【白猫】トルチェ・思い出
浜辺のカメちゃん トルチェ・スルス cv.久保エリカ 幼い亀の人魚。 陸上ではのろまだが、海中を飛ぶように遊泳する。 |
メインストーリー
思い出1
いい天気ね~♪こんな日は、飛行島から降りて浜辺を散歩するにかぎるわ~♪
そうね♪
な~んて、わざとらしいことを言つてみたところで――ややっ!
――あそこ! ケンカかしら!
ううん、一人が集団に囲まれているみたいよ!
なんてこと! よくないわ!コラーッ!
ああん? なんだこの猫?
猫だがなによ!なにしてんのアンタたち!
邪魔すんじゃねえよ。オレたちは、コイツをいじめるので忙しいんだよ。
いじめ! ますますもって聞き捨てならないわ!
な、なんだよ、関係ねえだろ……
見過ごせないわよ!そんなこといますぐおやめなさい! さもないと……
さ、さもないと……?
噛むわよ!
お、おめえみてえなチビネコに噛まれたとこで……
アタシだけじゃないわ!この二人も噛むわよ!
なっ……!?
おい……なんかやべえぞ……
に、逃げろー!
ふんとにもう!最近の治安ってどうなのかしら!
あの、大丈夫ですか?……あ、あなたは。
ありがとうございますぅ。
トルチェじゃない。どうしてこんなところでいじめられてたのよ?
……うち、亀やねんからなぁ……
思い出2
さあ戻ってきたわ。ここが飛行島よ、トルチェ。
ひゃあ……!
高いところ怖い?
わ、わからんねんけど、足がガクガクするでぇ……
……シュシュと一緒に空飛んだときは、こないなことなかったんやけど……
ここには、トルチエちゃんをいじめる人なんていないわよ♪
ほわぁ……! 極楽やでぇ……!
そういやなんでいじめられてたの?つまみ食いでもしたの?
何を言うてまんねん。うちは歩いてただけやで。
したら、なんでか、『トロトロ歩いてるのが無性に腹が立つ』とかで、急にからまれたねん。
なによそれ。いいじゃないねえ。ひとにはひとのペースってもんがあるんだからさ。
そのとおりでまんねん。
……その、ちょいちょい語尾に『まんねん』ってつけてるのはなに?
多少無理してまんねん。
無理してるんかい。ならやめちゃいなさいよ。
そうもいかへんねん。亀は長寿の象徴やねんからなー。
縁起がいいからまんねんなのね?
そうでまんねん。イッシッシ。
……なら、あんまりヤイヤイ言うのはやめるけど……なんか、煮え切らないヤツね、アンタってば……
まあまあ、キャトラ。そういえばトルチェちゃん、自分のことを亀って……?
うちは亀でんねん。亀の人魚でんねん。
……亀って魚なの?
細かいことはええねんよ。おとうちゃんは亀やないしなー。
なんなのよそのみょうちくりんな種族は……
人魚は長寿の一族やねんけど、うちは見たまんまの子供やねん。
おとうちゃんの言いつけで、陸の世界にやってきたやでー。
ふーん、たいへんねぇ。そんなちびっこなアンタは、普段なにして暮らしてるの?
イッシッシ。驚いたらあかんで。うち、希少動物を保護する仕事をしてまんねん。
希少動物の保護?
そうでんねん。世の中には、絶滅寸前の動物がたくさんおりまんねん。
うちは<海のトルチェ>として海中を調査して、個体数の減った魚なんかを保護してあげてまんねん。
へえ~。ちびっこいのに、立派な仕事やってるのね~。
どうしてそのお仕事をしようと思ったの?
助けられたんやー。こないだみたく、いじめられてたとこを。
そんで感激して、その恩人についていくことにしたんやでー。
その人のお仕事を手伝ってるんやー。
なるほどねぇ~……
(じゃあ、トルチェちゃんも希少動物なのかな……?)
