【白猫】挑み続ける勇者たち Story
目次
Story1 たどりついた二人
「ここは……!」
「何か知ってるのかナップル?」
「いや……知らねえ……」
「なんだよ――って!
――こ、ここは!」
「知ってるのかヨシオ!」
「知らねえ。」
「だろーな。
しかし、おっそろしい雰囲気のところだな……」
「だな。」
「よし、帰ろうぜ!」
「バカヤロー! 勇者に後退はない!」
「忍者にはある!」
「……ナップル。悔しくはねえのか?真の男だと認められたいだろ?」
「そりゃな。だが、こんなところで危険な目に遭うくらいなら
オレは、このままでもいい!」
「…………
ここには……俺のくなにか>を知る<なにか>がある……
その<なにか>を見つけるまで、俺は<なにか>するぜ!」
「全然わかんねえ。」
「うるせ一!だからお前も来い!」
「ふっ……!足、引っ張るぜ……!」
「もう少しプライドを持てよなお前は!」
証を示せ | |
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ヨシオ | さーて、なにがあるんだ? |
ナップル | オレたちなんかでいいのかねえ…… |
Story2 勇者の道
(ここは何かヘンだ……!違和感がある……!)
「おいヨシオ?な~にを難しいツラしてんだ?」
「ちょっと気になることがあって……」
語りながらヨシオは剣を振りかぶると――
「ひいっ!?」
「おりゃあっ!」
一直線にぶん投げた!
「な、なにすんだよ?オレなんか、怒らせるようなこと言ったか?」
「そこに隠れてるのは誰だ?出てこいっ!」
「…………」
「あ、あんたは……?」
「私は旅の商人だ。」
「旅の商人……?」
「君は……?」
「?」
「……いや、人違いだろう。」
「なんだよ?」
「――他に商人がいない島なら、稼ぎ放題だと思ったのだが――
住民もおらぬのなら意味はないか。帰って酒場にでも行くとしよう。
じゃあな若者たちよ。ハリキリ過ぎてケガするなよ。」
「……なんだったんだ?」
「さあ、行こうぜ!」
「急にどうした?」
「出会いの全てが、力になる
だから、あのおっさんの言葉も、大切に、胸にしまって進もうぜ!」
「あんまりしまっときたくねえな……」
凶獣の巣 | |
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ヨシオ | 恐れずに前へ! |
ナップル | いや恐れようぜ。 |
Story3 ぶらりと来た先人
「ひええっへえっ!」
ナップルが魔物に襲われている!
「ナップルー!!」
「早く助けてくれ~!」
「任せとけ!うりゃうりゃ~!」
しかしヨシオの攻撃は弾き返された!
「うわー!」
「よ、ヨシオー!」
「くそう、コイツ、めちゃくちゃ硬え……!どうしたらいいんだ……!」
――その瞬間!
「な~にやってんだおめえら?」
「あんたは……?」
「あ~……まあ、いいだろ。ともかく、こんな島、もう見るとこはねえぜ。とっとと帰ん――」
「兄貴!」
「ああ!?」
「ありがとう、助かった!これからはあんたのこと、兄貴と呼ばせてくれ!」
「ナップル……おまえ……」
「よくわからねーが、こう見えてもヒマじゃなくてな。あばよ!」
「くう~……! シビい……!
よし、ピンチも脱したことだし、先に進むぜ!」
恐るべき合成獣 | |
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ヨシオ | 頼れる勇者になんねーと! |
ナップル | まあ将来の話だろ? |
Story4 瞳に走る激痛
「うあああああああああああっ!!!」
ヨシオが目を押さえ、地面を転げまわっている!
「だからあれほど言ったんだ! カラシついた手で、目をこするんじゃねえって!
「痛え! 痛えよおおおおおっ!!!」
「くっ……!」
「いてえよおおおおおおおおっ!!!」
「どうすればいいんだ……!」
「ざっざーん!」
突如として巻き起こった水流が、ヨシオの目を洗い流す!
「――っぷはあっ!助かったぜ!
いまの水は、一体……?気配もどこかへ行っちまったようだけど……?」
「なんにせよ……また誰かに救われたみたいだな……
――俺はー人じゃない。みんなに助けられながら、こうして生さきているんだ……!
行こうぜナップル!背中を押してくれる、どこかの誰かのためにも!」
「んうひえっ! えっぺ! えっぺっぺ! えっぺっぺ!」
「鼻に水入ってんじゃねえよ……」
待ち受ける怨霊騎士 | |
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ヨシオ | ほらナップル、次いくぞ! |
ナップル | んひぃ……鼻痛ぇ…… |
Story5 ヒーローの夢
「なあヨシオ。<なにか>を見つけるためにやる<なにか>って、わかったのか?」
「いや、まだだ。」
「ンなモンないんじゃねえのか?」
「あるとわかってるものだけを、探しているわけじゃないだろう?」
「お前って、言うことだけはちゃんと勇者っぽいよな。」
「…………」
「どうした?」
「……俺の偽物が、いるらしいんだ。」
「オイオイ、そんなわけないだろ?」
「なんだよ?」
「お前に化けて、何が出来るっていうんだ?
オレやお前に、地位や名声はない。力だってない。化ける意味がないだろ?」
「ムカつくけど、その通りかもな。
だけど……ただ正体を隠したいだけなら、俺はうってつけかもしれない。」
「たしかに……ノーマークではあるだろうからな。」
「俺の姿を使って、何が狙いなんだ……?」
うっ!?」
「どうした?」
「<声>が……聞こえる……困っている人の、助けを求める<声>が……」
「ヨシオ……」
「俺は勇者、勇者ヨシオだ……
俺の姿で人をだますなんて、許すことは出来ない……」
「ふっ。それでこそだぜ。
お前の背中に、忘れちまった<夢>を見るなんてな……」
「ナップル?
「俺も、ガキの頃は思ってたぜ……みんなを守れるヒーローになりたいって、な。
もうー度、追いかけてみるか……!」
「ナップル……!」
「背中は任せろ。行こうぜ、ヨシオ!」
「おう!」
「へへっ、早速出てきやがったな! <変わり身の術>!」
「おい!?」
「……ニン!」
「お一一一一一一い!!!」
魔人のサンプル | |
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ヨシオ | ニンじゃねーよナップル! |
ナップル | ……ニン! |
最終話 今はまだ弱くても
「うわああああ~~~!?」
「ひええっへえっ!」
「やっぱり、俺たちじゃ駄目なのか~!?」
「チキショウ、こんなところで終わりかよう……
こんなことなら、昨日の夜の酢豚、おかわりしときゃ良かった……!
くっそおおおおお~~~~!!!」
「!!」
「あ、あんたは……?」
おっかしいな……また、道間違えちまったか……
ここ……あの島じゃねえよな……?
y……ダグラス、か……
おう、どっかで見た顔だと思ったぜ。おめーらも迷子か?
n兄貴と呼ばせてくれ!
あん?
y――行こうぜ、ナップル。
nどうした?
y誰も手を貸してくれなんて言ってねえんだよ。
……そりゃ、すまなかった。
nおいヨシオ!助けてもらっておいて、失礼だろうが!
y……俺は、弱い。だが、諦めちゃいない!
いつか――なってやるさ。あんたみたいな、困っている人を守ることが出来る、本物の勇者に……!
nあっ、おい! 待てよヨシオ! 兄貴! ありがとうな!
………………本物だぜ、ヨシオ。
おまえさんの心は、とっくにな――