【白猫】シズク(クリスマス)・思い出
生真面目な竜乗り シズク・エンジュ CV: 呪いを受けた<鬼退治>の一族の当主。 完全に克服してはいないが対抗手段が増えた。 |
思い出1
やっほ~シズク~♪
はい。
あいかわらずカタイわね~。もっと、ゆる~くゆる~く。
これが私の性分です。
イサミさんとはー緒ではないんですね。
はい。イサミは別の任についております。
鬼と戦っているんですよね……お忙しいんですか……?
我ら<鬼退治>のー族が討つは、<悪しき鬼>のみ。
とはいえ、世には無数に存在します。安息などありません。
そんなにつっぱってると疲れちゃわない?
慣れておりますから。
あらそ……
ところで、そっちの…………ドラゴン? は、どうしたの?
イサミと私が、旅路の果てに会った仲間です。名をシュゴウ。
ドラゴン?
種族を言うならそうです。我らはシュゴウの封印を解き、守護を得ました。
守護を得た?
シュゴウは、竜と霊とが合わさりし、世にも稀な存在。
私とイサミはシュゴウと契約し、その力の恩恵を受けているのです。
力の恩恵……それは……?
それは――
!!
……うっひょ~♪こんなふーに、うひゃっへなっひゃっへも~……
シュゴウが大きく口を開け、シズクの周囲に生まれたふにゃふにゃした空気を吸う!
そ、それは……
――ふっ。そういうことです!
胸張ってまぁ……
思い出2
つまり、いままでは時間が経つとふにゃふにゃになってたシズクが、弱点を克服したってこと?
とも言い切れませんね。
イサミの備える瓶の他に、呪いに対抗する術がーつ増えた……
そういうことです。イサミから離れても、シュゴウからは離れられません。
なるほど、不便は不便ってわけねぇ。
呪いは、薄まりつつあるのでは……
軽くなりつつあるといえ、微差にすぎません。まったく、厄介ですよ……
そっか~。でも、前よりはぜんぜんマシよね!
はい。
ところで、乗っちゃってるけど、いいの?
はい?
シュゴウに。えらいんじゃないの?
あぁ……シュゴウは共闘を拒みません。
ならばと、新しい闘い方をしているのです。
ふ~ん……そういうさ、乗る人?
他にもいると思うんだけど、アンタはどういうくくりになるの?
冒険家ギルドには、<ドラゴンライダー>で申請を出しました。
空を飛ぶ生物に乗る者を総称してそう呼ぶとのことで。
あっ、そういうのあるんだ。
当たり前です。しっかり管理せねば、冒険家は無法者の集まりになりますよ。
それは言いすぎじゃないかな~?
……みなさん。冒険家ギルドヘの報告書提出はお済みですか?
やっぱり!知らなかったとは言わせませんよ!
知らないわよ、なんなのよ?
期間を区切って、活動した内容を報告するんです!
それを受け、ギルドはそれぞれの冒険家に依頼を斡旋するのですから!
非常に大切な義務です!不備は許されませんよ!
ひ、ひええ~。
ヘレナ
それなら大丈夫よ。
ヘレナさん?
飛行島のみんなの分は、私がとりまとめて報告してるからね♪
あっ、そうだったんだ。
なるほど……でしたら私も、以降その形態に従います。お世話になります、ヘレナさん。
ふふ、任せてちょうだい♪
ほっ……
思い出3
ねーシズク、クリスマスの予定は?
鬼の討伐です。
色気がないわねえ~。
不要です。そういう道を歩んできました。
でも、それがこのままずーっと続くと決まってるわけでもないでしょ?
それはその通りですね。
聞き分けいいわね。
大人ですから。今後の人生設計も一応気にはしてます。
(大人が自分で大人って言うかしら……?)
クリスマスってね、大切なひとと一緒に過ごすのがいいんだって。
それはクリスマスでなくともそうだと思うのですが。
でも、特にそうなんだって。
私としては、そういう日を特別に設けてしまい、普段がおきなりになる方が問題だと思います。
そういうムズカシイこと考える日じゃないの。
なにも考えず、みんなでパーッとはしゃげばいいんだって。
大切な人との過ごし方って、はしゃぐ以外にもあると思いますが。
もがーっ! たから、そういうのはいいんだってばー!
……面倒なのは自覚してます。ですが、やるとしても納得してからにしたいんです。
ムムム……じゃあ、わかったわ!
え?
アタシよりも、クリスマスの良さを上手に説明してくれるひとを呼んでくるからっ!
待ってなさいっ!
……だれのことでしょう?
……さあ……?
……
あなたも相変わらず、寡黙ですね。
思い出4
シャオフーよっ!
