【ハニプレ】イベント「思いを秘めた贈り物」イベントストーリー
ハニプレ(HoneyWorks Premium Live)のイベント「思いを秘めた贈り物」イベントストーリーです。
プロローグ
染谷勇次郎と柴崎愛蔵は、人気アイドルユニット
『LIP×LIP』として活躍している高校1年生
マネージャー見習いの涼海ひよりとともに
忙しい毎日を送っている
性格のまったく違う勇次郎と愛蔵は
衝突することもしばしば
そんな2人が、ジュリエット――
ファンに対する感謝を込めて、ホワイトデーの夜に
ライブをすることになったのだが…
第1話
ホワイトデーライブを控えたある日のこと――
愛蔵
勇次郎、お前が何を言っても
これだけは譲らないからな!
勇次郎
僕だって、絶対に譲る気はないから
折れるなら愛蔵の方だよ
涼海ひより
…
愛蔵
おい。なんだよ、涼海
その呆れてるみたいな目は
涼海ひより
いや…。毎度毎度、よくそんなに
ケンカできるなーって思って感心しとるだけよ…
勇次郎
僕だって、誰とでもこうなるわけじゃない
愛蔵が僕を怒らせることばかりするからだよ
愛蔵
俺の言うことにいちいち突っかかってくるのは
勇次郎、お前の方だろ!
涼海ひより
ああ、もう…
このまま言い合いしてても
何も解決しませんよ?
とりあえず、いったん冷静になって話し合おうよ
何があったん?
愛蔵
ホワイトデーライブの日、来場してくれた人に
プチギフトを贈ることになっただろ
涼海ひより
ああ、うん
このあいだのミーティングで言ってたね
愛蔵
俺は、ギフトにするなら花がいいって言ったんだ
ピンクのバラとか…
花はメッセージ性が強いし、俺たちの
ジュリエッタに対する想いが伝わりやすいだろ?
でも、勇次郎は「花なんかよりお菓子だ」って
子供みたいなこと言い出して…
勇次郎
誰が子供だよ。プチギフトの定番はお菓子だろ
お菓子なら、今回のライブのコンセプトを
デザインに取り込めるから、思い出の品になる
でも、花はそういうのできないだろ?
何より、すぐに枯れるし虫がつくし
愛蔵
食べ物だって賞味期限があるだろ!
大体、俺たちはジュリエッタをときめかせるべき
存在なのに、お菓子なんて子供っぽいもの渡せるかよ
勇次郎
だから、お菓子のどこが子供っぽいんだよ
大人になってもお菓子が好きな女性はたくさんいるよ
女心がわかってないのは愛蔵の方じゃないの?
あ、女嫌いなんだったっけ?
それならわかるわけないか
愛蔵
お前…
涼海ひより
ストップ、ストップ!
もう、2人とも。ホワイトデーライブの
コンセプト、忘れたん?
「いつも応援してくれるジュリエッタに
感謝を伝えること」でしょ?
それなのに、2人がケンカなんてしててどうするの
愛蔵
別にケンカなんてしてねえよ
こいつが俺に突っかかってくるから…!
勇次郎
いちいち突っかかってくるのは愛蔵でしょ!
あー、もういい
もうやってられない
愛蔵
やってられないって何がだよ?
勇次郎
言わないとわからない?
愛蔵みたいなのとユニットなんて
組んでられないって言ってるんだよ!
涼海ひより
ちょっ…染谷君!
愛蔵
…
ふーん
お前の言いたいことは
よくわかったよ、勇次郎
嫌味のひとつでも言ってくるかと思ったけれど
愛蔵はそのまま部屋を出ていってしまった
涼海ひより
柴崎君…!
もう…
言い過ぎよ、染谷君
勇次郎
最初にふっかけてきたのは愛蔵の方だ
涼海ひより
うちからすると、どっちもどっちに見えるけど…
柴崎君、かなり怒ってると思うよ
追いかけたら?
勇次郎
どうして僕がそんなことしなくちゃいけないんだよ
ああ、うるさい奴がいなくなってくれて清々するね
涼海ひより
…
本当にそう思ってる?
勇次郎
もちろんだよ
涼海ひより
ふーん…
それならええんやけど…
…あ。もうこんな時間!うち、買い出し行かなきゃ!
じゃあ、またあとでね
涼海もいなくなって、僕は1人になった
勇次郎
(そうだよ…。あんな口うるさいやつが
いなくなって、本当に清々する)
愛蔵
お前の言いたいことは
よくわかったよ、勇次郎
勇次郎
…
第2話
数日後――
勇次郎
戻ったよ
涼海ひより
おかえりなさい
ってなんだか顔色が悪いけど…大丈夫?
