【白猫】ミス・モノクローム・思い出
異世界アイドル ミス・モノクローム 異世界からやってきた、アンドロイド。 今日もスーパーアイドルを目指し、前に出る。 | ||
2015/12/24 |
メインストーリー
思い出1
<その日、アイドル活動をつづけるミス・モノクロームは仕事のため、飛行島へと降り立ったのです。>
マネオマネージャーの地図だと、
ここが新しい現場。
あれ?見かけない子がいるじゃない。
ほんとね。こんにちは。
おはよう。
え? あ、うん。おはよう。
って、そんな時間でもないけどね。
業界の挨拶は『おはよう』だと決まっている。
業界? ってどこの?
アイドル業界。私は、アイドル。
アイドル……
ふ~ん。まあ、お仕事によって、挨拶の違いはあるわよね。
あ、そうでした。
はじめまして。私はアイリスといいます。
アタシはキャトラ。
こっちは主人公よ。よろしくね。
私は、ミス・モノクローム。よろしく。
それでアンタは、どうして飛行島に来たの?
今日は、ここで仕事。
お仕事でこられたんですか?
そう。アイドルとしての仕事。
へぇ~。アイドルの仕事って、なにするの?
『一日職業体験』。
たくさんの職葉を体験する仕事。
一日だけの体験? それが仕事?
そう。アイドルは『他の職業を一日だけ体験する』という仕事がある。
だから、私もいろいろな仕事をしないといけない。
アイドルって大変なのねえ。
それで今日は、なにを体験するの?
これから決める。
じゃあ、アタシたちがみんなに紹介してあげるわよ。
そしたら、手間が省けるでしょ。
そうね。私もお手伝いしますよ。
わかった。アイリスたちにお願いする。
ヘヘ~♪まかせておさなさい!
それじゃ、早速いきましょ♪
<こうしてミス・モノクロームの、飛行島でのお仕事が始まりました。>
思い出2
<飛行鳥でミス・モノクロームが出会ったのは、鳥の頭をした大柄の男性だったのです。>
こんにちは、ジェガルさん。
jむ?お前たちか。俺になにか用か?
この子が、みんなの仕事を体験したいっていうから、紹介してまわってるのよ。
jどういうことだ?
<ふたりは、ミス・モノクロームがここへやって来た事情をくわしく説明しました。>
jなるほど。自身が望む道のため、自らに試練を課しているのか、いいだろう、協力してやろう。
感謝する。
それでジェガルさんのお仕事なんですけど……あれ?
ジェガルって……なんの仕事してだっけ?
jなに?!
昔は女王に仕えていたのよね。なら兵士?でも今は違うし……
じゃあ……あれ?今って……
jや、やめよ!俺が働いてないように聞こえるではないか!
わかった。
jいや、持て! 今のでわかるな!俺は誇り高き――
大丈夫。理解している。
jほ、ほんとうだな?
本当。しゃべる鳥の仕事といえば、『ウグイス嬢』で間違いない。
……うぐいすじょーですか?
ねえ、そのうぐいすじょ一とかいうのって、なんなの?
jお、俺も初めて聞く言葉だ。どんなものなのだ?
とても大変。でも重要な仕事。そして大勢に望まれる、尊い仕事。
jなんと……ウグイスジョ―。
……その仕事、俺にも可能か?
できる。でも半端な覚悟では無理。
jそれはどのものか……だが、俺も誇り高き霊鳥の血を引く者。試練を前に逃げる真似はせん!
なら、一緒にやる。
j応!
それじゃ始める。後につづいて。
庭にはニワトリが二羽いた。
はい。
j庭にはニワトリが……おい、これになんの意味かある?
意味はある。滑舌が悪く聞き苦しいと、ウグイス嬢とは呼べない。
jむ。そうなのか……わかった。もう止めはせん。続きを頼む。
わかった。かえるぴょこぴょこ、みひょこぴょこ――
j――あわせてぴょこひょこ、むひょこひょこ!
……これがうぐいすじょ一?
さ、さあ?でも、ふたりとも真剣だし、少し見守りましょ。
……そうね。
はるかな雲海を飛び越え、夢の飛行島から、ご機嫌なグルービィボイスをヨウチェケラ!
jパッションクールなサウンドもキミのハートにグッフィーリンッ!
