【ストーリー】EPISODE 7 バッドエンドまっしぐら

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登場人物
クロウリー、グリム、トレイ、デュース、イデア、オルト
テキスト全文
── 学園裏の森‐大樹 ──
クロウリー:「こ、これは……!」
グリム:「2人の動きは全然合ってないしデュースの舞はひどくて見てられなかったんだゾ。」
グリム:「飛んでる虫を追いかけ回してるみてーだ。」
クロウリー:「ですねぇ……私の感想もグリムくんと概ね同じです。」
トレイ:「2人とも、そこまでズバズバ言わなくても……。」
デュース:「舞を甘く見ていました。実際にやるとなると難しいですね……。」
トレイ:「気にするな。俺は小さい頃に経験があるってだけだ。」
トレイ:「実家が自営業だと、なにかと地域の行事に頭数合わせに駆り出されることが多いから。」
トレイ:「こういうの……特に男の子は恥ずかしがってあまりやりたがらないだろ?」
クロウリー:「とはいえ、2人の差は予想以上に大きいですよ。」
クロウリー:「クローバーくんは、スペードくんの指導を徹底的にお願いしますね。」
デュース:「すみません、クローバー先輩……。」
トレイ:「まあ、本番までには日にちもあるし大丈夫だろう。」
クロウリー:「ええ。それに次回からは太鼓も加わりますから踊りやすくなるはずです。」
クロウリー:「そしていずれは、3人が通じ合った完璧な儀式ができるはずですよ。」
クロウリー:「ね? イデア・シュラウドくん?」
イデア:「……ブツブツブツ…………」
オルト:「兄さん?」
イデア:「ぼ、僕は……」
イデア:「……や、や、やっぱり、出来ない!」
!?!?
グリム:「急にとんでもねーこと言い始めたんだゾ……。」
イデア:「だ、だってさ、全校生徒の前で太鼓叩くなんて……なんでわざわざ笑われに出ていかないといけないの?」
イデア:「『願い星』集めはオルトたちが手伝ってくれたからどうにかできたけど」
イデア:「僕みたいなド素人が太鼓を披露なんて失敗して恥晒すまでが確定イベントじゃん!」
イデア:「そ、そんな、見えてるバッドエンドまっしぐらのルートに突っ込んでいけるわけないだろ?」
イデア:「儀式は僕抜きでやってくれ!!」
オルト:「兄さん……。」
イデア:「オ、オルト!…………そ、そんな顔しないでよ」
イデア:「…………。」
イデア:「僕が参加すると言ったのはあくまでも『願い星』集めだけで」
イデア:「儀式の練習も、ましてや本番に出るなんて一言も言ってないから!」
オルト:「兄さんがあまり目立ちたくないのはわかってる。」
オルト:「でも、せっかく『スターゲイザー』に選ばれたんだ。一緒にやれば、きっといい思い出になるよ。」
イデア:「け、けどさ……」
クロウリー:「伝統行事なんですよ。個人の都合でやめるなんて認められません。」
クロウリー:「それに、舞を合わせるためにもイデア・シュラウドくんの太鼓が必要なんです!」
デュース:「はい! お願いします!」
イデア:「けど、要は正確なリズムが必要ってだけでしょ?」
イデア:「なら実際に僕が太鼓を叩くよりも事前に録音した、ノーミスの演奏を流したほうが」
イデア:「みなさんご所望の、「3人が通じ合った儀式」wwとやらはできるのでは?」
デュース:「えっと……それは、そうかもしれないッスけど……。」
トレイ:「……はぁ。イグニハイドの寮長ともあろう者が……。まるで子どもの駄々だな。」
クロウリー:「オルト・シュラウドくんはどうですか?お兄さんの晴れ姿を見たいですよね?」
オルト:「そう……だね……」
オルト:「……けど、兄さんが本当に嫌なら無理にやって欲しくはないよ。」
イデア:「オルト……」
イデア:「じゃあ、楽器アプリを使って自室からリアルタイムで太鼓の演奏音を流すってのは?」
イデア:「そういう形でなら、別に参加してもいい、けど……」
トレイ:「どっちにしろリモートじゃないか……」
クロウリー:「ああ……『スターゲイザー』の1人が不在の『星送り』なんて前代未聞ですよ。」
クロウリー:「伝統行事は、なによりもルールが大切なんです。」
イデア:「不在でも欠席でもなく、参加はしてますよね?物理的な距離の概念を変えただけっていうか……」
イデア:「リモートだって僕もそばにいるし……2人と一緒です。」
イデア:「むしろ新しい『スターゲイザー』の在り方かと。」
クロウリー:「そんな詭弁は『星送り』に必要ありません。必要なのは保守の精神です。」
クロウリー:「『スターゲイザー』である2人もなにか言ってあげてください!」
デュース:「えっと……どうしましょうクローバー先輩……?」
トレイ:「イデアか学園長が折れないことにはどうにもならない気がするんだが……。」
オルト:「……兄さんは難しいと思う。」
グリム:「オメーが説得してもダメなのか?」
オルト:「うん。兄さんって昔からすごく頑固な性格なんだ。」
オルト:「自分で決めたことは、周囲からなんと言われようと意地でも撤回しないし……」
オルト:「まあ、そのせいで自分を追い込んじゃうこともあるんだけど。」
トレイ:「今年、入学式の準備をしていた頃……一向に寮長会議に出てこないイデアを」
トレイ:「わざわざイグニハイド寮まで迎えに行ったのにてこでも自室から出て来なかった」
トレイ:「……と、リドルが怒り狂ってたことがある。」
デュース:「え……あの怖い……」
デュース:「いや、厳格なローズハート寮長が迎えに行ったのに!?」
トレイ:「つまり、あいつはこうと決めたら脅しても宥めてもダメってことだろう。」
トレイ:「……今、イデアを説得するのは無理かもしれないな。」
デュース:「そんな……。」
トレイ:「このまま話していても意味がないし練習の時間も惜しい……よし。」
トレイ:「学園長、ひとまずイデアの提案を飲んでリモートで参加してもらいましょう。」
クロウリー:「え? 本番はどうするつもりですか?」
トレイ:「デュースの舞を仕上げてから本番前に、改めてイデアの説得をするんです。」
トレイ:「無理強いすれば、『スターゲイザー』の役目自体を放棄しかねませんからね。」
クロウリー:「…………」
クロウリー:「仕方ありませんね。」
クロウリー:「イデア・シュラウドくんがリモートで儀式に参加することを認めましょう。」
クロウリー:「……たーだーし!クローバーくん、スペードくん。」
クロウリー:「本番までにイデア・シュラウドくんを引っ張り出すこと。よろしくお願いしますね?」
デュース:「は、はい……。」
トレイ:「善処しますよ。」
クロウリー:「では、私は仕事に戻りますから。」
クロウリー:「みなさんは引き続き『願い星』集めと儀式の練習をお願いしますね!」
デュース:「シュラウド先輩の説得……できますかね?」
トレイ:「どうだろうな……でも、やるしかないだろう。」
イデア:「ひひっ、リモートでの儀式を認めさせるとは……拙者、なんという策士!」
イデア:「このまま人前で太鼓を叩くことなく『星送り』をクリアしてみせますぞ……!」
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