【ストーリー】EPISODE 11 雲がない場所

| - 雲がない場所 - |
登場人物
グリム、トレイ、クロウリー、デュース、ケイト、エース、イデア、オルト
テキスト全文
── 学園長室 ──
グリム:「……遠くにクジラみてーに、デッケー雲はあるけどこの辺りは見事に晴れてんな。」
トレイ:「ああ、これなら儀式は実行できそうだ。ですよね、学園長?」
クロウリー:「そうですねぇ……。」
デュース:「どうして迷うんですか!」
デュース:「僕たちは、当日こうして晴れることを信じて今日まで練習してきたんですよ?」
クロウリー:「とはいえ、窓の外を見てください!」
クロウリー:「グリムくんの言うとおり距離はあるにしろ雨雲は確実に、迫ってきているんですよ!?」
クロウリー:「学園へ到達するのは時間の問題ですしこの状況で儀式を実施するのは……」
~~~♪
クロウリー:「おや? 電話……非通知ですね。」
クロウリー:「もしもし?……はい? イデア・シュラウドくん?」
クロウリー:「私、君に電話番号教えていませんよね?どうしてこの電話を……え? 儀式?」
クロウリー:「たった今、儀式を中止にすべきかどうかスペードくんたちと話していたところで……」
クロウリー:「はい…………はぁ…………」
クロウリー:「え!?」
クロウリー:「そ、そんなの困りますよ!ちょっと!? イデア・シュラウドくん!!」
クロウリー:「…………」
クロウリー:「切れてしまいました。」
デュース:「シュラウド先輩、なんて言ってたんです?」
クロウリー:「天気の心配はしなくて大丈夫だから必ず儀式を実行してほしいと要求されました。」
クロウリー:「それから、私のPCを遠隔操作して記者の方にメールを送ったそうです。」
クロウリー:「「儀式は予定どおり行いますので学園への取材、お待ちしています」……と。」
クロウリー:「参りましたよ……」
クロウリー:「こうなったら、『星送り』を決行するしか」
クロウリー:「ないじゃないですか〜〜!?」
── 学園裏の森‐大樹 ──
ケイト:「トレイくんとデュースちゃん、大丈夫かな~?ここからだと距離があって、よくわからないね。」
エース:「まあ、なんとなくデュースのことはわかるけど。」
エース:「アイツきっと、ガチガチに緊張してますよ。」
デュース:「い、いよいよですね……う、う、上手く踊れるでしょうか?」
トレイ:「デュース、そうガチガチに固くなるな。肩の力を抜け。」
トレイ:「せっかく儀式をやれることになったのにそんなんじゃ練習どおりに踊れないぞ?」
クロウリー:「クローバーくんの言うとおりです。」
クロウリー:「『星送り』の様子を取材するために新聞記者の方たちも到着してしまいました。」
クロウリー:「しっかり頼みますよ?」
デュース:「お、押忍!」
クロウリー:「ところで、肝心のイデア・シュラウドくんは?」
トレイ:「遅れているみたいですね。」
クロウリー:「まさか……来ないなんてことはないでしょうね?」
デュース:「さすがにそれは……」
デュース:「でもあのシュラウド先輩だしな……。」
デュース:「……いや、男と男の勝負で決めたんだ。シュラウド先輩は、絶対に来る!」
???:「…………あ、ぁあぁ〜……!」
タッタッタ……
デュース:「あっ、なにかを叫びながら走ってくるあの人は……!」
イデア:「こ、こ、こんな格好で外を歩くことになるなんて……恥ずかしすぎるうああぁ〜〜……ッ!!」
イデア:「はぁ……はぁ……っ!」
イデア:「あ、お、遅くなって、サーセン…………。」
デュース:「シュラウド先輩!来てくれてよかった……。」
グリム:「んあ?オルトはどうしたんだ? 一緒じゃねーのか?」
イデア:「う、うん、後から来る。いろいろと“調整”に手こずってて……。」
グリム:「“調整”?」
クロウリー:「とにかく間に合ってよかったです。」
クロウリー:「さあ、天気が悪くなる前に儀式を始めましょう。」
イデア:「わかりました。デュース氏、トレイ氏、準備はいい?」
デュース:「…………。」
イデア:「な、なに?」
デュース:「いえ……なんだか今日のシュラウド先輩いつもと雰囲気が違う気がして……。」
トレイ:「ああ、俺も感じたよ。」
トレイ:「正直、儀式直前に太鼓をやりたくないって言いだすんじゃないかと思ってたから意外だ。」
イデア:「せ、拙者、信用なさすぎか……?いやまあ自業自得なんですけどね、ハイ。」
イデア:「い、今はそんなことどうでもいいから。」
イデア:「拙者の雰囲気なんかよりも今は儀式を成功させることだけを考えるべきで……」
グリム:「フギャッ!!」
選択肢:
├ [ 大きい音だったね…… ]
└ [ すごい光だったね…… ]
グリム:「オ、オマエ、よく平気でいられるな!スゲー怖かったんだゾ!」
クロウリー:「私もちょっとだけ怖かったです!いきなり雷が鳴るなんて、驚きました。」
