【ストーリー】EPISODE 10 僕の願いは……

| - 僕の願いは…… - |
登場人物
イデア、オルト、トレイ、グリム、デュース
テキスト全文
── 学園裏の森‐大樹 ──
イデア:「(儀式当日は、巨大な雲が学園の空を覆って天気が荒れる)」
イデア:「(拙者的にはこれ以上ないくらい最高の展開でハッピーエンドまっしぐらなわけだけど……)」
イデア:「(儀式が中止になったらオルトは悲しむだろうし兄としてはどうにかしてやりたい)」
イデア:「とはいえ、いくら拙者でも天気を変えることなど不可能……ああもうっ、どうすればいいんだ……」
オルト:「兄さん?」
イデア:「!」
イデア:「な、なに? オルト?」
オルト:「トレイ・クローバーさんが練習はこれくらいにしようかって。」
イデア:「……わかった。いつもより早いね。」
トレイ:「デュースが集めた大量の『願い星』を飾り付けようと思ってな。」
オルト:「あ、それなら僕も協力するよ。」
トレイ:「助かる。さあ、グリムと監督生も手伝ってくれ。」
選択肢:
├ [ もちろんです! ]
└ [ 頑張ります! ]
グリム:「はぁ……仕方ねーんだゾ。」
デュース:「ふぅ……これで全部か。我ながら、よく集めたな……。」
グリム:「なあ、デュースは自分の『願い星』を飾らねーのか?」
デュース:「僕の願い?」
デュース:「生徒たちの分を集めるのに忙しくてすっかり忘れてた……。」
トレイ:「俺もだ。ついでに自分たちの『願い星』も飾っておくか。」
デュース:「そうですね。じゃあ……さっそく。」
デュース:「僕の願いは……」
デュース:「『警察官になれますように』」
オルト:「へぇ~。真面目なデュース・スペードさんにはぴったりの職業だね!」
デュース:「とはいえ、僕が目指しているのは魔法執行官なんだ。前途多難だよ。」
オルト:「それって、魔法犯罪を担当するエリート部署の人たちだよね?」
デュース:「ああ。相当厳しい道だと思うけど、頑張るつもりだ。」
デュース:「僕が真面目な職業に就けばきっと母さんも安心してくれると思うから。」
オルト:「デュース・スペードさんはお母さん想いだなぁ。叶うといいね、その願い。」
デュース:「……へへ、ありがとう。」
トレイ:「それじゃあ、次は俺の番だな。」
トレイ:「デュースの立派な願いの後だとちょっと言いづらいんだが。」
トレイ:「俺の願いは……」
トレイ:「『最新のフードプロセッサーが手に入りますように』」
デュース:「あははっ!すごく、クローバー先輩らしい願いですね。」
グリム:「いい願いだ!叶ったらまたオレ様も美味い菓子が食えるんだゾ。」
トレイ:「あはは、そうだな。叶うのを期待しててくれ。」
デュース:「コラッグリム! クローバー先輩の手作りの菓子はハーツラビュル寮生の特権だぞ。」
デュース:「『なんでもない日』のパーティーのたびに遠慮なく食べにきやがって……。」
グリム:「パーティーにはユウも一緒に行ってるんだゾ! オレ様にばっか文句ゆーな!」
トレイ:「こらこら、そこ。くだらないことで喧嘩するなよ。」
トレイ:「次は……イグニハイドのふたりか。どうする?」
イデア:「え? 拙者もここで願いを込めるべき?」
トレイ:「いや、別に強制ってわけじゃないが……」
オルト:「恥ずかしがる内容でもないと思うし忘れないうちにやっておけば?」
イデア:「うーん……。」
デュース:「オルトはシュラウド先輩の願いを知ってるのか?」
オルト:「もちろん!兄さんは毎年同じ内容なんだ。」
グリム:「ほぁ~……」
グリム:「それは気になるんだゾ。」
デュース:「ああ。シュラウド先輩が律儀に毎年願うなんて余程のことじゃないか?」
イデア:「そんな期待の眼差しを向けられましても……。えっと、拙者の願いは……」
イデア:「『「スター・ローグ」の続編が出ますように!』」
デュース:「すたーろーぐ?」
グリム:「なんなんだゾ、それ?」
イデア:「フン。これだからパンピーは……。」
