【白猫】イナンナ・思い出
再生の巫女 イナンナ cv.矢作紗友里 破壊されるための再生を司るという巫女。 諦観が骨の髄まで染み込んでいるが…… |
2019/10/01
メインストーリー 第14章
思い出1
……ここが飛行島……
ご感想はあるかしら?
チンケなトコですね。
そんなコトゆわないで~ん♪
怒らないんですか?
怒るわけないじゃない~ん♪
わざと怒らせようとした言葉なんかには、ね?
……なるほど。たしかにそうです。少し考えればわかりますね。
考えてないわ。脊髄反射よ。
きゃ、キャトラ!?
改めまして、イナンナさん。よろしくお願いしますね。
……光の王。
はい?
動じないのですね。
あ、今のキャトラの発言にですか?
ええ。驚くほど迅速な切り替えだと感じました。
慣れ、ですかね……
オホホホ。アタシとアイリスとはツーカーの仲なんだから。
もちろん主人公も!
なるほど、わかりました。今後ともよろしくお願いします。
はい、こちらこそ♪
ですが……一点苦言を、よいでしょうか?
ど、どうぞ……?
あまりにも完成した関係性の中に混ざる身にもなってください。
ちょっと気おくれします。
気おくれなんかすることないわよ。アタシは万物に対して中立なのだから。
ば、ばんぶつに!?
そう。全てに対してわけへだてなく優しいのよ!
……魔物は?
やっつけるわ!
優しさとは……
……ときに厳しさでもあるのよ……
私のセリフを勝手に引き継がないでください。
アラ、ごめんしたわね。
思い出2
イナンナってローテンションよね?
そう見えるならそうなんじゃないですか。
そういうところがよ!もっとテンション上げなさい!アタシのように!
猫は……
キャトラよ!
キャトラは参考になりません。高過ぎます。
猫だからね。
猫ってテンション高いんですか?
アベレージのことは知らないわ。いいえ、むしろ猫とはテンションの低い生き物かもね。
だけれどアタシは高いのよ!文句ある!?
特にありません。
なぜなら!
はあ。
アンタが低いからよ!
(キャトラ……無茶苦茶よ……!)
ちょっとイラっとしました。
え!?
勝手気ままな生き物の代名詞であることは知っていますが、猫が。
それにしてもキャトラはずいぶんじゃありませんか?
……ぬぬぬぬぬ……!
(キャトラ……!)
――ぱちぱちぱちぱち!
面と向かって、アタシにそこまで言ってきたのは初めてかもしれないわ。
やるわねイナンナ。
褒められてもね。
ありゃ、ダメ?
私を褒めることで、自分の我儘を正当化しているでしょう?
そんなつもりはなかったけれど……
……ふむ。アンタ、才能あるかもしれないわね。
なんの?
クレーマーのよ!!!
いりません。
そこがグッド!
だから。
思い出3
あらためて……イナンナのこと、ちょっと聞いてもいいかしら?
私の機嫌を害さなければね。
まかせといて!アタシの愛くるしさがあれば、無作法を相殺できるわ!
……はい。なんですか?
イナンナって、どういう種族なの?
(直球……!?)
クツヒモ・フムニールという男がいますね。
いるわよ。フムニールね。
つまらないです。
がぴょーん。
(がびょーん!?!?!?)
あんなかんじです。
だいたいわかったわ。ルール無用の謎種族ね。
キャトラにだけは言われたくないと超思いますが。
超も?アタシは猫よ。
そんな足の速い猫がいますか。
じゃあアタシが最初の猫ね。
……?
まあでも、アイリスや主人公も、いまだ謎を秘めた種族なんだっけ?
え!?え、えーと……
まーそれは今はいっか。イナンナの話だものね。
……で。<再生の巫女>ってなんなの?実態及び特殊能力?アタシの食べかけの力二カマを再生したりできるの?
できません。
じゃあなにができじゃあなにができるの?
無に還ったソウルを再び力に変えて、魔法的な現象を起こせるのですが……
魔法や魔術となにが違うの?
なにが違うんでしょうねえ?
イナンナさんは、ルーンや魔術を用いずに魔法が使えるんですね?
まあ、はい。ただ、ソウルそのものを具現化する術もあったりしますし。
正直、あまり特別性はないと思っています。
無とかゆーところに還ったソウルを再利用し無とかゆーところに還ったソウルを再利用してるんでしょ?
