【ストーリー】EPISODE 1-12 恐怖と美の共演

| - 恐怖と美の共演 注目カレッジ! |
登場人物
ジェイド、イデア、アズール、カリム、クロウリー、ルーク、ジャック、ヴィル、エペル、ケイト、闇の鏡、マレウス、リリア
テキスト全文
── 廊下 ──
ガシャン、ガシャン
ジェイド:「イデアさん。そのように重そうな甲冑を着て、よく歩けますね。」
イデア:「鎧の造形は軽量素材を使ってるから見た目のわりに重量ないんだよ。」
アズール:「ではこの響き渡る金属音は一体?」
イデア:「あ、き、気付いた?」
イデア:「歩行に合わせてSEが鳴るようにスピーカー仕込んでるんだ。いいでしょ、ヒヒッ。」
ジェイド:「僕らのような常人には思い付かない変態的なこだわり、さすがですね。」
イデア:「……」
イデア:「なんか褒められてる気がしない。」
カリム:「なあなあ。鏡の間って、基本的に学園関係者以外は入っちゃいけないんじゃなかったっけ?」
カリム:「大切な場所だから一般人は入ったらだめだってマジフト大会のときに聞いたような……。」
クロウリー:「はい。普段はいかなる行事の際も鏡の間は部外者立ち入り禁止です。」
クロウリー:「ですが毎年『ハロウィーンウィーク』の期間だけは拝観可能にしています。」
クロウリー:「鏡の間にある『闇の鏡』はナイトレイブンカレッジのとても大切な魔法道具。」
クロウリー:「学園の権威に関わるため写真を撮ることは禁止していますけどね。」
クロウリー:「さあ、鏡の間につきました!」
ギィィ……
── 鏡の間 ──
ルーク:「ボンジュール、ハロウィーン運営委員のみんな。そして学園長。」
ルーク:「みんな素敵な仮装だね。『ハロウィーンウィーク』は必ずや盛り上がることだろう!」
ルーク:「……」
ルーク:「もちろん、私たちのポムフィオーレも負けてはいないけどね。」
ルーク:「さあ見てくれたまえ。この素晴らしき、ハロウィーン会場を!」
ジャック:「見てくれって言われても……」
ジャック:「ハロウィーンの飾り付けどこにも見当たらないっすよ。」
カリム:「もしかして間に合わなかったのか?」
ルーク:「ふふふ、違うよ。鏡の間がそのままなのはね……」
ルーク:「この状態こそが、完成された『美』だからさ!」
コツコツコツ
ヴィル:「そう。鏡の間に手を加える必要なんてない。闇の鏡は、この学園のアイコンだもの。」
ヴィル:「ファッションで大切なのは調和。ロケーションに合わせた装いは美しさの基本よ。」
ヴィル:「アタシたちの存在が、鏡の間を引き立たせる最高のコラボレーション。」
ヴィル:「伝統との調和、それがポムフィオーレの提案する美しきハロウィーンよ!」
エペル:「僕たちの仮装は……“ヴァンパイア”です。」
ヴィル:「どう? ポムフィオーレに似合う美しい仮装でしょう?」
ぽー……。
クロウリー:「ぽー……。」
クロウリー:「……」
クロウリー:「はっ!いけない、見惚れて言葉を失っていました。」
ヴィル:「ふふふ。当然の反応ね。」
ヴィル:「出会った者たちを一目で虜にするモンスター。それがヴァンパイアだもの。」
ヴィル:「でもアタシが美しいなんていつものこと。今日はさらに特別なの。」
ジャック:「特別?」
ヴィル:「……。」
ジャック:「そういや、いつものヴィル先輩よりさらに……すごみがあるかもしんねえ。」
ジャック:「なんつーか、「目を反らしたら負ける!」って思っちまうような迫力があります。」
ヴィル:「そうよ! 今日はいつもの『美しく見せる』だけのメイクじゃないの。」
ヴィル:「アイシャドウはオーバーと感じるほどに濃く広く。目の合った獲物を逃がさない目力を意識して。」
ヴィル:「血の気を消すためにチークはなし。代わりにコントゥアリングで頬の凹凸(おうとつ)を強調。」
ヴィル:「印象的なダークリップの唇は、まるで夜の闇のよう。囁(ささや)くたびに全ての人を魅了する。」
ヴィル:「衣装はクラシカルなゴブラン織りとフリルで高貴なゴシックホラーを演出……」
ヴィル:「全て、目指したのは『退廃的な美』よ。見る人をゾッとさせる仮装に仕上げたわ。」
ヴィル:「恐怖と美の共演……これこそハロウィーンにふさわしいテーマじゃない?」
エペル:「へへっ。僕もこのメイク、すごくかっこいいと思ってるんだ。」
エペル:「怖くて、迫力たっぷり。どんなゴーストにも負けないぐらい強そうでしょ!」
ヴィル:「エペル。そのポーズ、品がゼロ。」
エペル:「うっ……」
エペル:「はい。」
ルーク:「ヴァンパイアは鏡に映らないと言われているんだ。」
ルーク:「こんなに美しいのに自分でそれを確認できないとはなんて悲劇だろう!」
ヴィル:「ええ。アタシなら、アタシを見られないなんて耐えられないわね。」
ヴィル:「でもだからこそ、この美しき鏡の間に憧れる。」
ヴィル:「ヴァンパイアとしては完璧なストーリーでしょう。」
ジャック:「舞台に手を加えず、このリアリティー……」
ジャック:「勉強になります!」
ケイト:「日頃から美にこだわり抜いたポムフィオーレじゃなきゃ、説得力ないよね。」
エペル:「スタンプラリーの参加者がうっかり写真を撮っちゃうといけないから『撮影禁止』の看板を立てたけど……」
エペル:「手を加えたのは、それだけだよ。」
ルーク:「鏡の間はこの学園の心臓部といっても過言ではないとても大切な場所だ。」
ルーク:「スタンプラリーを担当すると同時に私たちが警備の任を請け負おう。」
クロウリー:「素晴らしい。そんなに大切にしてもらえて闇の鏡もさぞかし喜んでいることでしょう!」
闇の鏡:「……。」
クロウリー:「ほら!あんなに大喜び!」
マレウス:「あれは喜んでいるのか?」
リリア:「嬉しい時、素直に笑顔を見せるのに照れてしまうシャイなタイプかもしれんな。」
リリア:「よう知らんが。」
闇の鏡:「……。」
クロウリー:「……」
クロウリー:「さて。これで7寮全てのスタンプラリー会場を見ました。」
クロウリー:「みなさん、ハロウィーンの準備は完璧ですね。」
クロウリー:「明日は日曜日。お休みですからたくさんのお客さんが来るでしょう。」
クロウリー:「みんなで、楽しいハロウィーンにしましょう。」
クロウリー:「ハッピーハロウィーン!」
ハッピーハロウィーン!
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