聞いてもらうのは、このナンバー!
ミス・モノクロームで、『Black or White?』
<こうしてミス・モノクロームは、ウグイス娘のお仕事を体験したのでした。>
思い出3
<キャトラたちに案内され、次にミス・モノクロームか出会ったのは特殊な仮装をしたような男でした。>
あぁン?なんだ、てめェら?新入り連れて、挨拶にでもきたってか?
挨拶なのもあるけど、それよりこの子の仕事の手伝いか本題よ。
こんなガキが仕事だァ?ケッ!ンだそりゃ!
そいつの親は、なにしてやがんだ!
私に親はいない。
あァ?ひとりだってのかァ?チッ……世知辛ェなァ……で?
オレになんの用だってんたァ?
うん。それなんだけどさぁ――
<キャトラは、ミス・モノクロームの事情を説明しこの男へ協力をお願いしました。>
そういうワケで、ちょっとアンタの仕事を体験させてあげてほしいのよ。
ハッ!!ヤだね!
なんでよ!
ガキにオレの仕事が、勤まるわけねェだろ!
第一、オレの仕事は――
いい。説明はいらない。もう、あなたの仕事は理解した。
わかったんですか?
ひと目見れば十分。
まァ、オレの姿をみりャ、察しはつくたろォがな。
願の特殊メイクと仮装。それに子供を脅して、しつけをする仕事。
つまり、あなたは『なまはげ』。
あァ!!?誰がハゲだッ!!
さすがの迫力。いい演技。
演技じャねェ!!
でも、演技なら私も負けない。
<そういうとミス・モノクロームは得意のマネキンの演技を、みんなに披露したのです。>
演技じゃねェっていってんたろォ!オレの話を聞けェ!
…………
あァ?聞いてんのかァ!!ナメてんじゃねェぞ!
…………
なんとか言えェ!おいッ!!
あ!?
<いかつい男に肩に揺さぶられ、倒れたミス・モノクロームでしたがプロとして演技は続けるのでした。>
ちょ!アンタ、なにしてんのよ!
あの……モノクロームさん、大丈夫ですか?
…………
ちょっと、ねえ?もしもし?
おいガキ、いつまで寝転がって……
ま……まさかこいつ……ッ!?
い、息をしてやがらねェ!?
えぇええ!!?
<ミス・モノクロームの完璧な演技にみんなは思わず、死んでしまったと勘違いをしてしまったようでした。>
ぉ……ぉぁ……オレはぁ……なんてことを……
ガキを死なせちまうなんて……
エドガルドさん……
オレは……オレは……
落ち込むことはない。
あなたの演技もなかなかだった。誇っていい。
誇れるわけねエだろッ!オレはガキをって、
生きてんじゃねェかッ!!
いいノリツッコミ。
冗談じャねェッてんだよぉ!
それにしたって、こりャ……
どうなってやがんだァ?
知りたいなら、教えてもいい。ただし私の指導は厳しい。
は、はァ?指導?
よくわかんねェが、聞かせてもらおうじゃねェか。
<こうしてミス・モノクロームは、将来有望な芸人に、得意の演技を指導することになったのです。>
思い出4
<ミス・モノクロームが、次に案内されて出会ったのは、鎧姿の紳士でした。>
つまり、彼女のために、手をかしてほしいというわけか。
お願いします。
お前たちの頼みであれば、断るという選択は無い。
しかし、俺の仕事は、生半可なことでは任せられんぞ。
大丈夫。私はアイドル。どんな仕事でも、こなしてみせる。
そこまで言うのなら、よかろう。やってみるがいい。
ありがとね、ディオニス。
なに、王であるこの身は、世の安寧と民を守るのが責務。
頼みがあれば、聞くのは当然だ。
なるほど。わかった。
つまり私は、みんなを守ればいい。
え?!わかるの、はやっ!?
ほう……これほど早く俺の仕事の『なんたるか』を理解するとは……
キミは優秀だな。
それほどでもある。
だが、不安要素があるのも事実だ。
……それはなんですか?
彼女が、か弱い女性ということだ。
民を守るということは、弱き者には勤まらんのでな。
ああ~それはそうかも。女の子だもんね……
――あ! ディオニス!
<慌てた声に見上げると、木の上に積もった雪が、みんなの頭上に落下してきていました。>
――ッ?!
