【白猫】ムラクモ・思い出
ムラクモ・ホウライ CV:関智一 <武神の島>の総大将。 武神ミナカタをその身に宿すことができる。 |
神将降臨IXAビート
思い出1
<武神の島>と<軍神の島>による、シナトベの地をめぐる争い……
その長く熾烈な戦いに終止符が打たれてからしばらくしたある日。
<武神>と呼ばれる豪傑が、飛行島にやってきた!
ムラクモ |
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よう、お前ら!このムラクモ・ホウライ、約束どおり馳せ参じたぞ!
え、約束なんてしてたっけ?
してねえが、した!
むちゃくちゃね!でも、歓迎するわ!
わっはっはっはっ!
改めて……戦いが終わって、本当によかったですね。
お前らの協力には感謝している。島のために散っていった者達も報われただろうよ。
シナトベ……っていったっけ?あの島は、もう平和なの?
平和、か……
<ムラクモは、眼前に広がる青空を仰ぎ見た……>
なんとも気持ちのいい空よなあ。己の存在が、豆粒のように思えてきやがる。
……ムラクモさん?
オレは、<武神の島>を治めるホウライ一族の嫡男だ。
なんか語りはじめたわ。
当然、島の領主も代々、嫡男が務めることになっている。……が、当代は違う。
え……そうなんですか?
現領主は、オレの弟なんだよ。
でもさ、じっさいに島を治めてるのはアンタなんでしょ?
オレは……影だ。
誰にも言ってくれるなよ。バレたら意味がなくなるからな。
つまり、その……身がわり、ということでしょうか?
弟を……いや、島を守るためだ。
双子なんだ。これ以上の影はなかろう?
影はどこまでいっても影だ。
そんな悲しそうな顔をするな。大事なのは、島を守り、民を守ること――
権力や地位にすがりつくことじゃねえ。
そっか……
だが、泰平の世にオレのような存在は要らん。むしろ邪魔になるもんでな。
この島に来て思ったのよ。戦をしていねえオレは、なんてちっぽけなんだと。
……そんなことは、ないと思います!
ありがとよ、嬢ちゃん。
けどよ。人の世ってのは難儀なもんで、戦はちっとも無くなりゃしねえ。
だからオレは、死ぬまで<武神>であり続ける運命なんだろうなあ。
運命……
我ながら酔狂な言葉よ。
わっはっはっはっ!
<ムラクモはその場にどかりと座り込み、飛行島の街並みを眺めた。>
いい島だなあオイ。
このムラクモ、しばらくはこの泰平に厄介になるぞ!
思い出2
よっこらせえ!
快晴、快晴!今日は打ち日和だ!
おおきい太鼓ね!お祭りでよく見かけるやつだわ。
シナトベの島でも演奏していましたね。
おう。<武神の島>じゃ、誰でも一度は触れたことがあるぐらいポピュラーなんだぜ。
シンプルでたのしそうよね~。
よかったら、聴かせてくれませんか?
おうよ。そのために持ってきたんだ。
……シャーッ!
なんで脱ぐのよ!
<ムラクモはー心不乱に太鼓を打ち始めた!>
ソラソラソラソラアッ!
<腹にずしりと響く重低音だ――>
どうよ赤髪、オレの太鼓は!
<――わけもなく、気分が高揚してくる!>
わっはっはっ、そうだろう!太鼓は漢のロマンよなあ!
聞けぇい、飛行島よ!これが武神の轟音よおっ!
…………
……
いや~、堪能したわ~。
すごかったです!
……いやあ……
打ち終わってみれば、イマイチだったなあ……
なんで?とっても熱くてイイ音だったわよ。
あの時に比べれば、月とすっぽんよ。
あの時?
