【アナデン】ブリーノ Story
古来よりの希少種ダークエルフ族の青年。 数年前にふらっと王都に現れユニガンの騎士団に所属した。あまり表に姿を現さない謎多きダークエルフ族がなぜ騎士団に志願したのかは不明。騎士としての務めは果たしているものの王都での単独行動が目立つ。 |
目次
王都騎士団所属のブリーノ。
どことなく神秘的な彼にさらなる謎が……
国に関わる大きな出来事を追っているブリーノ。
アルドと共に秘密に迫るが……
story1 謎のブリーノ
「どうしたんだブリーノ?」
「………………アルド。少し待っていてくれ。」
「ん ああ。」
***
「……大きな……はい……見つかりました……向かってます……秘密……はい……間違いない……」
「……そうか……待ってた……よくやった……」
「情報……お代を……」
***
「今の吟遊詩人知り合いなのか?」
「ああ、まあな。」
「お金を渡してたみたいだけど。」
「前に酒場で飲んだ時手持ちがなくてな立て替えてもらってたんだ。」
「ふ~~ん……」
「アルド。少し用事が出来た。先に宿にでも行って待っていてくれ。」
「どこに行くんだ?手伝うよ。」
「……いや少し面倒な事になりそうなんだ。」
「面倒ならなおさら手伝ったほうがいいんじゃないか?遠慮することないぞ。」
「いや……ああ……まあ……」
「困ってるんだろ。手伝うよ。」
「…………
……わかった。では手伝って貰おう。場所はヌアル平原だ。」
***
「ヌアル平原に着いたぞ。ここに何があるんだ。」
「目的地はここじゃないもう少し奥だ。着いたら話そう。」
「ん?誰か来たぞ?」
「ブリーノ!いい加減にしろ!」
「……またお前か。私に構うな。」
「勝手に訓練を抜けだして何をしているんだ?」
「前にも言ったはずだ話す必要などない。」
「お前このままだとどんどん肩身が狭くなるぞ。見てられないよ。」
「そう思うやつには思わせておけばいい。お前ももう構うな。」
「君はブリーノの仲間か?」
「ああ。」
「俺はブリーノと同じ騎士団に所属している。」
「友人か?」
「友人だ。」
「同僚だ。」
「同僚で友人だ。何の縁で一緒にいるのかわからないがこいつは得体の知れない奴だ。
あまりかかわるな。痛い目をみる事になるぞ。」
「忠告は受け取るよ。ただ得体のしれない仲間なら他にも大勢いる。心配はいらない。」
「……ちっ、ブリーノ。俺はあきらめないぞ。お前が話してくれるまでな。」
***
「何だったんだ……」
「…………」
「いいのか?同僚で友人なんだろ?」
「ほうっておけ。先に進もう。」
***
「ずいぶん奥まできたぞ。目的地はまだなのか?」
「ここが目的地だ。」
「ここが?ここに何かあるんだ?」
「この付近に魔物が出没するみたいだ。」
「……で?」
「討伐を頼まれた。」
「何だただの人助けじゃないか。だったらさっきの友人にもそう言ってやればよかったのに……」
「…………」
(なんだかブリーノ……態度が変だ。内緒にしておきたい事情でもあるのか?)
「うわああ!!」
「……!今のは!?」
***
「ああ!あんた達助けてくれ!」
「待ってろ!今助ける!」
***
「ああ!!ありがとう。助けてくれて!」
「いや。君こそ怪我はないか?」
「大丈夫!なんともないよ!しかし君たち強いんだね。」
「こんな所で何をしていたんだ?」
「ん?何をって……散歩?」
「散歩にくるような場所じゃないぞ。」
「だよね!いやあ~~まいったな~どうしようかな~言っちゃおうかな~……」
「無理に答えなくてもいいぞ。」
「この付近で大規模なプリズマ鉱脈が発見されたんだよ!」
「……」
「ああ!話しちゃった!これ絶対秘密だからね!」
「わかった。」
「でねでね!その鉱脈僕が発見したんだよ!すごいでしょ!」
「すごいな。」
「ね!ね!いや~~~本当は誰かに聞いてもらいたかったんだ~~」
(軽いな~~この人)
「僕はその鉱脈でプリズマを採掘しているんだよ。」
「ふ~~~ん。」
「僕が見つけたプリズマがいつか世界の役に立つかと思ったらワクワクしてこないか?」
「そうだな。」
「君……話がわかるね!君とはまたどこかで会えそうな気がするよ。」
「そうかい?」
「それじゃあね。ありがとう!」
***
「今日は変なヤツによく会うな。」
「アルド。ヤツをつけるぞ。おそらくユニガンに向かうはずだ。」
「え?
え?え?え?本当に後をつけるのか?」
***
「やはりそうか……」
「…………城に入っていったぞ。どうかしたのか?」
「アルド不思議に思わなかったか?
ヤツは秘密だと言っていたが大規模なプリズマ鉱脈が発見されたんだ。噂の一つや二つ出てもおかしくない。」
「……確かに……変だな……」
「隠蔽工作が行われているんだ。国家規模でな。」
「国がからんでいるのか!?」
「おそらくな。」
「何故隠す必要があるんだ?」
「大きな目的があるんだ。」
「大きな目的?」
「……アルドこれ以上は危険だ。後は私に任せて貰おう。」
「ここまで聞いて引き下がれるかよ。」
「いやダメだ。元々お前には関係のない話だ。」
「オレを信用できないのか?」
「そう言うわけではない……すまないが……」
「ブリーノ!戻っていたのか!用事はすんだのか?」
「またお前か。いやまだだ。」
「いいかげん何をしているか話してくれたらどうなんだ?」
「何のことだ?」
「まったくお前はどうしてそう頑固なんだ……君!
君は彼の仲間なんだろう?教えてくれないか?」
「…………ブリーノは…………
ブリーノは……剣の特訓をしていたんだ。」
「…………」
「少しでも騎士団の力になれるように。オレ達は訓練相手に雇われただけなんだ。」
「……そ、それなら騎士団で。」
「団員同士だとどうも本気になれないみたいだ。」
「だったら何故隠す?」
「恥ずかしいだろ?秘密特訓って。」
「……そうなのか?」
「…………」
「…………すまない。おせっかいがすぎたようだ。
ブリーノ、団長には俺から上手く言っておく。
あまり無理はするなよ。何かあったらいつでも言いに来い。」
***
「どうして言わなかったんだ?」
「ブリーノが隠したがってるみたいだから。」
「俺が悪事を働いてるとは考えなかったのか?」
「悪い事をするのか?」
「いやそうじゃないが……」
「じゃあ信じるよ。」
「……」
「それにさっき言ってたろ国が関わる問題だって。」
「ああ。」
「国がこの問題に関わっているとなると騎士団の仲間も危険に晒されるな。
それとも騎士団も関わってるヤツがいるのか?」
「わからない。」
「あいつは信用できると思うけどな。」
「……あいつはおせっかいでぶっきらぼうで世話焼きなくせに戦闘はからっきしだ。
だがなにより俺を騎士団に入れてくれた恩人でもある。
もし奴がさっきの魔物と戦っていたら生命はなかった。」
「…………」
「あいつに死なれたら夢見が悪い。」
「そうか!それなら仕方ないな。」
「…………」
「ブリーノ。危険に巻き込みたくない気持ちはわかるがオレの事なら心配いらない。協力するよ。」
「……アルド先ほどは助かった。だが秘密特訓というのはちょっとな……。
とっさの言い訳としては見事だが恥ずかしい思いをするのは私だ。」
「ははは!わかったよ。」
story2 ダークエルフ