リルベットのプロフィール

リルベットが、両親の力を受け継いだ姿。

父リグルの剣術、母ラベリアの魔術、そして自身の

機械技術を用いた彼女の新しい戦闘スタイルは、こ

れまでに類を見ないものである。

剣術、魔術、機械技術を満遍なく扱えることで発揮

される相乗的な強さは言うまでもないが、何よりも

どのような状況でも有利に戦うことができるその対

応力は、単なる剣士、魔導師、機械技師とはまった

く別次元の強みと言ってもいいであろう。

ただ、剣術、魔術、機械技術の3種をバランス良く

使いこなせるのは、リルベットの戦闘センスによる

ところが大きい。

凡人であれば、3つの素養を備え持っていたとして

も、大抵はその内のどれかひとつの得意分野に偏る

ものである。

この戦闘スタイルは、3つの技能の才能を均等に有

していた彼女ならではのものだと言えるだろう。

元々リルベットは幼い頃より祖父ミューレンととも

に古代遺跡を回っており、機械技術に造詣が深いこ

とで知られている。

一方で、彼女が剣術の鍛錬や魔術の学習などを熱心

に行っていた様子はブレイズガーデン内ではあまり

見られず、オルダーナ帝国との戦闘などでもそれら

の力で活躍することもなかった。

だが、それでも両親が得意とした剣術、魔術の素養

は昔からリルベットの身体の中に根付いていたとい

う。

ブレイズガーデンの長老ラグロボスは、彼女の才能

について次のように語っている。

「リルベットはリグル、ラベリアの娘だ。剣術、魔

術の素養がないわけなどあるまい。

⋯ただ、両親2人とも良い意味でも悪い意味でも、

ブレイズガーデンにおいて抜きん出た実力を持って

おった。

そのことが災いした⋯とでも言うべきかのう。

もっともリルベットが一時的に剣術と魔術から遠ざ

かったからこそ、機械技師としての才能が開花した

とも言えるのだから、世の中分からんものじゃ⋯」

成長してからは古代遺跡の発掘や、機械装置の研究

に没頭したリルベットだったが、幼い頃は父リグル

のもとで剣術を学ぶこともあった。

「ハッハッハッ、そうだリルベット。筋がいいぞ」

ただ、リグルは熱心に教えるあまり、厳しく鍛える

ことも少なくなく、リルベットの身体に痣をつけて

しまったこともあったという。

それは、娘に強くなって欲しい、という親心からで

あったが、さすがにその時は妻ラベリアから厳しく

諌められたという。

その後、リグルが任務でグランゼリア中を飛び回る

ようになってから、リルベットは剣術から遠ざかっ

た。

そこには、忙しい父に負担をかけまいという気持ち

とともに、"剣の達人リグル"の娘として、周囲から

の期待の視線が重荷になっていたことも理由のひと

つだったとされている。

ただ、リグルがブレイズガーデンに戻ってきた際、

同じブレイズの戦士であるディルモードと手合わせ

しているところを見るのは、成長した後も変わらず

に好きだったという。

幼い頃、リルベットは父リグルに剣術を習うととも

に、母ラベリアには魔術を習っていた。

「ふふっ⋯ここはね、こうするの」

ラベリアの教え方は非常に優しく、そして分かりや

すいもので、幼いリルベットの魔術の腕は順調に伸

びていった。

ある時、初めての魔法として木に火をつけることに

成功したリルベットは、同じ魔術を母が使ったらど

うなるのか知りたくなり、それをせがんだ。

ラベリアは少し躊躇したものの、娘の要望に応えて

同じ魔法を行使。

すると、木どころか森が一瞬で灰と化してしまった

という。

自分と母の魔術の差を痛感したリルベットは、自信

を少し失ったが、それでも魔導師としての母への尊

敬の念はさらに強まったという。

その後、ラベリアが父リグルとともに任務でグラン

ゼリア中を飛び回るようになり、リルベットは魔術

から遠ざかった。

そこには、母を煩わせまいという気持ちとともに、

"魔導の天才ラベリア"の娘として、周囲からの期待

の眼差しが重荷になっていたこともあったとされて

いる。