今日、確か別ユニットの人と
ダンスのレッスンやったよね?
勇次郎
ああ
近々行われる予定のフェスで、新しい試みとして
別のユニットとコラボすることになった
僕と愛蔵はそれぞれ違う相手と組んで
パフォーマンスをすることになっている
涼海ひより
レッスン、うまくいかなかったん?
勇次郎
そういうわけじゃないけど…
初回にしては形になってたし
相性の悪い相手ではない…と思う
でも…
涼海ひより
でも?
勇次郎
なんだかものすごく、疲れた
涼海ひより
慣れない相手と組んだんだもん、疲れて当然よ
勇次郎
そうかな…。大事なのは相手が誰かじゃなくて
自分がどんなパフォーマンスをするかだろ
涼海ひより
そんなことないよ
うち、染谷君と柴崎君のパフォーマンスを見てたら
いつも感じるもん
染谷君は、柴崎君の動きをよく見て
それに合わせてるんやろ?
柴崎君も、染谷君と一緒よ
自分がどう動くかじゃない…染谷君のことを
よく見とる
お互いのリズムを合わせようとしてくれてる
無意識なんやと思うけどね
勇次郎
…
涼海ひより
ねえ、染谷君
あれから、柴崎君とは話せてる?
勇次郎
…
別に、関係ないだろ
涼海ひより
もう、素直じゃないねえ
本当は、自分でも思ってるんやろ?
少し言い過ぎたって…
謝ってみたらどう?
勇次郎
謝る…?
涼海ひより
うん。染谷君が真剣に話したいと思うなら
柴崎君は必ず聞いてくれるよ
いつもそうやったでしょ?
勇次郎
…
悔しいけど、涼海の言う通りだ
確かに愛蔵と僕は衝突ばかりしてしまう
でも、それは
いつだって、愛蔵が僕にまっすぐぶつかってくるからだ
僕が心から伝えたいと思うことがあるなら…
きっと、愛蔵は文句を言いながらも耳を傾けるだろう
勇次郎
(ただのうるさい奴でいてくれたらよかったのに…
そういうところが、嫌いなんだよ…)
愛蔵
戻ったぞ
勇次郎
っ…!
涼海ひより
柴崎君…!
愛蔵
勇次郎…お前も戻ってたのか
勇次郎
…まあね
…
愛蔵
…
涼海ひより
ほら、染谷君、柴崎君に何か言うことがあるんでしょ?
勇次郎
…え
愛蔵
俺に言いたいこと?なんだ?
勇次郎
っ…
それは…
…
ご…
愛蔵
ご?
勇次郎
ご…ご…
第3話
愛蔵
ご?
勇次郎
ご…ご…
ごはん食べたいから帰る!
愛蔵
は?
なんだ、あいつ?
涼海ひより
はあ…
こりゃダメやね…
勇次郎
はあ…
僕は百貨店の地下にあるお菓子売り場に来ていた
オフの日によく訪れるお気に入りの場所だ
勇次郎
(ここに来たら気持ちが晴れると思ってたのに…
どうしてだろう…
おいしそうなお菓子がこんなにたくさんあるのに
今は心が動かないな)
涼海ひより
本当は、自分でも思ってるんやろ?
少し言い過ぎたって…
謝ってみたらどう?
勇次郎
(謝るとか、無理だし
なんて言ったらいいか、わからないし)
はあ…
mona
はあ…
…え
勇次郎
…mona?
mona
勇次郎…!?
彼女はmona。僕や愛蔵と同い年で
アイドルとして活動中だ
mona
どうしたの、こんなところで…
勇次郎
君こそ
mona
私は…その
買い物に来ただけだけど…
勇次郎
ふうん
その割に浮かない顔だね
女子って、買い物が好きな子が多いと思ってたけど
mona
うっ…
あんたって、妙なところで察しがいいよね
勇次郎
で?誰に何を買おうとしてたのさ?
mona
それは…
お姉ちゃんに…
勇次郎
お姉さん?
姉妹でケンカでもしたの?
mona
ケンカっていうほどじゃないけど…
謝りたいことがあったの
勇次郎
謝る…?
mona
うん。でも…
私、素直に「ごめんね」って言えなくて
何かちょっとしたプレゼントがあれば
話を切り出しやすいかなと思ったの
勇次郎
…
mona
どうせ、「不器用だな」とか思ってるんでしょ
勇次郎
いや…
君にしては役に立ちそうなことを言うなと思って
mona
ちょ…私にしてはってどういう意味―!?
勇次郎
僕、そろそろ行くよ
じゃあね
mona
あ、ちょっと…!!
もう、相変わらずなんだから…!!
