【白猫】ティナ(バレンタイン)・思い出
ティナ・トピア cv. 最強の血を受け継ぐ少女。 食費を稼ぐため、島の調査の依頼を受ける。 チョコ作りに自信はないが、カカオを割るのは得意。 |
2020/02/14
メインストーリー
思い出
<情愛の島・アマゾーナを舞台に繰り広げられたほろ苦い騒動から、少しだけ後のこと――>
みなさーん、おじゃましまーす。
あら、ティナじゃない?やっほー。
やっほー、キャトラちゃん。
……きゃっ!?なんかビリってきた!
あらら、静電気かしらね。まだまだ寒いし。
いらっしゃい、ティナちゃん。
こんにちは♪アイリスさんも主人公さんも、こんにちはー♪
こないだは、お仕事代わりに引き受けてくれてありがとね。助かったわ♪
もー、ほんとだよー。大変だったんだからー。
お仕事はちゃんと考えて引き受けなくちゃだめだよー?契約のふりこーは信用問題に繋がるって、ヴィンセントさんも言ってたし。
反省してるったら~。まったく、日に日にしっかりしていくわねぇ、アンタは。
えへへ、成長期だからね♪
それで、今日はどうしたの?
うん……実はね、お願いがあって。
お願い?
えっと、チョコをね……手作りしたいんです。
なるほど。世間はバレンタインだものねぇ。
……あー、わかっちゃった♪もしかして、気になる男の子ができたのね?
なわけないじゃん?男の子のこととか恋愛とか、ぜんぜんわかんないし。
そうじゃなくて、ヴィンセントさんやブラッドおじさん、ファルファラさんにあげるやつだよ。
なーんだ。つまーんないのー。
でも私、今までかんたんなチョコしか作ったことなくてさ。
それで、せっかくだからお洒落なチョコも作ってみたいなって思って。手伝ってもらえないかと……
この間のお礼もかねて、私たちでよければ全力でサポートするよ♪
やったっ!ありがとうございますっ♪
でも急にどうしたの?チョコを手作りしたいだなんて。
この間、アマゾーナでね、恋が実る瞬間を見ちゃったんだぁ。
チョコを贈った人も、受け取った人も、すごく幸せそうで、嬉しそうだった。
それで、胸の奥がどきどきして、ぽかぽかって温かくなって、いいなーって思って……
それで私も、いつもお世話になってる人に、素敵なチョコで気持ちを伝えたいなって思ったの。
それじゃあ、がんばって美味しいチョコを作って、みんなに喜んでもらおっか。
はい、よろしくお願いします!!
思い出2
ふむふむ……
どう、ティナちゃん?どんなチョコを作りたいか決まった?
まだです~……こうしてレシピ本見てても、ぜんぶ素敵で、目移りしちゃって。
わぁ、お花のチョコだぁ……こっちのは果物にホワイトチョコで絵が描いてある!
スプーンチョコっていうのもあるんだ~……カラフルでかわいい♪
ふふ、焦らないで、ゆっくり決めていいからね。
はいっ!
それにしても、大丈夫かしらね~?
なにが?
さっきから、アンタが作りたいって言ってるチョコ、みんな装飾が細かいやつばっかじゃない?
うん!こんな綺麗なチョコを贈ったら、きっと喜んでもらえるよね!
大ざっぱなティナに、こんなの作れるのかしら~ん?
お、大ざっぱなんかじゃないよー!
お裁縫すれば針を折りーの、野菜の飾り切りをすればヘンテコな形になりーの。そんなアンタが~?
で、できるもん!……がんばれば、たぶん!
もう、キャトラったら……
もう、キャトラちゃんのいじわる。
ゴメンゴメン、うそうそ♪
……ほんとに~?
……よくよく考えると、アンタが細かいこと苦手なのは本当だから、うそじゃないわね。
むぅー!ちゃんと綺麗なチョコ作って、ぎゃふんってさせちゃうんだから!
ふふ、気合い入ってるわね。マ、がんばんなさいな♪
お邪魔します、皆さま方。
あら、ヴィンセントじゃない。やっほー!
え、ヴィンセントさん……?なんでいるの!?
ティナちゅわぁぁぉぉおん!
ギルドのお仕事がー段落したから、ご挨拶に寄ってみたらバッタリ……これはきっと……ウ・ン・メ・イ・ね♪
そ、そうだね……
あら?なに読んでるのかしら~?
え、う、ううん……!別になんでも……!
(……いけない!ティナちゃんがチョコを作ろうとしてるの、ヴィンセントさんにばれちゃう……!)
