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【白猫】闇の王子・思い出

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作成者: にゃん
最終更新者: AKI.

黒の少年
闇の王子 cv.梶裕貴
黒の大地で生きる少年。
強い正義感を持ち、世界の理に問いかける。
2017/07/14


ゼロ・クロニクル
飛行島の思い出 
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思い出1



――それはずっとずっと昔の、そのまた昔のこと――

――運命の歯車が、巡り始めるよりもっと前――


「…………」


――地は荒廃していた。

清浄なソウルに包まれた白の王国とは違い、地に漂うは、〈闇〉――

統べる〈王〉はいるものの、闇の匂いを嗅いで我を忘れた魔獣は黒の民にとっても害。


人々は、〈闇の王〉の元、国を形成して安全を得ていたが――

――辺境に住む民は、常に死と隣合わせだった――



…………

何をしている?

……?

このあたりに集落があったと聞いたが?

……なくなったよ。

なくなった?……ならお前は、ここで何をしている?

穴を掘っている。

穴を……?

いけないか。

何の穴だ?

魔獣に殺された人たちの。

……親か。

村にいた大人たちは、みんなよくしてくれた。

……そうか。

……何か用?

まだ掘るのか?

近くの村も全部やられたから。

小僧、もうやめろ。お前が先にのたれ死ぬぞ。

そんなつもりはない。ちゃんと寝てる。

飯は?

…………

夜にまた来る。

…………


泥濡れの黒髪が風に揺れる。

少年は一人、また穴を掘り始める――


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思い出2



男は宣言通り夜またやってきて、わずかな食料を少年に分け与えた。


食え。

どうして、くれる?

警戒するな。気まぐれだ。

…………

お前、名前は?

…………

じゃあ好きに呼ばせてもらおう。”主人公”というのはどうだ?

…………

気に入らんか? まあ、いい。

いずれ、別の呼ばれ方をされることになるだろうさ。

……?

穴は掘り終わったか?

まだだ。

もう十分だろう?

……もっと増える。

…………

なあ、あんた。この国は、どうしてこんなに荒れてるんだ?

〈闇の王〉というのが、治めているんじゃないのか?

なぜ知っている?

みんな知っていた。

そうか。

だけど、守ってはくれない、と。魔獣は危険なままだ。

…………

王は、天が憎いのか?

なぜそう思う?

この大地を見ていないから。ここに住む、人々のことを、考えているとは思えないから。

王には王の考えがあるさ。

本当か? 本当に、正しいことを、考えているのか?

お前が思う正しいこととは?

……みんなが幸せになること。

浅いな。

……だから穴を掘るのさ。

……ほう……


また来る。

好きにしなよ。

…………


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思い出3



…………

…………

よく飽きないな、あんた。

スキアーズだ。名乗ってなかったか?

初めて聞いた。

お前こそ飽きないな。一体いつまで穴を掘る?

前に言った。これじゃまだ小さい。

どれぐらい深ければいい?

……天に届くほど。

興味深いな。どういうことだ?

わかってくれとは言わない。ただ……

ただ?

……真っ暗い穴の底まで、白い光が射すときがある。

それは……好きだ。分け隔てのない、優しさのように思えるから……

……そうか。

天と地にこだわる意味はない。穴に入れば、みんな同じだ。なんとなく、そう思うから。

…………


スキアーズは、一振りの剣を主人公へ放り投げた。


拾え。穴を掘らなくてよくなる方法がある。

それを教えてやる。


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思い出4



――くぅっ!?

どうした。まだ終わってはいないぞ。

……こんなこと、頼んでない。

そうだな。だが、お前は拒まず、俺に立ち向かって来た。どうしてだ?

……こう言いたいんだろう? 『人々を魔獣から守れるくらい、強くなれ』って……

誰がそんなことを言った。

!?

死ね。絶望し、世界を呪うしか出来ぬのなら――

――お前の命に価値はない!

!!

ほう。

あんたこそ、何を考えている?

殺す気なら、手加減はいらないだろう!? なんのつもりだ!?

――フン!

ぐぅっ!!

気まぐれだ。

……気まぐれで生かし、気まぐれで殺すのか……!

そうだ。

何の権利が有って!

言えば納得するか?

くっ!?

権利は、有る。貴様には会うことすら叶わぬ誰かが、それを持っている。

 それは真理だ。だが真理を知ってどうする? 理由さえあれば従うか?

……〈闇の王〉のことかっ!

そうだ。〈闇の王〉に従うは、黒なる民の宿命。

あんたは王じゃないだろう!