あぶない、間に合って。
モノ、モノ、クロー―ム!
<ミス・モノクロームが杖を振ると、降って来た雪は魔法のように、どこかへ消えてしまいました。>
もう大丈夫。
は、はい。ありがとう、モノクロームさん。
なんと……俺まで守るとは……
認めたつもりが、まだキミを侮っていたようだ。許してほしい。
気にしなくていい。
これが私の仕事。
フフ……その上、謙虚さをもあわせ持つか。まさに王者の器よ。
キミになら安心して国を、任せられそうだ。たのむぞ。
わかった。まかせてほしい。
<こうしてミス・モノクロームは、鎧の紳士と固い友情を結び、王として勤めを果たしたのです。>
…………
……
ねぇ、アイリス。
これ……大丈夫なのよね?
大丈夫よ、キャトラ。
モノクロームさんのお仕事は『一日職業体験』だもの。ね?
そっか。うん。じゃ、大丈夫ね!
思い出5
<ミス・モノクロームは、たくさんの職業体験を終え、キャトラたちと出会った場所へ戻ってきました。>
モノクロームさん、お仕事はどうでしたか?
問題ない。私はアイドル。『一日職業体験』の仕事は、出来て当たり前。
それより今は、もっと仕事をして、アイドルとして、『もっともっと前にでる』。
意気込みはあるのね……
前向きなのは、いいことよ。
それはそうだけどね。
あ、でも……アイドルの仕事って歌とかダンスじゃないの?
知り合いのアイドルの卵の子は、仕事って言えば歌とかだったわよ?
……そうだったわね。あの、モノクロームさんは歌わないんですか?
もちろん歌う。それがアイドルの一番の仕事。
あ、やっぱり歌の仕事もあるのね。
アタシ、そっちの仕事も見たいわ。
わかった。みんなに見せる。
やったあ♪
あ、そうだ!こういう歌やダンスをステージで見せるのって……なんだっけ?
コンサート。ライブともいう。
そうそれっ!スゴいステージは作れないけど、せっかくならライブにしましょ!
いいわね。
わかった。ミス・モノクローム、スペシャルライブ・イン・飛行島。
開催することにする。
ライブの準備、みんなも手伝って。
もっちろん♪
<こうして飛行島のみんなに望まれ、ミス・モノクロームは、小さなライブを行うことになったのです。>
思い出6
私の名前はミス・モノクローム。
今日は、みんなの願いを聞いて、このスペシャルライブを開催した。
手作りの小さなステージ、ひとつだけのスポットライト。
でも、ここは私にとって、最初のステージ。
私、みんなに知ってもらうため、今日は歌って、踊って、もっともっと前にでる。
聞いて下さい。『ポーカーフェイス』。
…………
へえ~。いい歌じゃない♪
……そうね。とっても素敵だわ。
それに、優しい響きの歌声ね……
祝福して……くれるよ~……ふふ。
やっぱりアイドルって、こういうお仕事の方が似合ってる気がするわね。
モノクロームさんも、なんだか嬉しそうにも見えるわね。
…………
……
Wウォォォオオォオオ!!
ちょっ!? いきなり、なにっ?!
……いつの問にか、こんなに人が……
<島に響くミス・モノクロームの歌声に、周りは、つめかけたファンで、いっぱいになっていたのです。>
みんな、ありがとう。私、こんなにもファンが出来た。
アタシたちにお礼はいいわよ。だって全部、アンタの実力だしね。
そうですよ。それに私たちも、モノクロームさんのファンになりましたから。
私の実力は、たしかにある。でも、ライブを提案したのは、みんな。その功績は大きい。
そ、そう?
だから、みんなをココでのマネージャーに任命する。
――え? マネージャー?!
私はココでも、もっと前にでて、スーパーアイドルになってみせる。
みんなの力があれば、絶対かなう
いや、いきなりマネージャーって言われても――
そうですね。みんなの力を合わせたら、きっとかないますよね。
えぇっ?! アイリス?!
そう。だから、みんなで頑張る。
せーの、モノ、モノ、クローム!
もの、もの、くろーむ!
主人公――――♪
ちょっとぉお?! なんでふたりともノリノリなの、っていうか待って!
アタシもやるからぁ!
魔法のアイドル