ヴィ、ヴィンセントさん!こっちこないで……!
はぁぁぅぅッ!?――なぜ。なぜなのティナちゅわん!?あたし何か嫌われることをォン!?
ほ……ほ……
……っ!だめよヴィンセント!離れなさ――
星になれーーー!!!
ひっさしぶりいいイイ~~ン♪♪
<――ヴィンセントは、青空に淡く輝く星になった。>
……こーやってすぐぶっ飛ばすところが大ざっぱなのよ、アンタ。
うぅ……
思い出3
お買い物、ぶじ完了です!
ふふ♪あとはチョコを作るだけだね。
はい、よろしくお願いします、アイリスさん♪
……にしてもアンタ。
ん?
いつものこととはいえ、なにもヴィンセントのことぶっ飛ばすことなかったんじゃない?
知られよーが知られまいが、アンタがチョコくれるってだけで狂喜乱舞するわよ、アイツ。
ふふ。もう~、キャトラちゃんはバレンタインをわかってないなー?
そのこころは?
バレンタインにー番大切なのは、ときめきなんだよ?
ときめき。
そ。そして、ときめきを生むのはサプライズ!なんでもない用事で相手を呼び出して、どきどきさせるっていうシチュエーションが大事なの。
だから、チョコをあげるって知られちゃうのは、ぜったいにダメなんだよ。
知ったよーなことをのたまってからに。
えへへ。勉強したんだ。
きっと喜んでもらえるよ。がんばろう?
はい!それじゃ、
さっそく調理を――
よーっす、ココにいたんだな。邪魔するぜ!
行儀悪いわよブラッド。こんにちは、みんな♪
ブラッドおじさんに……ファルファラさん……!?
お、ティナもいたのか!
あら。奇遇ね、ティナちゃん♪
お二人とも、こんにちは。……えぇと……?
さっきちょうど、ギルドから受けた討伐依頼が済んだトコでよ!
思ったより早く終わったから、寄ってみたんだけど……迷惑だったかしら?
そんなことは、ないんだけど、サ。
その食材……もしかして、メシ作るとこだったか?
悪ィけど、ちっと相伴に預かってもいいか?ハラ減っちまってよォ!
あ、う……えっと……
皿並べくらいなら手伝えるしよ!どうだっ?
――――!
(ファルファラさんの目が……!)
(状況を察したわね……!)
……ねえブラッド。久しぶりに飛行島に来たし、ちょっとー緒にお散歩しない?
あァ?なんでだよ?俺はハラ減って――
い・い・か・ら♪
いってェよ!痛ェ!ルーンライフルの銃口でケツ突っつくなよ!!
突っつかれたくなかったらおとなしく付き合いなさい……!
いでででで!!
はぁぁ~……よかったぁ~……
(さすがファルファラさん……!)
思い出4
まったくもう……!なんで今日に限って、みんなして……!
めぐり合わせってやつよ。諦めなさいな。
それにしたって、タイミング悪すぎだよ~!
でも、みんな飛行島にいるなら出来たてのチョコを渡せるね。
……はい。もうこうなったら、すっごい美味しいチョコ作ってみんなを驚かせちゃいます!
うん、その意気だよ!
ふふ、えらく気合い入ってるわね!
うん、だって年にー度のバレンタインだもん!
それに……
ヴィンセントさんも、ブラッドおじさんも、ファルファラさんも……
……私にとっては、お父さんやお母さんと同じくらい、大切な家族だから……
だからたくさん、喜んでほしいんだ。
……もう。あんたって子は……
それじゃ、始めようか。これから作るのは、ガトーショコラよ。
しっかりていねいにやれば失敗もしにくいし、飾り付けもしやすいわ♪
はいっ……!ビシバシお願いします!
ふぁいとー!
まずはチョコレートを刻んで……あ、ティナちゃん!もっとちゃんと細かく……
う~~……包丁だと焦れったい~……ゲンコツじゃだめですか?
ダメに決まってんでしょ!!
卵を黄身と白身に分けて……
あ、またカラが混ざっちゃった!上手に割れないよぅ~……
もっと優しく割ってあげて?
卵黄とお砂糖をボウルに入れてよく混ぜて、人肌くらいまで湯せんで温めるの。
わかりました!えいっ!えいっ!!
ぎにゃー!もっと優しく混ぜて!飛び散りまくってるのよ!
力加減が難しいよぅ~……!うぅ~~~……!