クロウリー:「しかし……やはりこうなってしまいましたか。もはやここまでですね。」
クロウリー:「みなさん、儀式は中止です!」
デュース:「いや、まだ雨は……」
クロウリー:「今の雷の音を聞いたでしょう?これ以上続けさせることはできません。」
クロウリー:「それに……ほら! 上を見てください!雨雲は完全に空を覆ってしまいました。」
デュース:「ほ、本当だ……。」
グリム:「デッケークジラ雲のせいで星もまったく見えねーんだゾ!」
クロウリー:「理解したでしょう?こんな天気で『星送り』は危険すぎる。」
クロウリー:「私は生徒たちを帰らせますからみなさんも撤収の準備をしてください。」
デュース:「…………」
デュース:「これで、終わりなんですか?」
トレイ:「仕方ないさ、デュース。俺たちは十分、できることをした。」
トレイ:「天気ばっかりはどうしようもない。」
デュース:「でも、今日まで頑張ってきたってのに……」
デュース:「この学園に入学できて、優等生にはほど遠いけど運よく、学園の代表に選ばれたのに……」
デュース:「『スターゲイザー』をやり遂げたって報告して母さんを喜ばせてやりたかったのに……」
デュース:「こんなハンパで終わりなのかよ!ああ……くそ!!」
イデア:「はいはい、体育会系はそうやってすーぐカッとなる」
イデア:「www」
デュース:「シュ、シュラウド先輩……?」
イデア:「さっきからグダグダグダグダ控えめに言ってウザいんだけど。」
イデア:「ってか、気象局が科学的に導き出した天気予報が当たったことを嘆くほうがおかしくない?」
デュース:「ああ? テメェ今なんつった。」
イデア:「情弱乙w僕は君とは違う。」
イデア:「僕は君と違って、幼稚な学校行事に必死になんかなれないし、」
イデア:「引きこもりのオタクを儀式に参加させるためだけに駆けずり回って」
イデア:「『願い星』を300個集めることなんて出来ない。」
イデア:「でも………デュース氏が本当に愚かだったから」
イデア:「だから、僕はオルトの願いを聞くことができた。」
デュース:「は?それ、一体どういう……」
イデア:「星に願いが届かないならこっちから星に届けてやる。」
シュワア……
オルト:「兄さ〜〜〜〜ん!」
イデア:「キターーーー!待ってたよオルト!」
グリム:「ふなっ!?な、なんなんだ!? オルトのそのスゲー体は?」
トレイ:「どことなく、“星送りの衣”のデザインに似ている気もするが……。」
オルト:「これは兄さんが作ってくれた大気圏突破用アタッチメント……“スターゲイズ・ギア”だよ。」
デュース:「“スターゲイズ・ギア”……?」
デュース:「いや、それよりも……今「大気圏突破」って言ったか?」
オルト:「うん!」
イデア:「雲が邪魔なら、雲がない場所に『願い星』を飾ればいいだけでしょ。」
イデア:「オルトに宙(そら)まで運んでもらう。」
ええええ~~~~~~~~!?
デュース:「オ、オルト……危険じゃないのか?」
オルト:「大丈夫。何度もテストを重ねたしなにより兄さんが設計した機体なんだから。」
デュース:「2人とも、マジで宇宙まで空を突っ走ってくつもりなのか?」
オルト:「もちろん!」
デュース:「す…………」
デュース:「すっっげえええぇ〜〜〜〜!!!!!!!」
イデア:「うわ、ちょ、ナニ!?急に大きな声出さないでほしいんですケド……。」
デュース:「シュラウド先輩、アンタ、マジですげぇッス!!」
イデア:「え、ちょ、やめ……くっついてこないで!そういうスキンシップ対応してないんでホント!」
イデア:「ぼ、ぼ、僕も。今年だけは成功させたいんだ。……オルトのために。」
イデア:「デュース氏、トレイ氏。そっちはどうするつもり?」
トレイ:「いやぁ……まさかイデアがこんな「飛び道具」まで持ち出してくるなんてな。」
トレイ:「ここまでされちゃ、やるしかないだろ。」
デュース:「もちろんです!」
デュース:「オルトは必ず『願い星』を届けてくれる。」
デュース:「僕たち3人は完璧な舞と太鼓でそれに応えましょう!」
イデア:「ヒヒッ、k(オーケー)それじゃ、始めよう。」
オルト:「僕は射点である運動場に移動するよ。兄さん……また後で!」
イデア:「うん!」
デュース:「……オルト!」
オルト:「ん? どうかした?デュース・スペードさん。」
デュース:「お前は自分を「この学園の生徒じゃない」「兄さんと2人で1人」だって言ってたけど……」
デュース:「お前は間違いなく、4人目の『スターゲイザー』だ。」
デュース:「最高の『星送り』の儀式、みんなに見せてやろうぜ!」
オルト:「──うん!」
クロウリー:「ちょ、ちょっと待ってください君たち!いったいなにを始めるつもりですか!?」
グリム:「にゃはは! 頑張れよ『スターゲイザー』!」
グリム:「オレ様の『願い星』を頼んだんだゾ!」
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