ふぇっふぇっふぇ。めりーくりすますじゃえー、シズクちゃん。
シャオばあちゃんちがうよ、それは当日にいうヤツだよ。
おうおう、タマはかしこいのぅ~。
……シャオフー様が、クリスマスを教えてくれるのですか?
ふぇー?
そうよっ! こう見えて、シャオばあちゃんは長生きなんだからっ!
知恵袋ってヤツなんだからっ!
ふくろかえ?そうそう、お菓子を持ってたんじゃ、あげるでなぁ~。
ありがとうございます。
それでな~、そもそも、クリスマスちゅ~のんは~……
はい。
わしが、おぼえとるかぎりはな~。
はい。
めでたいもんなんじゃえ~。
ばあちゃんばあちゃん!
それくらい、シズクももう知ってるからっ!
ほえ~?
なるほど。お言葉、しかと受け止めました。
ほえぇ~?
シャオフー様。外は冷えます。さ、屋内へ案内しましょう。
おうおう、シズクちゃんは、ほんにやさしい子じゃのう~。
***
シャオばあちゃん帰っちゃった……アタシの狙いが外れちゃったわよぅ……
いえ。大変重みのある言葉をいただきました。
あれでっ!?
はい。あの説得力は、私のような若輩者には決して出せません。
……シズクってばもしかして、年長者のことはものすごくうやまうタイプ?
あ、気づきませんでした。そうかもしれません。
<鬼退治>の一族の代々の当主が女性だったことも関係あるかもしれません。
ほほう、そうであったか。効果があったんなら、無駄でもなかったわね。
クリスマスはめでたいもんじゃ……肝に銘じておきます。
思い出5
ディオニスよっ!
聖夜の理を説きに、このディオニスが参った!
よいさ~?
ぬうっ!?
レンファ!?
……遅かったわねキャトラ……
まさか、シズク?シズクがレンファを呼んだの?
この展開は読めなかったでござるね。
フランまでっ!?じゃあまさか、シャオばあちゃんも……!
シヤオフー様は、お体に養生頂いております。
ですので今宵は、レンファ様とフラン様と、共に楽しもうと思います。
二人とも、一緒に過ごしたい大切な仲間ですし――
――クリスマスは、めでたいですから!
むぐぐ……!まちがっちゃいないけど、もっとなんかこう……
……俺は、ピエロか……?
あっ!? ごめんディオニス、こんなつもりじゃなかったの、ヘソ曲げないで!
――ふっ。
はっはっはっは!
構わんさ。姫たちのために、宴に必要な物を手配してこよう。
えっ?ディオニス様に、そのようなお手間をかけさせるわけには……
構わない、と、言ったろ?あとで使いの者に運ばせよう。
それでは、姫様たち。ごゆっくり――
なっ……!!ディオニスのカブが上がった気がするわ……!
お気遣い感謝いたします、ディオニス様――
――では! レンファ様、フラン様! ともにクリスマスを楽しみましょう!
今日はくめでたい>ですから!
そういうことならウチにお任せ!は~、よいこらさっさ~よいさっさ~♪
ジュワイユーノエル♪でござる~♪
――これは――
ディオニスを見習い、光るだけ光って去るのが良さそうだ――
思い出6
――これで役目は終わった。大人しくこの場を――
ちょっろ~? ろこいくさ~?
ありゃりゃ!?シュゴウがいるのに、シズクがふにゃっちゃった!
い~りゃない?めでたいひなんらからぁ~♪
う~ん……?
――シュゴウから、『まあまあ』という気配を感じる――
それなら、いいのだろう……
よ~ひ! こんやはあさまでさわぎまひょ~♪
ウチも朝まで踊るわ!長く踊れるやつを!
めでたいやつね!
うん、そこそこね。
そこそこ!?
いいでござるな~。セッシャ、夜は寝てしまうので徹夜とかしたことないでござるよ。
そんな忍者がおるか。
ここにいるでござる~♪
ふふふ……
しばらくして、ディオニスからの大量の荷物が届いた。
――三日三晩かかっても食べつくせないほどの料理に飲み物だ。
こうして、男は自分―人のパーティーが始まった――
***
――騒ぎ疲れて、いつの間にか全員眠っていたようだ――
少し、夜風にでも当たってこよう。
「……あ。目が覚めたのですか。私も目が覚めてしまいまして。」
「どうして正気に戻ったか、ですか?……ふふ……」
シズクのかたわらには、どこかで見たような瓶が置かれている。
「紛れていたのですよ。贈り物の中に。
中々、憎たらしいことをしてくれますね……」
「月が良く見えます。
明日からはまた、戦いの日々ですが――
――たまにはいいものですね。クリスマスというのも――」
鬼退治の竜戦士
その他
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