【黒ウィズ】ウルーリカ・モレノ
ウルーリカ・モレノ CV: |
2017/00/00 |
――「うたかたの海」のある異界。
淡い幻を見せるというその海の底には、多くの人魚が暮らしている。
その1人、ウルーリカには特別な才能があった。
「うたかたの海」を通じて「未来の幻」を見ることができたのだ。
ゆえに人魚たちは、何かが起こると彼女に予言をせがむのだった。
……そして今。ウルーリカは深い海の底で、目を閉じ、眠りについている。
「うたかたの海」が見せる未来を、夢として見ているのだ。
海底に謎の怪物が現れる事件、その解決の糸口を求めて。
――夢のなか、ウルーリカは地上に赴き、1人の少年と出合う。
清廉にして利発なる若き王子。
地上にもまた怪物が現れており、彼はその調査を進めていた。
目的を同じくするふたりは、世界を巡る旅に出る。
神秘の術を修めた魔道士、主君を持たぬ流浪の騎士、金に目がないお調子者の盗賊……
頼もしい仲闇たちと出合い、旅を続けるうちに、いつしかウルーリカは、王子の姿を目で追う自分に気づく。
王子の優しい微笑みが、凛とした眼差しが、彼女の胸を高鳴らせる。
彼と交わした言棄のすべてを、胸の宝箱にそっとしまっておきたくなる……
ああ。けれど。旅の果て、魔物を生み出す城の奥、王子は裏切りの刃に倒れる。
魔の手先であった魔道士から、ウルーリカをかばって。
最後に、あの優しい微笑みをこぼしながら……
――そこで、ウルーリカは夢から目覚めた。
予言を聞きたがる人魚たちをあしらって――そして、まっすぐ地上に向かった。
時は夜。おぼろの月が照らす浜辺で、彼女は若き王子の前に現れる。
人魚の登場に驚く王子に、そっと優しく微芙みかける。
――あなたは知らない。夢幻の未来で、私とあなたがどんな言葉を交わしたか。何ひとつ。
けれど、私は知っている。あなたのくれた言葉はすべて、この胸のなかにしまってあるから。
あれはうたかた。あれは夢。海の泡が見せた未来の幻影。
だから。
今ここにいる、うつつのあなたは……私が必ず救ってみせる――