よくいじめられるのねぇ、アンタ。
自分でもわからへんねん。悩んでまんねん。
そうねえ……きっと、もっと成長すればいじめられなくなるわよ。
はいでまんねん!
思い出3
あら、トルチェがいるわ。
ふんふ~ん……♪
お散歩中かしら?楽しそうに歩いてるね。
……ちょっと様子を見守ってみましょう。
まんねまんね~ん……♪まんねんまんね~ん。まんねん……まんねん……
……ずいぶんゆっくりね。
それは、お散歩だから……
それにしてもゆっくりすぎるわよ。――ほらっ!
あや~~~?
かたつむりに抜かされたわっ!
そ、それは……!そんな日も、あるわよ……
あ。…………
立ち止まっちゃった……?
…………
どうしたのかしら……?
……………………
――へぷちん!
あー、むずむずしたでェ……
ちりがみは……もっとらへんなぁ……
まあええわ。ずずずーっ。
ハナくらいちゃんとかみなさーいっ!
あわぁっ!?急になんでんねん!?……ずずずー。
ほら、言ったそばから!それになんなのよじれったいわね!もっとサクサク歩きなさいよ!
これがうちのベースやねん。キャトラもこないだ言ってたやんかー。
限度ってものがあるわ!そんな調子じゃ日が暮れちゃうでしょ!
たしかに、夜になったら歩きづらいねんなぁ……悩みどころでんねん……
悩んでないで、すっすっと歩けばいいのよ!
あわ~……キャトラがいじめるでまんねん……
キャトラ?
ご、ごめん。そんなつもりはないわ。そんなつもりはないんだけど……
トルチェを見てると、なんだかじれてきちゃって……
う~ん……
……うちが悪いでんねん……ドジでのろまな亀やから……もういいでまんねん……
……カメ~……
もう! アタシが悪かったけど、アンタももっとこう、なんていうか……
はき! 覇気を出しなさいよ!
覇気ないカメ~……
も~~~……!
思い出4
トルチェが思った以上にひきずるから、こうして浜辺にやってきたのよ。
……ひきずってないカメ~……
(トルチェちゃん、落ち込むと語尾が変わるんだ……)
ほら、トルチェ。浜辺は好きなんでしょ?気が済むまで散歩しましょう。
……またノロいって言われるカメ……
ううん、もう言わないからさ。ほらほら♪
***
……っふーっ! っふーっ!
キャトラ、どこへ行ってたの?
戦ってたのよ!今日は……勝ったわ!
うん……よかったね……
さっきまでそのあたりに――ああっ!?
いじめないでカメ~……
またいじめられてるわ!
ちょっと目を離したスキに!しょうがないわね!
もがー!いまのアタシは無敵なのよー!
トルチェちゃん、大丈夫?
………………二度も助けていただいて。
気にしなくていいわよ。アタシが勝手に暴れただけなんだからさ。
そうもいかへんねん。お礼をさせて欲しいでんねん。
お礼?
実はこの浜から、うちの実家はすぐそこでんねん。みんなをご招待させて欲しいでまんねんよー。
あら♪ いいわよ。でも……人魚の実家ってことは……?
イッシッシ。ご心配には及ぴまへんねん。<呼吸のルーン>を持ってまんねん。
ずいぶん用意がいいのね。
うちもやるときはやりまんねん。
ふふふ♪それなら、お呼ばれしましょうか?
ではみんな!行くでまんねーん!
思い出5
到着でまんねーん♪
……はぁ……はぁ……!トルチェ……アンタ……!
泳ぎは速いのね!?ついていくのがやっとだったわ!
猫なのについてきたキャトラの方がすごい思うでー。
アタシは猫かき出来るからね。それに今日は無敵モードに入ってたし。
(無敵モード……!?)
ただいまでんねーん!おとうちゃーん!トルチェ帰ってきたー!
おかえりトルチェちゃーん!でもごめん、お客さんが来ててー!
うちもお客さん連れてきたー!
