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【ストーリー】EPISODE 9 草も生えない冗談

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最終更新者: novira

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草も生えない冗談
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登場人物

イデア、デュース、オルト、トレイ、クロウリー、グリム


テキスト全文

── 学園裏の森‐大樹 ──


イデア:「……デュ、デュース氏?今なんて言った?」

デュース:「ですから……」

デュース:「約束した数の『願い星』を集めました。」

イデア:「は……?」

オルト:「約束した数って、デュース・スペードさんと兄さんが当日までにそれぞれ集める150個以上……」

オルト:「少なくとも、合わせて300個くらいのはずだよね。」

イデア:「ちょ、ちょっと待って!それだけの数を集めた? たった3日で?」

イデア:「まったく、草も生えない冗談ですな。太鼓を叩かせたいからって、嘘までつくなんて……」

デュース:「嘘なんかついてません!見てください!」

イデア:「え? ほ、本当に……?」

トレイ:「ああ、デュースはきちんと『願い星』を集めきったぞ。俺も確認済みだ。」

オルト:「すごい……すごいよデュース・スペードさん!どうやって短期間でそんなに集めたの?」

デュース:「まあ、とにかく空いてる時間を全部使って片っ端からいろんな生徒たちに会いに行った。」

デュース:「簡単に応じてくれない人もいたからちょっとしたいざこざもあったりしたけど……」

デュース:「『スターゲイザー』として、『星送り』のために必死に行動しただけだ。」

デュース:「……さあ、今度はシュラウド先輩が約束を果たす番です。」

イデア:「それは……えっと…………あ!」

イデア:「たしかデュース氏は、僕の分の『願い星』を集めてなおかつ舞も完璧にするって言ってたよね?」

イデア:「それが果たせない限り、従うわけには……」

トレイ:「イデアは練習中、俺たちのことをちっとも見ていないんだな。」

イデア:「へ……?」

トレイ:「デュースの舞は、十分に上達している。」

トレイ:「ほとんど完璧に踊れてると言っても差し支えないだろう。」

イデア:「……ふ、ふーん。そっか。」

イデア:「(まさかデュース氏がここまで頑張るなんて思わなかった)」

イデア:「(なんで学校行事ひとつでこんなに必死になれるわけ? ……でも)」

イデア:「(オルトも楽しみにしているみたいだしこれ以上は、無理……かも)」

デュース:「シュラウド先輩!」

オルト:「兄さん!」

イデア:「………………」

イデア:「わ………………わかった。」

イデア:「本番は大樹の下で太鼓を叩くよ…………。」

イデア:「叩けばいーんだろ!!??」

デュース:「マ…………マジ、っすか?」

デュース:「や……やった〜〜〜〜〜!!!!」


選択肢:

├ [ 努力の勝利だ! ]

└ [ 粘り勝ちだね! ]


