【白猫】チハヤ・思い出
2017/11/30
神将降臨IXAビート
チハヤ・クサナギ CV:近藤唯 <軍神の島>の総大将。 軍神クリカラをその身に宿すことができる。 |
思い出1
<武神の島>と<軍神の島>による、シナトベの地をめぐる争い……
その長く熾烈な戦いに終止符が打たれてからしばらくしたある日。
<軍神>と呼ばれる女傑が、飛行島にやってきた!
みな様、お邪魔いたします。
チハヤさん、いらっしゃいませ♪
シナトベでは、色々と大変たったわね?
ええ。ですが、長かった戦は終わりを告げました。ようやくあの島にも平和が訪れたのです。
しかし、平和とは時に儚いもの。……祈りましょう。泰平が、少しでも続くように……
そうですね……
ねーねーチハヤ。アンタって、<軍神の島>の君主なんだったわね?
はい。……そういえば、詳しく話す時間もありませんでしたね。
実は私、君主になるなんてこれっぽっちも思ってなかったんですよ。
そうなの?
<軍神の島>は、今では大小多くの島を統治下に置いています。
私は、文武に長けた一族のもとに生まれました。幼い頃から弓や剣の腕を磨き、戦の歴史を知り、多くの兵法を学びました。
ですから当然、戦にも数多く出陣したのですが……
うん。
いつの間にやら、君主になっていたんです……
すごいはしょったわね!
つまり、戦いでたくさんの功績を上げ、認められていった、と。
功績だなんて、そんな……私はただ、自分なりに出来ることを考えて、実行していただけです。
それに、私なんかよりも家臣たちの方がよっぽど優秀で。彼らに何度助けられたことか……
でも、たくさんの島をまとめあげるってのは、中々できるもんじゃないわよ。
そ、そうですかね……
なんというか……人の上に立つって、すごく恥ずかしいですよね……なにかと目立ちますし……
いまだに、家来たちの前でアワアワしちゃうこともあったりして……
――あぁっ!思い出したらまた恥ずかしくなってきましたっ……!
……でもですね。君主としての責任は、最後まできちんと果たすつもりです。
戦乱の世で、私にしか出来ないことが、きっとあるはず……
私たちにお手伝いできることがあったら、なんでも言ってくださいね。
ありがとうございます!
ともかく、飛行島にきたからには、ゆっくりしていきなさいな。
たたかいを忘れてすごすのも、たまには必要だと思うの。
そうですね~♪
<チハヤは、飛行島の空を眺めながら、琵琶をつまびく。>
はあ……ここは平和ですね~……
思い出2
<チハヤが楽器を弾いている――>
ぽろろ~ん……ぽろろ~ん……
いい音ね。
きゃっ!? い、いらしてたのですね……!
あ、もしかして、今の聞いてました……?
ぽろろ~ん♪
うぅぅぅ……油断しました……お恥ずかしい……
その楽器、なんというんでしたっけ?
これは<琵琶>といいます。
ギターに似てるわね?
そうですね、音が出る原理は一緒ですし。
幼いころから嗜んでいまして。はじめは中々弾けずに嫌になったりもしましたが……
いまでは、私の生きがいなんです。
そういえばシナトベの島でも、<武神の島>の方と一緒に演奏していましたね。
ええ……奇跡のようなセッションでした。とても熱くて、美しくて……
はああ……もう一度、一緒に演奏してみたいですねえ……
kミュー♪
クリカラ様。今日はおねぼうさんですねえ。
くりから? なあに、この子。
kミュ~?
まあ、かわいい♪
このお方こそ、島の守り神。軍神クリカラ様です。
kミュ。
守り神がいるのね。あ、だから<軍神の島>なんだ?
ええ。クリカラ様は島を守るため、古より人間に宿り、力をお与えになってきました。
いまはチハヤさんに?
はい、恐れ多くも……
実は、私か君主となったのは、クリカラ様に選ばれたからでもあるんです。
kミュミュ~。
たたかいで大活躍してたんなら、そりゃ選ばれるわよねえ。
いえ、それは恐らく違います。
では、どうして?