勇次郎
(ちょっとしたプレゼント、か…)
考えてみたら…
愛蔵にプレゼントなんて渡したことなかったな…
(そういうの、柄じゃないし…
…愛蔵が何が好きかなんて、興味ないし)
でも…
少しくらいなら、探してあげてもいいかな
しばらく、売り場を眺める
そうしていると、あるものが目についた
勇次郎
これ…!
第4話
勇次郎
これ…!
僕の目に入ったのは、『POLETZ』という
チョコレート菓子だった
このお菓子のCMが、LIP×LIPとしての初仕事であり
アイドルとしての活動は、ここから始まった
勇次郎
この頃は、今よりも苦労の連続だったな…
ダンスにしても、歌にしても
愛蔵とまったく連携が取れなかったし
(でも、今は…)
涼海ひより
柴崎君も、染谷君と一緒よ
自分がどう動くかじゃない…染谷君のことを
よく見てる
お互いのリズムを合わせようとしてくれてる
勇次郎
(いつの間にか…僕と愛蔵は
ちゃんと『ユニット』になってたんだな…)
ホワイトデーライブ当日――
愛蔵
ジュリエッタ!
今日は本当に来てくれてありがとう!
勇次郎
僕たちからのギフト、気に入ってもらえたら嬉しいよ
結局、プチギフトはピンクのバラをかたどった
キャンディになった。僕の提案だ
勇次郎
(涼海の言う通りだ。僕が真剣にそうしたいって
言ったら、愛蔵はちゃんと聞いてくれた)
愛蔵
ホワイトデーの夜に
みんなの笑顔が見られて、最高だよ
勇次郎
名残惜しいけれど…そろそろお別れの時間だ
ラストはもちろんこの曲!
勇次郎&愛蔵
『ホワイトデーキッス』!!
イントロが流れると
僕と愛蔵はそれぞれの立ち位置についた
勇次郎
…愛蔵、ラストの歌詞、間違えないでよ
愛蔵
…お前こそ、ラスサビの振り、気を抜くなよ
…行くぞ
勇次郎
ああ
会場を満たしているジュリエッタへの感謝を
歌声と踊りに乗せる
勇次郎
(言葉ひとつ交わしてないのに…わかる
今、愛蔵も僕と同じ気持ちでいるのが…)
涼海ひより
慣れない相手と組んだんだもん、疲れて当然よ
勇次郎
そうかな…。大事なのは相手が誰かじゃなくて
自分がどんなパフォーマンスをするかだろ
勇次郎
(悔しいけど…僕が間違ってたよ、涼海)
僕と愛蔵の発するエネルギーが
波みたいに会場に広がっていくのがわかる
この感覚は、愛蔵と一緒にステージを駆けている
今この瞬間だけ味わえるもの――
他の相手なんかじゃ、絶対に無理だ
結局、僕は「ごめん」という言葉を
愛蔵に伝えることができなかった
勇次郎
(でも…他の言葉なら?
他の言葉なら…
もしかしたら伝えられるかもしれない…)
アンコールの曲がすべて終わって
楽屋に引き上げる頃には、僕も愛蔵も汗だくだった
涼海ひより
2人とも、お疲れさま
観客席、すっごい盛り上がってたね!
愛蔵
俺と勇次郎が全力でパフォーマンスしたんだぞ
当たり前だろ
勇次郎
っ…!
(そういうこと、さらっと言う?
信じらんない…)
涼海ひより
ふふ、そうやね!
うち、飲み物取りに行ってくるね!
2人とも、本当にお疲れさま。ゆっくりしてて
愛蔵
ああ
涼海がいなくなって、僕と愛蔵は
2人きりになった
勇次郎
…
愛蔵
…
勇次郎
あのさ、愛蔵…
愛蔵
ん?
第5話
勇次郎
あのさ、愛蔵…
愛蔵
ん?
勇次郎
これ、あげる
愛蔵
これ…POKETZか?
勇次郎
…うん
愛蔵
…
お前がお菓子を人にあげるなんて、珍しいな
どうしたんだよ、急に?
勇次郎
その…
あ…
あり…あり…
愛蔵
…アリ?
何言ってんだ、お前
勇次郎
っ…
もういい
背中を向けて歩き出そうとしたときだった
愛蔵が、僕の腕を掴んだ
愛蔵
悪い。冗談だよ
わかってるって。ちゃんと…な
そう言って、愛蔵が目を落としたのは
僕が渡したお菓子の箱だ
その箱の裏側――隅っこのところに
僕は愛蔵に伝えたかった言葉を書いておいた
愛蔵
お前なー…何だよ、このちっせえ字!
米粒かっての!
