【アナデン】占い師の裏事情 Story
占い師の裏事情
「うおおおっまさか噂の占い師様か!?」
「これからは予言者様よりも占い師様の時代ね!」
「ん?なんだか騒がしいな。どうしたんだろう?」
「その通り。私こそが占い師である!
私には見えるのだ。未来が!我らが辿る運命が!
我が言葉に耳を傾けよ!さすれば授けよう私の見た未来の姿を!」
「占い師……だって?」
「見えた!今にあの扉の前で轟音の爆発が巻き起こる!」
「うわああっなんだあ!?」
「ば、爆発よ!本当に爆発が!」
「……あれは魔法教室の方か?しかし爆発というには……子供だましのような……。
「この通りだ!私の占いは絶対である!そして……この地の者たちよ!私には伝えねばならないことがある!
まもなくこのパルジファルに災いがもたらされるであろう!全ての者が嘆き苦しむ未来が!
だが安心せよ!災厄は回避できる!未来視の力を持つ私ならば!
そのためにはお布施が必要である!災厄の未来を避けるためどうか私を信じてほしい!
「なんだって!?それは大変だ!!」
「いくら!?いくらお布施したら災厄を回避できるの!?」
「……どうも怪しいな。あいつ占いにかこつけてお金を編し取る気じゃ……。
それにあの爆発もまるで示し合わせたみたいだ。
これは調べてみるか……。」
***
「なあ君たちさっき爆発の魔法を使った子を知ってるかい?
「ええこの子が使ったのよ。私見ていたもの。
「ううん。でもわざとじゃないよ?間違えたんだよ?
「えーうっそだー。ちらちら外を見ながらいきなり魔法を使ったじやない。
「どういうことだ?あの占い師ってやつと示し合わせてたのかい?
「し、知らない!お小遣いやるから黙ってろって言われてるんだ。だから何も言わないよ!
「ヘえいくらちらったんだ?
「まだもらってないよ。……ってしゃべっちやダメたった。
「なるほどな。そのお小遣いで一体何を買うつもりだったんだい?
「……んーそれなら言ってもいいか。ケルリの道の魔物の素材だよ。魔法の材料になるんだ。
取りに行くのは危ないから売ってるのを買うしかないんだ。
「ふうん……なるほどなぁ。ケルリの道か。なんて魔物だ?
「フラゾーイだよ。フラゾーイの尾羽が欲しいんだ。
「なるほどフラゾーイの尾羽だな。教えてくれてありがとな。
……さてちょっくら狩りに行くか。
***
***
「あれ?さっきのお兄ちゃん。どうしたの?
「ああ実は君が欲しかっていた素材なんだけどさオレが取ってきたんだ。
「うそ!?……本当だ!それもこんなにたくさん!
どれもお店で売っているのよりずっとずっといいものだよ!?
「なあこれあげるからさ兄ちゃんに協力してくれない?
「えっ!?いいの!?
で、でもあのおじさんと約束もしてるし……
「あのおじさんはな占い師だって嘘ついてお金を取っている悪人だぞ。
ウソツキの仲間にはなりたくないだろ?
「……う、うん!お兄ちゃんはおじさんを懲らしめたいんだね!?
「ああ!君の魔法は正しいことのために使わなくっちゃな!
***
「さあ!もっとお布施を!災厄の未来を変えるために!
「ちょっと待ったーっ!!
みんな騙されるな!そいつは偽物だぞ!!
「……なに!?
「え?偽物なのか?
「そんなわけないじゃない。現に占ってみせたでしょ。
「まったくその通りだ。偽物だというのならあの完璧な占いはどう説明する?
それに災厄を回避するためには私の未来視の力が必要不可欠になるのだぞ?
「じゃあ今からオレが数えたら何が起きるのか占ってみせろ!
「なに?一体何を言うかと思えばくだらん。付き合っていられるか!
「3……2……。
「ハッタリだ。何も起こらないに決まっている!
「1……。ゼロ!
「うおおおおっなんだああ!?
「どうした?お前の近くで爆発が起きるという未来は見えなかったのか?
本当に見えていたならハッタリだなんて言わなかったよな!?
「き、貴様どうやって……。……あっ!?
こっ小僧!金を恵んでやると言ったのに私を裏切るつもりか!?
くそっこれだからガキは利用しづらいん……あっ。
「いま金を恵むとか利用するとか……。
「それにあの爆発も予知できなかったし……。もしかして本当に偽物?
「あ、いや、えっと……。
「ああそいつの言ってることは嘘っぱちだ。子供を使ってやらせをしていたんだよ。
「……ふ、フハハ……。だ、喘されるな皆の者!私の言葉こそ真実だ……。」
「………………。」
「………………。」
「ええーっと……。」
「金返せ嘘つきめーっ!!
「誰か兵隊さん呼んでーっ!!詐欺師がいるわーっ!!
「ひっひいいーーーっ!!この展開は見えなかったーーっ!!
「兄ちゃんやったね!」
「ああ……これで一件落着だな。
君ももう怪しい大人の嘘を手伝っちゃダメだぞ!」
「うん!!魔法は正しいこころで使わなきゃね!」