オルト:「僕と兄さんが小さい頃にハマっていたゲームだよ。」
オルト:「続編が発表されてたんだけど開発チームが解散しちゃってさ。」
オルト:「兄さんは制作が再スタートするのをずっと待ってるんだ。」
グリム:「ふーん。ソノ、すたーナントカってのはそんなに面白いもんなのか?」
イデア:「面白いかって?愚問ですわ!!!」
イデア:「「スター・ローグ」は当時最先端のグラフィックを搭載したシューティングゲームで……」
イデア:「銀河を舞台にした壮大なストーリーはゲームファンならず、SFファンからも高評価を得たんだ。」
イデア:「拙者なんていまだに、初めてプレイしたときのことを鮮明に思い出せますぞ。」
イデア:「輝く星々……敵船からの猛攻撃……無線から聞こえる仲間の称賛……」
イデア:「あの感覚は、拙者のゲーム人生においてもとりたてて貴重な…………」
イデア:「ハッ!」
グリム:「スゲー早口だったんだゾ。」
トレイ:「まあ……そのゲームがどれだけ好きなのかってのは伝わってきたよ。な?」
デュース:「で、ですね。スゲー面白そうだと思いました!」
イデア:「…………」
イデア:「プツンッ」
デュース:「あれ? 今の音って……」
オルト:「兄さん? おーい、兄さん!」
オルト:「反応がない……怒って通話を切っちゃったのかな?」
デュース:「わ、悪い。気に障るようなことを言ったつもりはなかったんだが。」
オルト:「ううん。気にしないで。兄さんは照れ屋なんだ。」
オルト:「えっと……最後は僕の願いを聞いてくれる?」
グリム:「あれ? でも、オマエ……『願い星』を持ってないじゃねーか。」
オルト:「僕は学園の生徒じゃないからね。」
オルト:「グリムさんとユウさんと同じで兄さんと2人で1人の扱いなんだよ。」
デュース:「なのに、教えてくれるのか?」
オルト:「うん。星に願いを届ける『スターゲイザー』のみんなに僕の願いを聞いてほしいんだ。」
オルト:「ダメ……かな?」
デュース:「……もちろんだ。聞かせてくれ!」
オルト:「僕の願いは……」
オルト:「『兄さんの願いが叶いますように』」
デュース:「……お前こそ、すごくお兄さん想いじゃないか。」
オルト:「えへへ……。やっぱり僕にとって、一番大切なのは兄さんなんだ。」
オルト:「だから兄さんの願いが昔話みたいに星に届いたらいいなーって……。」
選択肢:
├ [ いい子すぎる…… ]
└ [ こんな弟がほしいな ]
グリム:「イデアの弟とは思えねーくらい純粋でいいヤツなんだゾ。」
トレイ:「イデアが今の願いを聞いたら喜ぶだろうな。」
デュース:「オルトの願い、『願い星』がなくたって星に届くように僕も心を込めて舞をするからな!」
オルト:「えへへ……。ありがとう、デュース・スペードさん!」
オルト:「『星送り』の儀式の日、晴れるといいね!」
イデア:「…………。」
イデア:「(通信を切るつもりが、焦ってこっちのマイクだけ切っちゃってた……)」
イデア:「(けど、おかげでオルトの願いを聞くことができた)」
オルト:「雨雲レーダーを元に、学園上空の細かい雲の動きをシミュレーションしてみたんだ。」
オルト:「学園長の言うとおり、当日は巨大な積乱雲がこの上を通過するみたい。」
デュース:「あくまでもシミュレーションだろ?まだどうなるかはわからない。」
オルト:「うん。でも、不思議だなあ。どれだけ緻密に計算しても、晴れる確率は低いのに」
オルト:「満天の星空の下で『星送り』の儀式をする兄さんたちの姿を、何度もシミュレーションしちゃうんだ。」
トレイ:「オルト……。」
デュース:「“ウィッシュ・アポン・ア・スター”の伝承では木の人形だって奇跡が起きて人間になったんだ。」
デュース:「信じていれば、きっと晴れる!」
オルト:「うん……。兄さんと一緒に『星送り』ができたらいいなぁ。」
イデア:「オルトの願いのために僕が『スターゲイザー』として、できることは……」
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