デュース:「シュラウド先輩、ありがとうございます!!」

オルト:「兄さん……。」

トレイ:「よくやったな、デュース。」

トレイ:「これで『スターゲイザー』は3人とも儀式に参加できる。」

デュース:「はいっ!」

トレイ:「学園長も喜ぶだろう。」

クロウリー:「み~な~さーん!」

グリム:「ン? コッチに来るのって学園長じゃねーか?」

トレイ:「ちょうどよかった。報告に行く手間が省けたな。」

デュース:「学園長! シュラウド先輩が、儀式で太鼓を叩いてくれることになりました」

デュース:「!!!!」

クロウリー:「なんですって? イデア・シュラウドくんが?」

クロウリー:「それは素晴らしい!」

クロウリー:「いやー、ああは言いましたが絶対に無理だろうなと思っていました。」

クロウリー:「これは『星送り』本番が楽しみですねえ〜。」

クロウリー:「と、言いたいところなのですがどうにもまずい状況になりまして……。」

トレイ:「いったい何事ですか?」

クロウリー:「実は先程、来週いっぱいの天気予報をニュースで確認したのですが……」

クロウリー:「なんと当日、この地域は土砂降りになりそうなんです。雷も予想される、ひどい天候だとか。」

デュース:「じゃ、じゃあ……まさか、儀式は中止……ですか?」

クロウリー:「このままでは、そうなるでしょうね。」

クロウリー:「生徒たちを危険な目に遭わせるわけにはいきませんし。」

クロウリー:「天気がひどくなれば、記者の方たちも取材どころではないでしょう……。」

デュース:「そんな……!」

クロウリー:「もちろん! 日々練習を頑張っているみなさんのお気持ちもわかります。」

クロウリー:「私だって、知名度アップのチャンス……」

クロウリー:「ではなく伝統ある儀式を諦めたくはありません!」

クロウリー:「今すぐ中止にすべきか、天気が崩れないことを願い当日まで待つべきか……」

クロウリー:「ああっ、私はいったいどうすれば!」

デュース:「中止の決断は、当日まで待ってくれませんか?」

デュース:「僕は諦めたくないですし本番まで儀式の練習を続けます。」

クロウリー:「いいんですか? 中止になってしまえば練習が無駄になってしまいますよ?」

クロウリー:「それでも、本番に向けて準備を続けてくれるんですか?」

デュース:「今ここで練習をやめて、当日に後悔したくない。」

デュース:「僕はこのまま当日まで、練習しつづけます。」

デュース:「クローバー先輩とシュラウド先輩も一緒に頑張りましょう!」

トレイ:「うーん……やみくもに努力するのは合理的じゃないと思うんだが……。」

イデア:「拙者もトレイ氏に賛成!まさに大人の意見!」

デュース:「でも…………。」

デュース:「僕たちが『スターゲイザー』に選ばれるなんてこと在学中は二度とないと思うんです。」

デュース:「だから、どんなに確率が低くても晴れる可能性がゼロじゃないなら……」

デュース:「後悔しないよう精一杯やっておきたいんです。」

デュース:「お願いします!」

トレイ:「ふむ……」

トレイ:「まあ、デュースの言うことも一理あるな。もし当日晴れたら、練習不足の舞を披露することになる。」

トレイ:「そうなれば、俺たちは揃って寮長に首をはねられてしまうかもしれない。」

トレイ:「わかったよデュース。俺も付き合う。」

イデア:「なっ!?トレイ氏が賛成しても、拙者は断固反対ですぞ!」

トレイ:「というかイデア。お前はそもそもデュースとの勝負に負けたんだろ。」

トレイ:「拒否権なんかないんじゃないか?」

イデア:「はあああ!?」

オルト:「トレイ・クローバーさんの言うとおりだよ、兄さん。」

イデア:「そ、そんなぁ……拙者に残された唯一の希望が……。」

オルト:「オンラインで対戦ゲームやってる時は」

オルト:「「敗者にイキがる権利はないんだよォ! グヒヒッ」」

オルト:「……っていつも言ってるじゃないか。なんならボイスのメモリを再生しようか?」

イデア:「う、う……………わかったよぉ……。やればいいんだろ、やれば〜……。」

デュース:「クローバー先輩とシュラウド先輩……それにオルトも。ありがとうございます!」

デュース:「当日まで、突っ走りましょう!」

クロウリー:「いや~、みなさん生徒の鑑ですね!では、儀式の中止は当日まで見送るということで。」

クロウリー:「引き続きよろしくお願いしますね~!」

オルト:「…………。」

グリム:「オルト?どーしたんだゾ?」

オルト:「雨雲レーダーを元に、学園上空の細かい雲の動きをシミュレーションしてみたんだ。」

オルト:「学園長の言うとおり、当日は巨大な積乱雲がこの上を通過するみたい。」

デュース:「あくまでもシミュレーションだろ?まだどうなるかはわからない。」

オルト:「うん。でも、不思議だなあ。どれだけ緻密に計算しても、晴れる確率は低いのに」

オルト:「満天の星空の下で『星送り』の儀式をする兄さんたちの姿を、何度もシミュレーションしちゃうんだ。」

トレイ:「オルト……。」

デュース:「“ウィッシュ・アポン・ア・スター”の伝承では木の人形だって奇跡が起きて人間になったんだ。」

デュース:「信じていれば、きっと晴れる!」

オルト:「うん……。兄さんと一緒に『星送り』ができたらいいなぁ。」

イデア:「…………。」


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