熱戦 こだわりの味を求めて! Story【白猫テニス】
ストーリーまとめ
2017/07/10 ~ 07/21 |
目次
主な登場人物
ネモ アルゴノート号の補給に立ち寄ったリゾート地で、束の間の休息をとる艦長。 カレー作りにこだわりを持つ一面も。 | |
カモメ 帝国海軍に所属する少女。 海軍自慢のカレーを振る舞ったりテニスで汗を流したりと休暇を満喫中。 |
story1
――物資の調達は、これで終わりか。
あとはクルーのみんなが運んでくれるのです。
あら、ネモさんにノアさん! こんにちは♪
お前たちか。妙なところで会うな。なぜここに?
こんなキレイな島だもの。リゾート! テニス! ……で夏を満喫よ!
ノアたちは、補給で上陸なのです。
そうだ。お二人とも、夕飯はこれからですか?
今夜はみんなでカレーパーティーやるの。よかったら来ない?
それは楽しそうなのです。ネモ、今夜はカレーなのです♪
カレーか……そうだな。食事だけやっかいになるか。
おっけー! キャンプ場にみんなあつまってるから。行きましょ!
***
盛況だな。
テニスもできるのです♪
みなさーん、お待たせしましたーっ!!
カレーを作るための鍋を持参したであります!
ごくろう! これで取り掛かれるわね!
我が帝国海軍の基地より借り受けてきました。
帝国の軍人か……
あ、はじめまして! 帝国海軍中尉、カモメ・ナルミであります!
これで、全員分のカレーをいちどに作ることができます♪
カレーならお任せあれです! 我が艦の海軍カレーは世界一ですよ!
(……ピクッ)
カレーと海軍って、何か関係があるんですか?
はい、それはですね……!
伝統のようなものだ。決まった周期で食事にカレーが出る。
! よくご存知ですね。航海中にも暦の感覚を失わないため、とも言われてます!
それで艦ごとに伝わる自慢のカレーがあったりするんです!
へぇ~、そうなんだ。
では、さっそく始めましょう! まずは下ごしらえです!
「あ、手伝うね。なんでも言って。
「どんなカレーかな? 楽しみ♪
さあ、みんなも手伝うのよ!
手が空いたらゴハンに向けて、テニスでお腹をへらしましょ!
***
ナ~ルナルナル、ナル~ミ~♪
ちょっとネモ! 見てるだけなら手伝って!
そうだな。
(帝国海軍のカレーがどんなものか、ひとつ見せてもらうとするか……)
story2
Aおう、米は研いだぜ。ふつうに炊いていいんだな?
はい! 少しかためにお願いします!
Aまかせろ!
ネモ。ニンジンむけたのです。
いいぞ。大きなザルに分けて、空いたボウル1つと一緒にしておいてくれ。
わかったのです。
……ネモさん、大量の食材を扱うのに慣れてるみたいでありますね?
そうでもない。
海軍とカレーの関係にも詳しいようでしたし……
ひょっとして、ネモさんも軍の方でありますか?
肩書きはいろいろあるが……今、そこに軍人というのはないな。
軍歴ならある、と。
どうかな。
(何か、言えない事情でもあるのでしょうか?)
……あっ! そうじゃなくて、野菜はくし切りでお願いします!
あと、そんなに小さくは切らずに……!
ずけずけとものをいう奴だ。
あ、すみません……でも我々のカレーは……
そのカレーへのこだわりよう。いかにも海軍の者だな。
わかっていただけますか♪
確信しました。やはりネモさんは、どこかの海軍に……!
…………
とにかく。具は小さく、ルーに馴染むようにすべきだろう。
具の野菜はゴロゴロ感を残してませんと!
彩りと食感の変化、満腹感が違います! 海の男なら断然こうです!
(……ピクッ)
***
……下ごしらえ完了です! 具を炒めていきましょう♪
待て。タマネギを半分残してあるのはなぜだ?
半分だけ焼き色がつくくらいに炒めて、あとは途中で入れていくんです。
なんだと? 最初にキツネ色になるまでじっくり炒めるんじゃないのか……!?
……あっちは、はかどってるかしら?
ネモさんも入ってくれて、大助かりね♪
それはない!!
それはないです!!
え、なになに、どうしたの!?
これは白黒つける必要があるな……コートに入れ!
望むところです!
どういうことよこれー!?
story3 スパイスのこだわり
……なんだかわかんないけど、試合が終わったわ。
……フーッ。
ハァ、ハァ……
そしてまた、カレー作りに……
…………
…………
なんなの! なんだったのよアレ!
今のは、お互いのこだわりを賭けた戦いだ。
どういうことですか?
Kささいな作り方の違いでね。どっちも退かないもんだから。
ホントに!? ネモなんていっつも冷静だし、カモメは至って素直なコよ?
まさかカレーでそんなことになるなんて……
カレーだからこそ、なるのかも……!
そ、そうなの?
とにかく、最高に美味しいカレーに仕上げます!
当然だ。カレー粉は?
あ、それならですね……
わー! いろんな匂い、いろんな色がありますね! カラフルフルフル~♪
このガッっと赤い粉は何ですか? こっちのホロッっとした緑は? フエンって香りがします!
あ、それはレッドペッパーです。そっちの薄い緑のはカルダモン……
……あ、きれいな黄色さん! 匂いはモクッと土みたい!
ターメリックだ。カレーの色のもとだな。
……あ、あ、あ! きました! あたしちょっと描きます! 描くのです~!
今のはいったい……?
なるほど、自分でスパイスからカレー粉作りか。感心だな。
計量を手伝おう。どんな構成にするんだ?