シナトベの地での、あのセッションだ。お前らも聴いていただろう。
ああ、<軍神の島>の女の子と一緒に演奏してたわね。
すさまじい音楽だった。あれこそ魂と魂のぶつかり合いが生んだ、奇跡の音……
天下に轟く<神鳴サウンド>とは、あの音のことだ……
<ムラクモは、握りしめたバチを見つめる。>
オレは、それを追い求め続けている。
生きがい、なんですね。
モノノフにも嗜むものは必要だろう?
じゃー、がんばって修行しなくちゃね~。
おっ。
…………
テンポ。
やはりテンポか……
<ムラクモは一同を尻目に、太鼓の練習を始めた。>
ねえムラクモ。なに、いまの。
ソイヤッ!ハッ!
ドラドラドラドラッ!
思い出3
狭い。
なによいきなり。
狭すぎる。
たしかに狭いわね。アタシにこの世界は。
え?
ほほう!小さな猫が大きなことを言ったもんだ!
わっはっはっはっ!
じょーだんはさておき、なにが狭いのよ?
厠だ。この島の厠は、あまりにも小さくはないか?
お手洗いがですか?うーん……
いやむしろ、ふつーより広々としてるとおもうけど……
いいや、狭い。狭すぎる。オレには合わん。
主人公よお、よくあんな厠で用を足せるな。
敵の闇討ちにあったらどうするつもりだ?
わがままいわないでよ。
ようし、決めた。別の厠を作ろうじゃねえか。
なにもそこまで……
厠は城と心得よ。然らば文武両道に長け、戦において負けを知らぬ傑人となろう。
だれのことは?
オレだ。
では、バロンさんと大工たぬきたちに協力してもらいましょうか。
<ムラクモ用のトイレが完成した――>
素晴らしい仕事だ、大工たぬきよ。我が島に引き入れたいぐらいだ。
ひ……ひろーーーーっ!
お手洗いというより、立派なお部屋ですね……
厠自体は中央に配置した。これは外から槍で突かれないようにするためだ。
そもそも、この島に敵なんてこないと思うけど……
そんで、この机はなんのために?
用を足しながら書き物をする。これが意外と集中できる。
彩りを添える花たちは鳥兜だ。傑人の乱れた心を整える作用がある。
……このお花、確か毒があるんじゃ……
兵法や道徳が記された書物も一通り揃えておいた。今を生きる者は、常に先人から学ばねばならん。
主人公もよく読んでおくんだな。
……どーなのよ、これ。アタシ、逆に落ち着かないと思うんだけど……
……いや。
おお、バロン殿!此度のお力添え、誠に感謝する!
礼には及ばん。それに、この厠は私も気に入った。
なんと……!この厠の良さがお判りになるとは!
私もたまに使わせてもらって構わないだろうか?
もちろんだ!やあ、二人とない知己に出会ったようだなあ!
故郷でもそんなに受け入れられちゃいないのね……
わっはっはっはっ!
思い出4
そーいえば、アンタに聞きたいことがあったんだったわ。
おう、聞け聞け。
こないださ、アンタが太鼓をたたいてるときに現れたあの生き物はなーに?
そういやあ、言ってなかったな。
あれは<武神>だ。
武神はムラクモさんじゃ?
正確には違う。あれがいるから、オレは<武神>と名乗れるのだ。
島の守り神でなあ。名はミナカタという。
かわいい守り神ね。
ツラはめんこいが、中身は豪傑のそれだぜ。オレでさえ、頭が上がらん。
その守り神が、どーしてアンタについてるの?
ミナカタは古より島の領主に宿り、力を与えてきた。理由は定かじゃねえが、きっと土地を守るためなんだろう。
あれ、でもムラクモは影武者なのよね?
そこなんだよ。
弟が大将の座を継いでも、<武神>はあいつの所へは行かなかった。
***
セイヤッセイヤッセイヤッセイヤアッ!
……クソ。なんだかなあ。上手くなってる気がしねえなあ。
テンポ。
誰だっ!?
…………
お、お前は……いや、あなたは……――ミナカタ様!
ヘタクソめ。
!?