――はぁっ!!!

うあぁぁああああっ!?

……そうだな、俺は、王ではない……――王に〈なりかけた〉半端者だ。

……!?

命冥加な小僧め。また来るぞ。


なんなんだ……あいつ……!



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思い出5



――スキアーズはその後も、何度も彼の元へ訪れた。


――うぉおおおっ!

まだまだだな。

くそっ!

その程度で俺の命はくれてやらんぞ。

さあ、もっと抵抗しろ。でなくば今日こそここで、貴様を穴に送ってやる。

くっそぉおおおっ!


スキアーズは訪れる度、食事を施し、次には剣を振るって半死へと追い込む。

そんな日々が、続いた――


…………

俺を待っていたか?

……ああ。一つだけ、わかったことがある。

なんだ?

あんたの意図はわからないが――

――あんたを倒さない限り! ここからどこへも行けないってことだ!

はっ! くだらん!

仮に俺を倒して! 貴様はどこへ行こうというのだ!?

勝ってから決める!

不可能だな!

うぉおおおおおっ!

……小僧、やるようになったな!

おかげさまでっ!

目が覚めたか!?

何がだ!?

貴様の理想……それ自体は、誰に咎められることでもない!

 だが!『人々を幸せにすること』は、容易ではないっ! 半端な覚悟では背負えぬ!

そんなことはわかってる!

ならば、どうするっ! いつまでも穴を掘り、天の助けを待つだけかっ!

!!

いいかげんに観念しろ! 理想が見えてしまった者には――

――実現させるために! 命を燃やす義務があるっ!


なら……やってやるっ!

なってやるともっ! 〈王〉にでも、なんでもっ!


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思い出6 (友情覚醒)



……くくくくく……

!?

はははははは……!

なんだ……!?

嬉しいのさ。

……何がだよ?

最後に、こんな奇跡が待っていたとはな……

……奇跡だって……?

よくやった。

まだ終わっちゃいない。

いいや、時間切れだ。俺の、な……

お、おい、あんた!?

俺は、いまの代の〈闇の王〉と後継者の座を争ったんだ。老骨に決まってんだろ。

何を言ってんだよ……?

小僧。貴様にその剣をやる。

それを持って王都へ行け。俺の館がある。こう見えて、名家だ。その剣を持つ者が、当主とみなされる。

!?

そして、名乗りを上げろ。自分こそは〈黒の王子〉、〈闇の王〉の後継者候補だと。

そんなことしてどうなる?

ヴァルアスという騎士がいる。あいつは公平だ。

お前の剣の腕を見れば、きっと目にかけるだろう。認めさせれば、位にも忠実だ。

やるなんて言ってないぞ。

そこは……頷け……俺に似た小僧よ……

あんたに似てる!? ハッ、冗談だろ?

言葉づかい、もう少し改めろよ。出来るだろ、そのくらい?

…………

俺もな……感じていたのだ。

〈闇〉だけじゃない……〈光〉にも、安息を、な……

……あんた……スキアーズさん……本当にもう、終わりなのか……?

お前にやられたわけではない。もうとっくに、空っぽだった。

〈闇〉の力を、供給されなくなっていたからな……

…………

ま、諦めるんだな。面倒な奴の、面倒な遺言を聞いてしまった、と。

……頼んだぞ。今の世界は、正しくはない……お前の時代で……変えてみせろ……!

……ああ……

<――>

!? この、光は……!?

!! 黒に生まれながら、その、〈光〉は……!

自分が……放っているのか……?

……任せたぞ……

……スキアーズ……さん……!

……好き勝手言ってくれて。……だけど、わかったよ……

あんたの言った通り……! まずは、その〈闇の王〉の後継者に、なる……!


そうしたら……きっと出来るんだよな……?

世界中のみんなを、幸せに――



そのとき、主人公が放っていた光と――

――天から降り注ぐ白い光が、束の間、交差した――




闇の王の後継者 闇の王子




人物紹介
画像詳細
闇の王子闇の王子 cv.梶裕貴
黒の大地で生きる少年。
強い正義感を持ち、世界の理に問いかける。
セレナセレナ・アルカマル cv.花澤香菜
永い眠りから目覚めた闇の王の後継者。
託された願いのため、戦場を駆ける。
ヴァイスヴァイス・グリーガー cv.櫻井孝宏
黒の王国六大貴族、グリーガー家の、闇の王の後継者。
黒の王国最強と言われた武芸者。

コメント (主人公(闇の王子)・思い出)
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