【黒ウィズ】アルティメット七夕ガールズ Story
2016/07/07
story 旅のまにまに
リルムが笹――という大きな枝を引きずって戻ってきた。
長い海の旅を終えて戻ってきた君たちは、アリエッタに連れられてこの街にやってきた。
イーニア先生日く、この街には、古の時代に伝わってきた昔話があるらしい。
ぼんやりした情報だね、と君は言う。
知らないのならしょうがない。誰にだってそういうことはある。
ただ、ここの者たちは、この時期に休みをとり、街をあげてお祭り騒ぎをするそうだ。
それって遊びたいだけなんじゃ……と言ってみる。
そういって紙切れを受け取る。――どうやら短冊というらしい。
イーニア先生は、昔、身長が高かったの?君は疑問に思い、そう問いかけた。
誤差……。
まさかの誤差!
君は驚きを隠せない。
イーニア先生が、笹を立てかけるアリエッタたちを見ながら、寂しそうに呟いた。
***
イーニア先生に連れてこられた場所は、星がよく見え、人もそんなにいないところだった。
わからない、と君は答える。数えようと思ったことすらない。
問いかけてきたのはイーニア先生なのに、どこか素っ気なく言われてしまった。
誰でも使えるからといって、学ぶこと、進むことを怠れば、すぐに衰退してしまうだろう。
魔道士協会所属の魔道士を増やし、多くの人々にとって役立てるよう魔法を使い、学び、成長させていきたいのだ。
若いものに向けたキャッチー、かつトレンディな広告を作れればいいのだが。
それを書くんだ?と君は訊く。
君は、イーニア先生に腕を掴まれる。
協会所属になれば、魔道新聞がタダで読める。加えてお前ほど優秀な魔道士なら、大魔道士にだってなれるはずだ。
大魔道士はいいぞ。まず多額の活動資金が与えられる。
望むのであれば協会所属の魔道士をふたりまで、自身につけることができる。どうだ?魅力的だろう?
君は曖昧に微笑んで、考えておくよ、と言った。
難しいな……魔道は奥が深い……。
イーニア先生が肩を落としながら歩き出す。
なんだか申し訳ない気持ちになったけれど、今回ばかりは諦めてもらおう……。
君はもらった短冊に願いを書くべく、イーニア先生の後を追った。