空いたらすぐ行くから、お手伝いさんたちと先に宴をひらいててー!
はーい!
アンタんち、お金持ちなのねえ。
人魚には多いねん。
お客さんってよく来るの?こんな海中に?
……あ、向こうのふすま、ちょっと開いてる……
キャトラ?
……うん。超なんでもないわ。
じゃあさっそく、おもてなしするでー。
主人公たちはとても豪華な宴でもてなされた。
人魚ダンサーたちは舞い踊り、新鮮な海の幸の昧は筆舌に尽くし難かった。
夢のような宴会は一晩中続いた。トルチェの父にも無事、あいさつを済ませることが出来た。
そして翌日、主人公たちは後ろ髪引かれながら陸へと帰ってきたのだった……
いや~、ありがとうね、トルチェ。いい経験をしたわ。
構わへんねん。感謝の気持ちでんねんよー。
お土産までもらっちゃって……この箱の中身はなにかしら?
たぶん、食べきれなかったごちそうとちゃうかなー。
ほっほー!力二カマ祭り再開催だわー!
おい見ろよ、猫がなんか持ってるぞ。
まさに猫に小判ってか。いただいちまおうぜ。
ムムッ、性懲りもなく!アンタたちていとなんか――
ほいっと。
アレッ!?あっさり奪われたわ!?
……そうか……!今日のアタシは、無敵モードの逆なんだわ!
あーばよーう!
そ、そんな……!みんなへのお土産やのに……!
……主人公。
……え?……そっか。そうよね……!
うちとおとうちゃんからの、心を込めたお土産やのに……
うぅ……うぅぅぅぅ……
……トルチェちゃん……!
……ダメだカメ……怖いカメェ……
……!
思い出6 (友情覚醒)
――。
この光……!うちの背中を押してくれまんねんな……!
……やったるねん!ちょっと、そこのひとら!
ああ?
そのお土産を、返すんや!
お土産? この箱のことか?
へえ、もらってよかったな~。
返せって言うとるやろ!
誰が返すかよ、バ~力。
……ぐぬぬぬぬ……!
これはな、猫が持ってても意味なんかねーの。
そうそう、俺たち、それを役に立ててやろうってんだから。
むしろ、感謝してほしーよなあ?
ぎゃははははは……!
………………ええかげんに……
……ん?
せんかボケェエエエエ!
ヒッ!?
アギャーーーーーー!!!
……アンタって、強かったんだ……
恥ずかしい……キレてもーたねん……
おとうちゃんにも、きつーく言われてたんやけど……
ううん、いいのよ。幸い、ごろつきたちも逃げてったし。
なにより、アタシのためにがんばってくれたのが嬉しかったわ♪
私からもお礼を言わせて。ありがとね、トルチェちゃん♪
み、みんな……!こちらこそ……!嬉しいでまんねん!
めでたしめでたしっと♪じゃあ、奪われないうちに、食べちゃいましょうかね♪
もう、キャトラったら♪
ほっほー!箱を開けたら、そこはカニカマの酒池にくり――!?
きゃ、キャトラっ!?
お、お土産を、間違ーたわー!
いまのは、昔っから伝わる、歳をとってまうびっくり箱やー!
と、歳を!?キャトラ、キャトラっ!!!
………………あむ……
キャトラが、年老いちゃった……!
す、すまへん……いたずらやから、一晩で元に戻るねんけど……
そのくらいのアレなら!主人公!
…………
よかった、元に戻った……!
トルチェ……
は、はいでまんねん……
ぎにゃー!
ひいー!
なにやってんのよアンタはー!
ドジしてごめんでまんねんよー!
許すけどもー! もー!びっくりしたじゃないのよさー!
ぎにゃー!
……なにはともあれ、トルチエちゃん、ちょっとだけ勇気もついたし。
めでたしめでたし! よね!
――!(アイリスが話を戻して〆た……!)
海のトルチェ トルチェ・スルス
その他