……クリカラ様、琵琶の音が大好きなんですよ。
kミュ~♪
特に、私のつまびく音をお気に召されたようで。
……それを聴きたいがために、ついてきちゃったんだと思います……
ずいぶんとカワイイ理由ね。そうなの? クリカラ。
kミュ。
<クリカラはこくんとうなずいた。>
いいのかしら?そんな選び方で……
昔っから、自由なお方ですから……
kミュ~ミュ~。
え!? い、今ですか!?みな様もいるというのに……
kミュミュミュ♪
恥ずかしいので、それはちょっと……
kミュ~……
思い出3
今日も平和ですねえ、クリカラ様~。
kミュ~。
……平和って、いいですねえ……
kミュ。ミュミュミュ~。
……そうですね。今なら誰も見ていませんし。
kミュー♪♪
うふふ。今日はですね、背面奏法を試してみようと思っていますよ。
よっこいしょっと。
<チハヤは琵琶を頭の後ろに回し、そのまま弾き始めた――!>
どうですクリカラ様?ショギョーはムジョーな感じ、出てます?
kミュミュ~~~♪
うふふふふ。ノってきました――
よ?
…………
すごい弾き方ね。
……は……
はぅわ~~~~~~~~~っ!
***
チハヤさん、落ち着きました?
ああ、穴があったら入りたい……恥ずかしすぎます……
殿方にまで見られるなんて……もうお嫁に行けません……
そこまで?たしかに変わった弾き方だけども、カッコよかったわよ?
ううぅぅぅ~……
どうしてあのような弾き方を?
……最初は、ちょっとしたおふざけだったんです。
それを、クリカラ様がたいそう気に入りまして……事あるごとにねたってくるようになったんです。
kミュ~♪
でも、アンタもわりとノリノリだったわよね。
うう……そうです……恥ずかしながら、私もけっこう気に入ってるんです……
奇抜な弾き方をすると、なぜか気持ちが高ぶってきまして……
他にはどんなのがあるの?見てみたいわ~。
だ、ダメです!みな様の前でそんなこと……!
そこをなんとか。
kミュ~ミュ~。
し、仕方がありませんね……そこまでおっしゃるのなら……
<歯吟>をお目にかけましょう……
<チハヤはバチを地面に置くと、琵琶を顔の前までもっていく。>
こ、これは……!?
<そしてなんと!
歯で弾き始めた――>
すごー!
kミュミュ~♪
……うう……恥ずかしい……恥ずかしいのに……
ノってきましたあぁーー!
kミュミュミュッ!!
ああっ!やってしまいました……!
チ、チハヤさん!?
えっとこれは、私がクリカラ様と一体になった姿でですね!
おたがいの気持ちが高まるとそうなっちゃうといいますかなんといいますか!
というか、クリカラ様の力をお借りするにはこのように奇抜に弾かないとダメで――!
ああ、私ったら何を言っているのでしょう!そして、とっても恥ずかしいです!
思い出4
みな様、私、ちょっとお出かけして参ります。
どこいくの?
シナトベの島です。戦の後始末が終わったそうで。
……やっと、弔うことができるんです。
……戦死した方々、ですね。
あの島で散っていった者たち……彼らの死が、私の心にずっと、澱のように溜まっていたんです。
敵味方は関係ありません。彼らは、自身が信ずるものの為に命を捧げました。
彼らが安らかに眠れるよう、祈りたいのです。
アタシたちはついて行かない方がいいのかしら?
……色々と、一人で考えてみたいこともあるのです。……申し訳ありません。
わかりました。お帰りを、お待ちしていますね。
はい。
***
<チハヤは、琵琶をつまぴきながら、かつての闘争の地を練り歩いた。>
彷徨える魂よ――
あなた方を分かつものは、もはや何もありません。業苦に苛まれず、邪念に蝕まれず、未来永劫、大地と一つになり――
醒めない安寧の中で、静かに眠ることができましょう。
人の世とは、真に儚いものですね。戦も平和も、全ては春の夜の夢のようです。
…………
……おや? あの音は……
ハァッ! セイヤッ!ドラドラドラドラッ!
ムラクモ殿。
……む? おお、チハヤか。奇遇だな。
こんな所で太鼓ですか?
弔い太鼓よ。この地で死んでいった者たちを、労っていた。
……お前も、そうらしいな?
ええ……
オレ達の争いは終わった。もはや、剣を交える理由はねえ。
そして、それは死者も同じ。敵味方関係なく、安らかに眠って欲しいのよ。
……同感です。
にしてもよお、チハヤ。なんつーか、儚いもんだよなあ。
あんだけうるさく争ってたのによ、今じゃこの有様だ。虫の声すら聞こえやしねえ。
死んだ奴らには悪いが……今となっては、何だったんだろうって思うぜ。オレたちの戦はよ。
……私たちは、きっと……
たまゆらの泰平の中に、見出したいんだと思います。
私たちが戦う理由。生きる理由。なぜ人は人と出会い、傷つけあうのか。
なぜ人は――人を愛するのか。
愛と来たか。いいねえチハヤちゃん。わっはっはっはっ!
