【白猫】チヨ・思い出
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折り鶴少女 チヨ・ミドウ cv.伊瀬菜莉也 折り紙が大好きな少女。 願いを届ける鶴を日々折り続けている。 |
思い出1
<どこからともなく一羽の折り鶴がひらひらと飛んでくると、女の子の手のひらにとまった。>
あたし、チヨっていうの。これからよろしくね。スキあらば折りたたんであげるからね。
<チヨは白い折り紙を取り出すと、慣れた手つきで折り始めた。すると――!
あっという間に、一匹の子猫が出来上がった!>
一枚の紙だったものが、別のなにかに変わる。願いを込めて折っていけば、さらに特別なものになる。
折り鶴は、もっともっと特別。誰かを支えたい、救いたい、寄り添いたい――
そんな、あたたかい祈りそのものなの。
だからね、あたしは島を出てきたの、大切な人を想う気持ちを応援したくって。
願いを込めたものを動かすことができるの。
<チヨは手のひらに乗っている子猫をトコトコと歩かせた。>
折って折って折りまくるからね。――色々と。
思い出2
<チヨは色とりどりの折り紙を取り出した。>
その残酷な時の速さが己を思いもよらぬ場所へと連れてきたのだ
――ということを悟った星たぬき。
***
立体感が足りない!もう一度折りなおして。
君はなにを作っているの?人間のおばあちゃん?
違うよね? 星たぬきだよね?『いまを必死に生きてはきたが――
あきらめたら君を折り鶴にしちゃうからね?
***
チヨのスパルタ指導の甲斐があり――
いまを必死に生きてはきたが、ふと足を止めて振り返ると
その残酷な時の速さが己を思いもよらぬ場所へと連れてきたのだ
ということを悟った星たぬき――
の母親が完成した!
……厳しすぎたかな?……ごめんね。
思い出3
わからないところがあったら何度でも教えるから、遠慮なく聞いてね。
子供たち
「「「はーい!!」」」
チヨは街の子どもたちのために、折り紙教室を開いていた。
***
すごく大変だけど……その分、願いがたくさん込められるんだよ。
お母さんも、きっと元気になる。
それに、なんてったってチヨがいるんだしね。
願いを込めながら、一羽一羽ていねいに折っていくの。……できる?
こうして、主人公たちの千羽鶴づくりがはじまった。
思い出4
できた~!!これで、はちこめ~!
その間にもまた一羽、チヨの手により鶴が折られる。……魔法のような手際だ。
お金があんまりない家でね。あたしが退屈しないように、って。そのおかげたね。
両親っていっても、血はつながってないんだけど。
あたしはね。<ミドウ>の家の人間なの。
理由はわかんない。……それでね、アオイの島っていう所にいる分家の夫婦に引き取られて育ったの。
……本当の子どもじゃないのに、二人はあたしをすごく可愛がってくれてね。
だから血はつなかっていなくても、あたしにとっては二人が本当の両親だし、生まれかどうとか全然気にならないし、気にしないの。
前を向いて生きなきゃね。
女の子は、やたら新しい折り紙を取り出すと、鶴を折り始めた。
さ、もう暗くなるから。今日はこれでおしまいにしましょう。
疲れたら、折りたたんであげるから。
思い出5
千羽鶴づくりは、佳境を迎えていた。
あ、いたいた!ちょっと、大変なのよ!お母さんの具合が……
いますぐ病院に来てちょうだい!
あたしはその時に、鶴の折り方を覚えたの。そして、男の子が元気になるように、千羽鶴を作った……
一人で作るのはとても大変だった。
でも、男の子のためを思うと、いくらでも頑張れたの。いくらでも、願いを込めて折ることができた。
でもね……男の子は、死んじゃった。
――願いが、足りなかったからだって。
アタシたちや、アンタ、そしてなによりあの子が、たくさんの<願い>をこめて千羽鶴を作ったでしょ?
……それからしばらくして……
思い出6 (友情覚醒)
ルーンの光が、千羽鶴を優しく包み込んだ……
チヨは千羽鶴に手を当て、そっと目を閉じた。
アイリスとキャトラ、主人公もそれにならう。
あったかかった。とっても、あったかかった……
あのね、おかあさん、たいじょうぶだって!
ちょっと、かぜをひいただけだって……!
あしたになれば、ねつもさがるって!
……ねえ、顔をあげて?君に渡さなくちゃいけないものがあるんだから。
チヨは、出来上がった千羽鶴を女の子へと差し出した。
あたしと、みんなと、そしてなによりも、君の祈りが詰まった千羽鶴。
きっと、お母さんは元気になる。
女の子は、千羽鶴を受け取る。
わたしの、想い……
ありがとう……!ありがとね……!
***
「…………」
「……なあ、チヨ。」
「……なあに?」
「オレはさ、チヨに、そんな暗い顔をしてほしくないんだ。」
「……うん……ごめんね……」
「……チヨには、明るくいてほしい。」
「……あかるく?」
「うん。だってその方が、絶対に楽しい。」
『早く元気になれよ。じゃないとお前も折り鶴にするぞ』ぐらい言ってくれた方がいいって。」
「…………お……
……き、きみも、おりづるにしてあげようか?」
「ふふ、……その調子……」
「……チヨ。
強く、生きるんだぞ。」
***
「……チヨちゃん。あの子がね、机の引き出しにこれをしまっていたの。
チヨちゃんへの、贈り物。あなたに隠れて折っていたんでしょうね。
……あの子はもう、戻ってはこないけれど……
あたしの心の中で、チヨちゃんの心の中で、あの子はずっと生き続けるわ。」
母親はいびつな形をした一羽の折り鶴をチヨに手渡す。
一羽に、言葉が添えられていた。
『オレがいなくなっても、チヨが元気に、明るく生きていけますように』
女の子は、千羽鶴を受け取る。
「…………う、うぅ…………い、いきるよ……
あかるく、つよく、いきるよ……!ずっと……! ずっと!!」
***
チヨは、一羽の折り鶴を夕暮れの空へと飛ばす。
鶴は昇ってゆく。
高く、高く、空の向こうへと。切なる祈りを乗せて。
切なる祈りを乗せて
その他
・フォースター☆プロジェクト MUGEN Story