そうだと思ってはいますが、真偽のほどは眉唾ものです。
私も、無にいたことがあるわけではないですから。
ふーん。まあいいわ。魔法もよくよく考えると不可思議だし、一緒よね。
話は戻るんだけど、それって再生なの?
考え方次第ですね。
どゆこと?
仮に、あらゆる現象は、既に一度、この世界で起きていたとします。
それを再現しているのだと考えれば、再生とも呼べるでしょう。
ちんぷんかんぷんだわ。
誰かが使ったことのある魔法しか使えません。
それはわかるわ。でも、それとは違うんでしょう?
さあ。違うかもしれませんし、当たっているかもしれませんし。
はっきりしないわねえ。アンタって、なんなの?
キャトラ、いくらなんでも……
いえ。キャトラの言う通りです。
私に与えられていたのは、いくつかの力と肩書きだけ。そしてその肩書きには――
――実態がありませんでした。いえ、もっと正確に言うと……
『ただ何もせず見守る』という閑職を、大仰な言葉で飾っていただけにすぎないのです。
……つまり?
虚空の門番、再生の巫女、そういう呼び名に意味などなかったということですよ。
そして今、私は肩書きすらも失いました。長年固執していた、あるやなしやの<役割>すらも。
ですので途方に暮れていました。
それなら簡単ね。
キャトラ?
新しい<役割>をあげるわ。飛行島の一員ね。決まり!
言われるまでもありません。私も、自分の次の<役割>をそれと決めました。
あら、そうだったわね。
自分で決めました。責任を持って全うします。
うん、ヨロシクね!
……ただ、私は、長年の問に粘着質な性格になりました。
出てけと言ってももう無理ですよ。
う、ウン……言わないケド……
ガッチリ宣言されると、なんか、緊張するワネ……
思い出4
星たぬき。
bほうほうほう。
ライオン。
bバロンだ。星たぬきレースの準備をしていてね。イナンナ、混ざっていくか?
星たぬきレース?
約束したじゃない?
リアーナ。もしや、ギャンブルですか?
ええ、そうよ。コジローに頼んで用意してもらったの。
リアーナに言われてよ。ギャンブルがしてえって。
さすがに、ウェルテクスに戻るわけにもいかねえしな。力―ドなんかも散々やったし。
てわけで、俺様が一肌脱いだのよ。胴元も務めてやらぁ。
どうせ胴元が一番儲かるんでしょう?
や、俺様、金儲け自体は別に好きでもなんでもねえ。胴元の取り分はゼロで分配するぜ。
hコジローさん、星たぬきたちにもギャランティーをあげなくちゃいけませんよ?
あたぼうよ。俺様のポケットマネーからちゃんと支払うさ。
太っ腹だな。さすが、ボンボンは違うぜ。
てやんでぇ、おめぇにだけは言われたくねえぜ。
お~い、グローザ!おめえさんもやってくだろ?
二度とやらない。
おやおや……ウェルテクスでのことがいまだにこたえてるようだね。
やれやれ……前に負けた分、次は勝てるってなんで思えないかね。
なにやってるの~?
h第一回星たぬきカップ、開催間近です。
第一回星たぬきカップ?
察するに、博打ね。
いけないんだ~?
常識の範囲内で賭ける分には問題ねえさ。
キャトラちゃん、怒るわよ~?……って、キャトラちゃんは?
あいつがいると、一人勝ちしちまうからなあ。
なぜ?
キャトラはこういうことに対して、異常なほどに運がいいんだ。
日頃の行いかしら。
メシ食ってぽかぽかひなたほっこしてるだけだが……
でもそれが、案外大事なのかもしれないな。幸運は陽の光に宿るとも言う。
h聞いたことありませんが。
……のんきな連中.
それを理由に逃げはしないでしょう?あなたは?
は?誰に言ってるんですか。
ギャンブルは初めてですが、確信があります。強いですよ、私は。
rふふふ♪それは楽しみだわ♪
bでは、頼むぞヘレナ。
hはーい♪それでは、記念すべき第一レースの投票受付を開始いたしまーす♪
思い出5
……2番……2番……
……2番……!
!!
hただ今のレース、一着は、1番、ホシタヌルドルフです♪
だーっ!!!ちくしょーっ!!!
だーっ!!!やったーっ!!!