まずは血が出るまで打て。
!!
***
<武神ミナカタ>は、影であるオレを選んだ。
……どうしてでしょう?
曰く、『こんなにヘタクソな太鼓は聴いた事がなかった』からだそうだ。
なにその理由。
オレにもようわからん。
それからだ。戦においても、太鼓においても、修羅の道を歩み出したのは。
じゃあ、そのミナカタつてのは、アンタにとってタイコの師匠でもあるわけね。
むしろそっちがメインだ。さて……
今日もやるかあ!!
だからなんで脱ぐのよ!
セヤセヤセヤセヤッ!
あ、でてきたわ!ねえねえ、お話しましょうよ。
…………
オフビート意識。
押忍、師匠!
あとテンポ。
……恥ずかしがりやなの?
無駄がないだけだ。
オフビート! テンポ!
ふしぎな関係ね……
思い出5
さて、行くとするか。
あ、ムラクモさん。お出かけですか?
太鼓までかついじゃって。
おう、見つかってしまったな。
お前ら。しばしの別れだ。
え……どういうこと?
領有する島の一つに宣戦布告をしてきやがった阿呆がいてな。
また戦が始まるのよ。
じゃあ、アタシたちも……
お前らには関係のない戦だ。
で、でも、お手伝いぐらいなら……
やめとけやめとけ。無駄に人の死を見ることほど、つらいものはない。
オレはお前らにはここにいて欲しいのよ。健やかな平和満ちる、この島にな。
例えこの戦で何か起ころうとも……飛行島にいるお前らの顔を思い出せば、力もわいてくるってもんだ。
今回は、太鼓兄ちゃんのわがままを聞いてやってくれねえか。
……そこまでいうなら、しょうがないわね……
それによ、別れは悲しむためにあるんじゃねぇ。
いつかの再会を、喜ぶためにあるのよ。
……きっと、無事に帰ってきてくださいね。
当たり前よ!お前らに断りもせず死んだりするオレじゃねえぜ?
***
御屋形様、申し上げます!
おう。
敵方の陣、動きましてござりまする!
山か川か、どっちだ。
川です!
来るな。
皆、準備は出来ているか?
万事整ってございます
よし。
<ムラクモは、傍らの大太鼓の前に立つ。>
いざ、陣太鼓としゃれこもうじゃねえか!
だからなぜ脱ぐんです!?危ないですからおやめください!
わっはっはっ。大将たるもの、これぐらい傾いていかねえとなあ!
オラオラオラオラッ!者ども聴けやアアアアッ!
***
とはいえ、よ。主人公。
ちょっとぐらい応援したいわよね。おともだちだもの。
そうね……
思い出6 (友情覚醒)
おいおい、なんだこりゃあ……
御屋形様?
……へっ。よくわからねえが、ノってきやがった!
ハーーーーーッ!
来た来た来た来た、来たぜえっ!熱い鼓動に震える律動!
者ども!これが<神鳴サウンド>よオ!
…………
いい音だ。
疾きこと風の如く!
徐かなること林の如く!
侵掠すること火の如く!
動かざること山の如し!
さあ、勝ちに行こうじゃねえか!
***
……あら?
主様、いかがされました?
太鼓の音が聞こえる気がいたします。
はて。私めには何も聞こえませんが。
はああ、熱いですねえ……
どうやら、虎のように猛々しい魂の音が、天下に響き渡っているようですよ。
うふふ。私も負けてはいられませんね。
***
お見事!戦局はこちらが有利ですな!
頃合いだな。
皆の者。勝ち開の声を上げよ!
え?まだ勝ってませんけど……
戦略だ、戦略。
ハ……ハッ!
エイ、エイ、オーッ!
エイ、エイ、オーッ!
さらに新しい試みとして、勝ち鬨太鼓を打つ。
勝ち鬨太鼓!?
わっはっはっはっ!
神鳴ドラマー ムラクモ・ホウライ
その他