ちょっ……!茶化さないでください!
すまねえ。……確かに、お前の言うとおりかもしれねぇなあ。
思い出5
なあ、チハヤ。一つ提案なんだがよ。
なんでしょうか?
セッション、しねえか?
あん時……島の争いを終わらせた時のように、もう一度。
…………
弔いだ。島の為に死んだ奴らは、オレ達の為に死んだ奴らでもある。
互いの大将が手を取り合って送ってやりゃあ、きっと嬉しいんじゃねえかな。
そうですね。私も同じことを考えていました。それに……
私、忘れられないんです。あの時の、奇跡のような音が……
オレもだ。
……捧げましょう。鎮魂の音楽を……
そうしてチハヤとムラクモは、互いに目配せをして――
探るように、合奏を始める。が、しかし……
…………
太鼓のリズムは定まらず、一方的に走り続け――
…………
琵琶のリフは、グルーヴとはほど遠いところで、悲しげにたゆたうだけ……
…………
久方ぶりに顔をあわせ、楽器を弾いたせいだったのか。
二人の音は、当初全くといっていいほどかみ合わなかった。
……が。
……くくく……
……ふふふ……
二人は、それを楽しんだ。
……よし、よし……!いいじゃねぇか……!
合わない音を、合わせる。心を一つに、音を一つに。
『死者を弔う』という共通の目的も、もちろんあった。
しかし、それ以上に……長きに渡って争ってきた好敵手同士だけがわかる、機知に富む駆け引き――
心情の機微の読み合いが、二人を、これでもかと高ぶらせたのだった!
……ノって、きましたあぁぁぁぁーー!
チハヤは地面に両ひざをつき、うずくまるように琵琶を弾く!
ソイヤッソイヤッソイヤッソイヤャァァァーーーッ!
対してムラクモは、力の限り太鼓を乱打――!
ファンキーな二人の音はそれでも、絶妙に絡み合い、空気を震わせ、鎮魂の音楽へと昇華されてゆく!
kミュミュミューッ!
…………
熱いな。
守り神と一体になった二人が奏でる激音と轟音は、かつての<奇跡>を、いま再び紡いでいった――!
思い出6 (友情覚醒)
戦場に散りし英霊たちよ、聴けぇぇぇい! これが<神鳴サウンド>よォォッ!
どうか安らかに眠ってくださーーーーい!
美しくも力強いフォームで太鼓を打ち続けるムラクモ。
対してチハヤは、腕を車輪のようにぐるぐると回しながら弾いたかと思えば――
ムラクモさんこそ!真のドラマーとは、あなたのことですっ!
魂の音楽は、二人が力尽きてしまうまで、かつての戦場に響き渡った――
***
……ねえ、チハヤ。アンタ、いつまで恥ずかしがってるつもり?
……もう生きていけない……
なにもそこまで……
だってだって! 今は和解したとはいえ、かつての敵の大将に、私が、女の私が……
あんな破廉恥な姿を……!
うわあぁぁぁぁぁぁぁーーん!もう絶対一生間違いなくお嫁に行けなーーーい!
そんなわけないでしょ! まったくもー……
主人公、お願い。
う……
ムラクモは、なんていってたのよ。思い出してみなさい。
『お前こそ、天下に轟く<ビワリスト>だ』と……
それってつまり、とってもカッコよくて素敵だ、ってことでしょう?
アンタの琵琶プレイを見て、ムラクモは今まで以上にアンタを認めたのよ。
ですから、恥ずかしがることなんて、これっぽっちもないんですよ。
うう……そうなんですか? 主人公様……
私、破廉恥じゃ、ないですか……?
――♪
……あなたがおっしゃるのなら、間違いはないのでしょうね……
……ありがとうございます。ちょっとだけ、自信がわいてきました。
では勇気を出して、みな様に新しい弾き方を披露いたします……!
おっ!いいわね!
お願いします!
チハヤはおもむろに琵琶にストラップをつけ、腰のあたりまで落とした。
<婆娑羅>(パンク)――
そして、頭を振り乱しながら、大胆なストロークで弾く!
激しいわね……!
う、うぅ……やっぱり恥ずかしいです!
でも……ノってきましたーーー!
kミュミュ~ッ♪
ショギョームジョーのビワリスト、チハヤですっ! よろしくお願いします!
諸行無常ビワリスト チハヤ・クサナギ
その他