それに湯せんって、ぜんぜんあったまらないよ。直接火にかけちゃだめなのかな?
やっぱアンタ大ざっぱだわ。
思い出5
<細かい作業が苦手なティナは――>
次はメレング作りですね!卵白にお砂糖を混ぜてっと……
あ、ー気に入れちゃだめだよ!小分けにしないと……!
<繊細さが要求されるお菓子作りに四苦八苦しながらも――>
生地、焼き上がりました!
それじゃあ、焼き上がった生地に、粉砂糖をふって……
わかりました!えい!
かけすぎじゃ!お砂糖山盛りになってるわよ!!
<アイリスの協力のもろ、どうにかこうにか――>
生地の上に、クリームで似顔絵を描くのね!
手がぷるぷるする~……って、わー!また失敗しちゃった……!
大丈夫、そっとクリームを拭き取れば……!
で、で……
できたー!
や、やったね……ティナちゃん……!
おつかれ、アイリス。
ううん、がんばったのはティナちゃんだから。
いえ、アイリスさんたちのおかげです。本当にありがとうございました!
ちょっといびつだけど、なかなか美味しそうじゃない♪
ありがとう!キャトラちゃんたちの分も、このあとちゃんと作るからね♪
やったー!
それじゃあ、あとは綺麗にラッピングするだけだね♪
はい!箱とリボン、とってきます♪
<ティナのひじに何かが当たって床に落ちた……!>
って、きゃー!?
薄力粉が……!
ぎにゃー!前が見えなーい!!
わ、私も……!あ、この感触はキャトラちゃん!
あ、静電気……
<>
きゃあーーーーーーー!?
ぎにゃーーーーーーー!?
……えらい目にあったわ。
宙に舞った薄力粉に、静電気が引火したんだね……
……ごめんなさい……
アンタは悪くないでしょーが。
うん。それに怪我した人もいないし、火事にもなってないから……
でも……せっかく作ったチョコが……
……バラバラの黒コゲね。
……がんばったのに……
思い出6
なんだ今の爆発音はァ!どこの組のモンだコラァ!?
ティナちゅわんと飛行島の皆さまに出入り仕掛けるたァ、よっぽど命がいらねえらしいな!?
みんな、大丈夫!?
あ、集まってきちゃった……
えっと、これ……どういう状況?
……実は……
なるほど。俺たちにバレンタインのチョコを、ねェ……
んもォォォオ~~ン!!なんって優しいのかしらァ~!粉塵爆発の野郎、許さねぇ。
現象に怒ってどうする。
……でも、ぜんぶ台無しになっちゃった。
……ごめんなさい。
ルーンの光……
相変わらず、あったかい光だ。ポジティブになれらァな。
ああ、吹っ飛んじまったモンは仕方ねェさ。
――そんじゃよ、今度は俺ら全員でチョコ作ってみるか!
ったく、ブラッド。オメーが菓子作りなんてゾッとしねえぜ?砂糖と塩の区別つくのかよ?
うっせーよニイさん。そういう時のためのファルファラだろ?
いや、砂糖と塩の区別くらいつけてほしいんだけど……
で、でも材料もぜんぶ、吹っ飛んじゃったし……
大丈夫よ、ティナちゃん。ほら♪
それは……チョコレートの材料ですか?
なんで都合よく、そんなの持ってるのよ?
あ~~~~……実はよ……
今日、私たちが飛行島に集まったのって、ティナちゃんやみんなにあげるためのチョコを作るためだったのよ。
ええ~~~!?
俺は店売りのチョコの方がいいんじゃねェか、つつったんだけどな。
手作りの方が、心がこもるでしょ♪
あたしたちがぁ、こうして今もー緒にいられるのはぁ、ティナちゅわんやみんなのおかげだもの~。
――大人として、お礼くらいさせて頂いてもバチは当たりませんでしょう?
そういうこった。内緒にしてて、悪かったな。
ブラッドおじさん……ヴィンセントさん……ファルファラさん……
だから、ティナちゃんもー緒に作りましょう♪アイリスちゃん、お台所借りてもいいかしら?
はい、もちろんです♪まずは急いで片付けましょう♪
俺らは材料ぜんぶ開けるか!主人公、手伝えよ!
こらー!ぜんぶー気に開けたらごちゃごちゃするでしょ!
…………
ほらティナちゃん。ー緒にチョコ、作りましょ?
ヴィンセントさん……
サプライズも素敵だけど――
こうして家族みんなで騒ぐバレンタインだって、素敵だと思わない?
――――うんっ!!
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