【白猫】ケンゾウ・思い出
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建築の人 ケンゾウ・ビルディング cv.竹田雅則 未完成の建物を完成へと導く人。 ルーンプルドーザーで現場に向かう。 |
思い出1
巨大な鉄の塊か近づいてくる。
それは禍々しくどこか不気味で、きわめて派手だ。
やあ、僕はケンゾウっていうんだ。
***
数十年前……祖父の夢だったルーンダム計画が魔獣の妨害によって中止になっちゃったんだ。
以来、祖父は荒れてね。仕事もせず酒場をほっつき歩いては毎日酔っ払って帰ってきたよ。
そのせいで持病が悪化してしまってね……夢を果たせぬまま息をひきとった……
僕は祖父の無念を晴らすために、こいつをがむしゃらに乗りこなし……
ルーンダム計画を……成功へと導いた。
そのとき僕は思ったんだ。
僕がやったことは未来をつなぐ架け橋になったんだって。
それから僕は未完成建築を探して旅をしている……
果たせなかった建築家の夢のためにね。
そういうことなら僕にまかせて。完成させてみせるから。
ケンゾウはゆっくりとルーンブルドーザーを動かし、
未完成の家を跡形もなく踏み潰した。
ケンゾウは<ジャッキベース>を真っ平らな地面に突き立てた。
***
思い出2
<ブリリアント大橋>。
標高3000メートルの峨々たる山々の中心に、それはあった。
アーチ状に設計されたその橋は、虹のような輝きを放ち、人々に希望の光を与えるはずだった……
しかし、冬場を迎えると作業は困難を極め、半分を過ぎたところで計画はやむなく中止となった。
もし完成していれば、橋の常識を根底から覆す革命的なものになっていただろう。
ケンゾウが橋の上をルーンブルドーサーで
激走している!
ケンゾウはルーンブルドーザーのアクセルを踏み込み、橋を飛び越えた!
***
祖父は言った。『離れれば離れるほど、心の距離は近づくものだ』と……
戻ってみればわかることさ。
***
思い出3
二つの島を繋ぐ<ゴゴガゴ海峡トンネル>。
広大な海の下に、それは続いていた。
この前代未聞のプロジェクトは、小さな港町から始まった……
男たちは寝る間も惜しみ、ただひたすら岩を掘り続けた。夢の景色を目指して……
しかし、海は荒れ狂い、壁の亀裂からは容赦なく海水が吹き出し……男たちの行く手を何度も阻んだ……
やがてそれは心の防波堤をも崩壊させ……信念を失った男たちは時代の波にのまれ、姿を消した。
主人公たちはケンゾウとトロッコに乗り、線路の上を疾走していた!
今だ!!!
本来は行き止まりのトンネルを掘って、港町を眺めるはずだったんでしよ!
失敗したアタシがいうのもなんだけどさ!
***
思い出4
<ノッピングタワー>は今年で120歳を迎えた。
塔の頂上から見渡す遠景は、閑散とした大地さえ名画に変える何かがあった。
しかし、建築期間が短かったため、設計ミスが相次いだ。
塔は大きく傾き、地盤に負荷を未だかけ続けている。
プロジェクトリーダーは安全を考慮し、塔の周辺を
立ち入り禁止区域とした。
主人公は驚いた拍子に、ポケットの中のビー玉を落としてしまった。
くっ……やるな……
ぐあああああっ!
君を古代遺跡で見つけたときから、どこか運命的なものを感じていたよ。よくここまで……成長したね。
祖父は言った。『子は親を越えていくものなんだ』と……だから……
思い出5
13年前――ここは焼け野原だった。
そこに夢をもった一人の建築デザイナーが訪れ、歴史は動いた。
彼の名前はジョニシア・ピップガルデ。
城のデザインをいくつも手がける期待の若手だ。
斬新な作品を作りたい、その熱意だけが彼を突き動かした。
あっという間に時は過ぎ、紺碧の城<ガルデガルデ>は――
よし。雑草だな。
ケンゾウはゆっくりとルーンブルドーザーを動かし。
<ガルデガルデ>を跡形もなく踏み潰した。
さ、<ジャッキ>を土に埋めないと……
???
おいあんた! なんてことしてくれたんだ!
ジョニシア
俺はこの城をデザインしたものだよ!
必ず完成させてみせるから。
なにいってんだ! こいつは完成品なんだよ!
そういうデザインなんだよ!
そんな……僕は自らの手で未来への架け橋を……
いまさら反省しても遅いんだよ!
いいか! 2週間後にこの城の完成披露会を開く予定たったんだぞ!
もしも間に合わなかったら俺は……いや、建築業界は……
もどせ。
あと2週間以内にもどせ!
そうでなきゃお前を牢屋にぶち込んでやる!
思い出6 (友情覚醒)
廃墟ビルの鉄くずを拾っているときに見た朝焼け……
なつかしいな……あのとき祖父は僕にこう言った。
『誰にでも間違いはある』ってね……
ありがとう。おかけで目が覚めたよ。
今すぐ現場に戻って、城を完成させてくる!
といいたいとこだけど、心配だからアタシたちもついていくわ。
***
ルーンブルドーサーは巨大なアームを伸ばし、鉄骨を並べている。
僕はなんて愚かなんだ……祖父の教えを口にするだけでなにもやっていなかった……
うわああああ!!!
あとは僕にまかせてくれ。
えっと……ここに<6ヌノ>を8本。<ブレス>を2本。<アンチ>2枚に<タコヤキ>4つ!
サブロク平台を片手で1枚持てば、階段なしでもよじ登れる……
…………
ああ違う! 城を建てるってこういうことじゃない!
キュキュキュー♪
――2週間後。
そこには過酷な現場に挑んだ一人の男の足跡があった。
<ガルデガルデ>は
民衆の拍手を受けなから、堂々とたたずんでいた。
その光景を目の当たりにした大工星たぬきたちは、ケンゾウの描かれた看板を空に掲げた。
看板の人
その他