だーっ!!!今回は賭けてなかったーっ!!!
どう?
複勝でゲット。
あんまり増えなくない?
コツコツいくのよ。
口ほどにもないわね?一度も当ててないようだけど?
……っ……!
……イカサマしてないでしょうね?
しないわ。
本当に?
リアーナさんは、イカサマはしないんですよ。
……『は』?なら、胴元のあなたは?
俺様がイカサマして、なんの得があるってんだ?
私に敗北感を植えつけられます。
それは損だぜ。俺様は指揮官だ。戦闘員の士気低下なんか望みゃしねえよ。
……なら、バロンは!?
b私も全部外しているのだが……
くっ……!
続ける?
……こんなの、おかしいでしょう。
どうして私が、こんなに負け続けなきゃいけないんですか!?
これまで職務に忠実だった私が、こんな仕打ちを受ける筋合いなんてどこを探してもないでしょう!?
理屈ではないの。ギャンブルは。
わかってますけど、それでも!
勝つべきなんです!当たるべきなんですよ!私のこれまでを考えれば!
ギャンブルは、<無>とも相性がいいはずなんです!
なこと言われてもなあ。
それは考え方次第のような……
いいえ、真理です!だから私は、勝つべきなんです!そうじゃなきゃおかしいんです!
……だいぶヒートアップしてきてるわね。
ね。激しい一面もあるのね。
こうなったら、次のレースに残り全額賭けてそれを証明してみせます!
熱くなったら負けよ?
冷静は卒業したんです!するべきだったんです!
だから私は問違っていない!この熱が!渇きが!
呼び込むはずなんです、呼ばなきゃいけないんです、勝利を!
じゃなきゃ本当に、なんの意味もない!
じゃなきゃあの頃の私と同じなんです!
(よく知らねえが、んなわきゃねえんじゃねえか……?)
ふう……なら、好きにしたら?
……3番に!10万Gォ!
hは~い♪
アレ……?
h――それでは、スタートです♪
いっけええええええええええ!!!
イナンナが叫んでる!?
あれは……星たぬきレースよ!
ギャンブルじゃない!なんてこと!
テンション上げろとは言ったけど、それは一歩間違えれば破滅へ転がり落ちる道よ!
主人公!いつでも光れる準備を!
思い出6
うああああああああああああ!!!いけーつ!!!いけいけいけえええええええ!!!
ここで勝てなきゃ……!勝たなきゃいけないんです!
無には戻りたくない!掴みとらなきゃ、掴んでいかなきゃいけないんです!
これから先はあああああああ!!
3番以外……全員こけろおお!!
――見てらんないわ!主人公!
おい!?そりゃズルイぜ!
そんなもので勝っても、彼女は喜ばない!
<無>よ、その腭を開け!
ああっ!?ルーンの光が、どこかへ吸い込まれた!?
ぎにゃーっ!?もう助からないわーっ!!!
うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!
hただ今のレース、一着は、3番、ホシタヌキャップです♪
えっ!?
やったああああああああああ!やったやったやったああああ!やってやったんだぁああああ!
生まれ変わるんだぁああああ!!!私はぁあ!!!無とはこれでもうおさらばなんだああああああ!!!
生きてるって、こういうことなんだああああああ!!!
こういう瞬間のためなんだぁあああ!!!
……………………
…………
や……ま、その次のレースで全額スッたわけですが。
ローテンションに戻ったわね!?
普段のベースはこれなので。
……恥ずかしくないの?あんなに絶叫しといてさ……
……恥ずかしくないと言えぱ、嘘になります。
でしょうとも。
ただ、それよりも、大きなものを得た気がするのです。
一瞬の快楽のため、長い苦痛に耐え続ける……それが、生。
どちらもなくていい。そう、思っていました。
ですが……
ウン。
脳汁出ますね。ギャンブルで大勝ちすると。
ぎにゃにゃ!?もうちょっと言い方ない!?
そこはさ、一瞬の快感のために生きるのも悪くないってことがわかった、とかじゃないの!?
私の言い方は私が決めます。
そ、そうですね……
<有>も悪くないかもしれません。少し、それが実感できました。
金銭には替えがたい収穫ですよ。
うん……まあ、いちおう、めでたしっぽいわね。
次のレースはいつですか?
ハマるなぁーーーっ!!!
覚醒絵・覚醒画像
虚空の番人 イナンナ
その他