***
……ですから!
とろみは小麦粉でつけるから、コリアンダーはいいんです!
それは香りづけの効果を無視するということか?
……コートに入れ!
望むところです!
……また!?
別でスープを煮出して具材に加えるんです! ……ここは勝負です!
いいだろう!
少量でもデミグラスソースは絶対だ! ……コートに入れ!
望むところです!
もー! ホントなんなのー!?
story4 ヒミツの隠し味
とおっ!
セッ!
……ったくもー。ことあるごとに勝負なんかしてからに。
それだけ、ゆずれないってことなのね……
カレーのこだわりならば、私にもあるぞ。
ちょっと!?
隠し味に漆黒のウスターソースを投入する権利を求め……
ここは私も参戦しよう!
あのね、なに勝手なことを……
カレーの隠し味だって? ならコーヒー牛乳だ!
じゃじゃーん♪ このチョコを隠し味に入れるのだ~!
副神漬けの汁が余ったわ。入れると美味しいわよ♪
そういうことなら、この薬草、試してみてほしいんだけど。
みなさん、そんな……ここは無難にヨーグルトで……
ならば我が家の(悪魔のタレ)を入れない手はないな!
なんだ。何が起こっている?
ど、どうしたんですかみなさん!?
試合して勝った者が、カレーに好きなものを入れられるのだろう?
誰がそんなことを……!
俺たちにも……いや、誰にもあるのさ。
染みついたカレーへのこだわりってやつわな!!
ああ……これじゃ自慢の海軍カレーが……
だが、あいつの言うとおりだ。
ネモさん?
誰にも、こだわりはある。ことカレーに関してはな。
それは、たしかに……! でも、せっかくここまで……!
冷静になれ。
カレーを守りたければ、戦って勝て。俺とそうしたように。
!!
わかりました、ネモさん……それしか、ないんですね!!
やってみろ、帝国軍中尉どの。
はい!!
誰か俺と勝負だ! 俺が勝ったらコーヒー牛乳を投入だ!
よかろう。乗ったぞ、その勝負!
……で!? アタシたちはどう見てればいいのコレ!?
そうね、とりあえず……お鍋の火加減を見てようか……
story5 煮込まれるもの
Tずいぶんかかってるなあ、カレー。どうしたんだろ?
シロップ漬けの洋ナシを、つぶして入れるといいでござるよ!
S一族秘伝のゴロフニャ草の粉を入れると美味しいよ~♪
白ワインを少々足そう。まろやかになる。
いや、ワインを入れるなら赤だろう……
白だ。
赤。
……言い合ってる間に、全部入れてしまったぞ。
アルコール分はすぶにとぶから大丈夫だ! 安心してくれ!
なあ、ナッツ入れねーの?
なんだそれは。
ないな。
え、ウソ! マジで!? けっこう合うぜ!?
自慢の……美味しいカレーを!
……くっ!
***
なんだか、すごいことになっちゃってるんじゃ……?
あ~あ~あ~あ~……
……あの、みなさん、そろそろ……
いいかげんにしなさい!!!
あなたたちは何? いい大人まで一緒になっていつまでも!
ティナちゃん……!
そ、そうだな……見苦しいところを見せてしまった。
デゾレでござる……
ついつい熱くなっちまったな。
私はとにかく早く食べたいんだから!
アンタはアンタで怒った理由はそれなのね。
……で、そのカレーは今、どうなっている?
……何がどれだけ放り込まれたか、誰かわかるか?
いねえだろそんなやつ。
そ、そ……そんなぁ……!!
我が海軍カレーが……最高のカレーになるはずが……
どうにもならないこともある。時にカレーですらな……
story6 実食!!
さて、煮込みはじゅうぶん……
Tできたんですね♪
A米もバッチリ炊けてるぜ!
完成なのです♪
できた、はいいけど……
……誰か、味見をしないとね?
誰がだよ? どうなってるかわかんねーぞこのカレー。
ナッツとか干しブドウとか、おもしろいことを言ってた者が行けばいい。
干しブドウは俺じゃねえって!
Sん? アリだろう干しブドウ。
T……あれ? みんな食べないの?
ラチがあかないわね。
あああ~……最高の……カレー……
……! 主人公!?
行くの!?
……もしかして。
美味しいの? そんなに!?
……まさか!
……………………これは!!
ネモさん?
試してみろ。
……ふあああ……! この味……!!
おいマジか? ……俺も! 俺も食う食う!
Aおお、こりゃいいな!
ほんとね♪ すごく美味しい!
すごく意外だけど……これはいけるわ~♪
美味しいのです。ネモもはやくお皿を持ってくるのです♪
あの混沌から、あの味が生まれるとはな。
私、自分のカレーにこだわりすぎていたのかもしれません。
こだわりは重要だ。だが……
どんなこだわりも取り込んで味を出せるのがカレー、なのかもな。
海を往く者が寄り辺とする食い物だ。
……はい!
では、私たちもいただきましょう! 私がよそいます!
そうだな。頼むか。
***
……待て。お前皿全体にライスを盛って、どうするつもりだ。
え? どうって……こうやってカレーをどばーって……
全がけ……ここに至ってこんなふざけた目にあうとはな。
え! ネモさん、まさか半盛り半がけ派……? それはないのであります!
……コートに入れ!
望むところです!
最終話 終わらない戦い
A……肉が私を呼んでいる。
Rあら、いいじゃない!
材料もたくさんあるし、バーベキューなんていいかも。
野菜もしっかり食べないとね♪
Aふむ――
――究極のバーベキューを始めるとしよう!
その他
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