【ストーリー】EPISODE 10 乙女心がわからない偽者

| - 乙女心がわからない偽者 - |
登場人物
レオナ、ヴィル、イライザ、セベク、ジェイド、ジャック、トレイ、フロイド
テキスト全文
── 大食堂‐結婚式場 ──
レオナ:「体中を縛られてるみたいに、指1本動かせねえっ。」
ヴィル:「それに魔法も使えない…… どうなってるの!?」
イライザ:「私はこの500年間ずっと理想の王子様を待ち続けたのよ。」
イライザ:「その私に、自ら「自分こそが王子様だ」って名乗り出たんだもの……」
イライザ:「乙女心がわからない偽者さんには、たーっぷり反省してもらうわ。」
イライザ:「私が耐えた時間と、同じだけね。」
セベク:「ご、500年も!?」
ジェイド:「平手打ちで人間を金縛り状態にするゴーストなど聞いたこともありません。」
ジェイド:「どうやらこだわりや情熱だけでなく、パワーも規格外のお相手のようですね。」
レオナ:「わけのわからねえ理由でこの俺をふるとはいい度胸だな!」
ヴィル:「アタシのアプローチを断るなんてどういうつもり!?調子に乗らないで!」
ジャック:「嘘をつくのは不本意だが……」
ジャック:「寮長2人がダメだった以上残った俺たちが頑張らねぇと!」
イライザ:「では、次は……白くて大きなお耳のたくましいあなた。」
ジャック:「……ジャック・ハウルだ。」
イライザ:「あなた、剣術の腕はいかほど?どのぐらいの大きさのモンスターを倒してきたの?」
イライザ:「先祖代々伝わる伝説の剣は持ってるかしら。」
ジャック:「剣? んなもん必要ねえ。」
ジャック:「俺はこの拳ひとつで……」
イライザ:「却下!!!!」
バッチーーーーン!!
ジャック:「いってえな!!!!」
イライザ:「伝説の剣で姫をモンスターから救えない王子なんてありえないわ!」
イライザ:「次! 鋭い目元が素敵なあなた。」
セベク:「セベク・ジグボルトだ!!!!」
イライザ:「楽器はなにができる?ピアノ? フルートかしら?」
セベク:「楽器? ……ふむ。いい質問だな、ゴースト!」
セベク:「教えてやろう。若様の弦楽器の腕はとにかく素晴らしい! バイオリンの旋律はどこか物悲しく美しく」
セベク:「一度聞かせていただいたチェロの音色は心の底から震えるほど重厚で、若様そのものといった神秘さが」
イライザ:「却下!!!!」
バッチーーーーン!!
セベク:「なにィッ!!!?」
セベク:「なんて失礼な女だ。まだ話の途中だぞ!!」
イライザ:「ロマンチックなシーンで、知らない人の話をべらべらするあなたのほうが失礼でしょう!」
イライザ:「全然王子様にふさわしくないわ。次、メガネが似合うあなた。」
トレイ:「俺の名前はトレイ・クローバーだ。よろしく、お姫様。」
イライザ:「……だめよ。私たち、もう会うべきじゃない。さようなら!」
トレイ:「えっ?突然ゴーストが飛んで行ってしまった。」
イライザ:「……。」
トレイ:「これは……追いかけるのが正解か?」
フロイド:「そーなんじゃね?」
トレイ:「だよな。」
トレイ:「ええっと……待ってくれ!」
イライザ:「ああ、もう会えないと言ったのに! お願い、私を惑わせないでっ。」
トレイ:「よしっ、追いかけて正解だったみたいだ。」
トレイ:「しかし次はどうすれば……」
ジェイド:「トレイさん。ここで歌です!」
トレイ:「歌!? 今!?」
ジェイド:「はい。ロマンチックなムードが必要かと。乙女心をくすぐる素敵な1曲をお願いいたします。」
トレイ:「お、俺は歌は得意じゃないんだが……!ううん……」
トレイ:「ええっと……君の……君の~♪」
イライザ:「「君の」~~?」
トレイ:「君の……ベ、ベールは…………」
トレイ:「漂白したての布巾みたいで……目も、その、ブドウのようで……」
トレイ:「み……みずみずしいね~~~♪」
イライザ:「……。」
トレイ:「……。」
イライザ:「却下!!!!」
バッチーーーーン!!
トレイ:「やっぱりだめかーーー。」
イライザ:「ベールが布巾? 目がブドウ??」
イライザ:「全然ロマンチックじゃない。王子様はそんなこと言わない!」
ジェイド:「比喩が庶民的すぎたようですね。」
ジェイド:「「君の瞳は宝石」ぐらいはほしいところです。」
トレイ:「俺は普通の高校生だぞ?突然すぎて身近な言葉しか出てこないよ!」
イライザ:「次! 垂れ目が優しそうなあなた。」
フロイド:「コイツさっきからめんどくせぇ~~~。絞めていい?」
イライザ:「論外!!!!」
バッチーーーーン!!
フロイド:「いってーー!!!!」
レオナ:「そりゃそうだろ。」
イライザ:「最後は……あなたね。にこにこ笑顔が素敵な人。」
ジェイド:「はい。ジェイド・リーチと申します。どうぞお手柔らかに。」
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