勇次郎
う、うるさいな…!
(大きな字でかけるわけないじゃないか
「ありがとう」なんて…そんな照れくさいこと…)
小さな字でしか書けなかったメッセージ…
愛蔵なら、きっと気づかないだろうと思っていた
気づかれなくても、仕方ないと思っていた
それなのに…
勇次郎
(こういうところが…ほんと嫌いなんだよ…)
愛蔵
このCMに出演した時のこと、覚えてるか?
勇次郎
…忘れるわけないでしょ
愛蔵
だよな。俺たちの初仕事だもんな
勇次郎
…うん
愛蔵
お前、このCMの撮影のとき妙におとなしかったよな
緊張してたのか?
勇次郎
う、うるさいな!早く食べなよね!
いらないんなら、僕が食べるよ!
愛蔵
ちょっ…!おい、待てって
人に渡したものを食うやつがあるか!
勇次郎
いいんだよ。愛蔵だし
愛蔵
お前なあ…俺を何だと思ってんだよ
勇次郎
愛蔵は愛蔵でしょ
愛蔵
…ぷっ
勇次郎
はは
勇次郎&愛蔵
あはは!
愛蔵
さて!ライブも終わったことだし、打ち上げだ!
勇次郎
うん
愛蔵
…ありがとな、勇次郎
勇次郎
え…
愛蔵
ほら、早く着替えるぞ!
勇次郎
…
うん!
この歳のホワイトデーは、僕にとって特別な日になった
愛蔵にとっても、そうだったらいいなと
少しだけ…思った
エピローグ
ホワイトデーライブの数日後――
他のユニットと共演するフェスのリハーサルを
終えた俺は、いつものレッスンスタジオに戻った
愛蔵
戻ったぞ
涼海ひより
おかえりなさい
って、なんだか顔色が悪いけど…大丈夫?
リハーサル、うまくいかなかったん?
愛蔵
そういうわけじゃねぇけど…
なんか、ものすごく疲れた
涼海ひより
ふふ
愛蔵
何だよ?
涼海ひより
ううん。染谷君も同じことを言ってたなと思って
愛蔵
勇次郎が?
涼海ひより
うん。別のユニットの人と
はじめてダンスレッスンした日にね
なんだかんだ言っても、染谷君と柴崎君は
お互いじゃないとダメなんよね
2人でひとつっていうか
愛蔵
…
うっせえ。ぺーぺーのくせに
わかったようなこと言ってんな
涼海ひより
はいはい。ごめんなさい
汗を拭こうとタオルを取り出そうとしたとき
カバンに入れてあったお菓子の箱が目に入った
あの日、勇次郎からもらったお菓子だ
すぐ食べてしまえばいいのに、なぜかできないでいる
愛蔵
(「ありがとう」か…
口では絶対に言わないくせに…
本当に素直じゃないよな、勇次郎のやつ)
出会った当初――勇次郎のことを、ツンケンして
何を考えているかわからないやつだと思った
ユニットを組むようになってしばらく経つ今も
毎日のように衝突している
勇次郎は、いつも素直じゃない言葉しか言わない
そのことに俺が腹を立ててケンカになるのも日常茶飯だ
でも、その素直じゃない言葉の裏に
あいつの本心が隠れてたりすること…
そして、言葉がすべてじゃないってことに
気づいたのは、本当に最近だ
ごくたまにだけど…言葉にしなくても
あいつの気持ちが伝わってくることがある
そして、俺の気持ちも伝わってるんだろうなって
感じる瞬間も…少しだけあるんだ
愛蔵
(出会った当初は、勇次郎のことを
理解できる日なんか来ないと思ってたんだけどな…)
最近、少しだけ理解できてきてる
自分が怖いっつーか、なんつーか…
涼海ひより
え?
愛蔵
なんでもねえよ
勇次郎
戻ったよ
涼海ひより
染谷君、おかえりなさい
勇次郎
はあ…
涼海ひより
ありゃ、なんだか元気ないね
染谷君も今日は別のユニットの人と
リハーサルやったよね
何かあった?
勇次郎
別に、何もないけど…
なんだか、ものすごく疲れた
愛蔵
(こいつ…俺とまったく同じこと言ってる…)
…
ぷっ…
涼海ひより
ふふ
愛蔵&ひより
あははは!
勇次郎
えっ…
ちょっと、何?
愛蔵
ははっ、あははは!
涼海ひより
ふふふ
勇次郎
何?なんで笑ってるのさ?
愛蔵
さあなー
俺と勇次郎は、これからも衝突するだろう
たぶん、今日か明日には
またケンカしてるかもしれない
でも、そういう関係も悪くない
不思議と、今はそう思えた――
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