そ、そん……な………」
ラギー:「シシシッ! ユウくんたちの脅しなんかレオナさんなら1発でぶっ飛ばせちゃうのに……」
ラギー:「なんでここまで手伝ってやるのかなーって思ってたんスけど。オレ、理由がわかっちゃったッス。」
レオナ:「あん?」
ラギー:「レオナさんが前にアズールくんと結んだっていう契約」
ラギー:「これに乗じて破棄しちゃおうって魂胆だったんでしょ。」
レオナ:「……はっ、詮索屋は嫌われるぜ?」
レオナ:「俺は困ってるヤツを見過ごせない優しい性分なだけだ。くくっ。」
ラギー:「うはっ。自分で言ってて笑ってんじゃないスか。」
ラギー:「砂にされる前に、どんな契約内容だったのか見とけばよかったッス。」
アズール:「………あ………あぁ…………」
レオナ:「ん?」
アズール:「ああ、ああああ……っ!」
アズール:「あ~~~~っ!!!もうやだ~~~~~~~~~!!!」
ラギー・レオナ:「!?」
アズール:「消えた……コツコツ集めた魔法コレクションが!僕の万能の力がぁ……!」
レオナ:「……なんだァ?」
ラギー:「き、急にキャラが……。」
アズール:「ああ、もう全てがパァだ!!なんてことをしてくれたんだ!!!!!」
アズール:「アレが無くなったら、僕は……」
アズール:「僕はまた、グズでノロマなタコに逆戻りじゃないか!」
アズール:「そんなのは嫌だ……いやだ、いやだ、いやだ!!」
アズール:「もう昔の僕に戻るのは、嫌なんだよぉ……っ!」
レオナ:「なんだ……!?黒いオーラが……」
ラギー:「レオナさんが期待させてから落とすようなマネするからッスよ!」
ラギー:「アズールくん。ほ、ほら。ちょっと落ち着こ、ねっ!」
アズール:「うるせ~~~!!!!」
アズール:「お前らに僕の気持ちなんかわかるもんか!」
アズール:「グズでノロマなタコ野郎と馬鹿にされてきた僕のことなんか……お前たちにわかるはずない!」
アズール:「……………………。」
アズール:「ふ、ふふふ。」
アズール:「ああ、そうだ……。」
アズール:「なくなったなら、また奪えばいいんだ……」
アズール:「くれよ。なあ、お前らの自慢の能力、」
アズール:「僕にくれよぉ!」
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