【白猫】九条霊異記 番外編 陰陽サモンバトル
2019年5月17日(金)16:00 ~ 6月28日(金)15:59 |
あらすじ
式神の秘術が流出!?
事態収拾を命じられ、きらきらの島ミルフィにやってきたセツナとトワ。
そこではサモンカードと呼ばれるカードゲームが流行っていた!
いったい誰が秘術をゲームに変えたのか!?
二人は自称カードサモナー、リーチェとともに謎の真相に挑んでいく!
<声の出演(敬称略)>
セツナ 斎藤千和
トワ 沼倉愛美
リーチェ 赤尾ひかる
リーチェママ 赤尾ひかる
ディリータ 高木達也
カードサモナー 南雲大輔
司会者 南雲大輔
story1 クオンとアラヤ
クジョウの島――
独特の文化を持ちながら異国の文化を受け入れ、更なる発展を遂げた島。
古き文化のなかには、様々な魔術体系も存在した。
例えば<陰陽道>と呼ばれるもの。それは、時代の流れとともに変化し適応していった。
崇り神たるテンジン様――
だが、どれだけ名称や体裁を変え、人々から忘却されようとその理法は不変で不滅だ。
クジョウを守りし大神たるテンジン様を崇め奉り、巫女として仕えるのが私の生まれたクオン家の生業だ。
禍つ神たるテンジン様を封じ、巫女としてクジョウを守るのがあたしの生まれたアラヤ家の生業だった。
禍事との調和。神秘の秘匿――
禍事の封滅。神秘の探求――
時の堆積のなか、滅び、忘れ去られた理法をもって。我がクオン家は今もなお、神秘の守護者たりえている。
「お呼びでしょうか、お祖母様。」
「おお、トワ、元気そうで何より。最近、顔を見せぬから寂しかったぞ。」
「申し訳ございません。巫女としての務めが忙しく……」
「わかっておる。そんなにかしこまらなくてよい。して、今日呼んだのは、頼みたいことがあってな。
クオン家は巫術をもってテンジン様をたてまつり、その力をお借りしておる。
我らが巫術は門外不出の秘術。それ故、クオン家は神秘の力によって繁栄してきた。」
――が、その秘術が外にもれたという話を聞いてな。」
「!」
「詳細は不明だが、どうやら式法がとある島で使われているらしい。
陰陽から発した呪術と占術。結んで昇華せし巫女の秘術は万古不易の神理だ。
ゆめゆめ外にもらしてはならぬもの。使い方を誤れば、禍事を誘う。」
「…………」
「トワよ、クォンの巫女として、秘術の隠匿を命じる。神理を流布せし大罪人を処断し、全てを闇に葬れ。方法は問わぬ。」
「……承知いたしました。」
「おそらくアラヤの家にも、この凶報は伝わるだろう。アラヤの小娘に遅れを取ってはならんぞ。」
「はい……」
…………
……
「――って、ことがあったんだ! 秘術の隠匿――だとか、闇に葬れ――だとか、時代錯誤も甚だしいよね。トワもそう思わない!?」
「やはりアラヤ家でも同じような話があがったんですね」
「まーね。なんか、トワの家に負けるなーとか言われたけど、勝ち負けとかないよね? 力合わせればいいのにさ。
あたしが、そんなこと言ったら、おばあちゃん怒っちゃって大変でさ。半分家出みたいな感じで飛び出してきちゃったよ」
「……セツナは強いですね。私はお祖母様の言葉に意見することはできませんでした。
「まあ、トワん家は現役だしね。ほら、うちって反物屋のほうがメインだしさ、その辺、ゆるいんだよ」
「……セツナはどうしますか?」
「どうするって?」
「クオン家とアラヤ家は敵同士ですし……」
「ト~ワ~! また暗くなってるぞ。ほんと、家のことになるとトワはテンションさがるからなー。
トワがあたしと一緒にいたくないなら仕方がないけどさ、そうじゃないなら――
一緒に行こーよ♪」
「はいっ♪」
story2 スタンバイ
よし、とうちゃく!ここがきらきらの島、ミルフィか……
旅行雑誌によると、たくさんのオモチャ会社があって子供に大人気の島だそうですね。
でも、こんな鳥にクジョウの秘術があるのかな?
お祖母様が言っていた話だと、そのはずなのですが……
力ードサモン!スタンバイ!
なんか人だかりができてる?
ピーピー!!
どうしたの?ダイフク。
ギャ、ギャ、ギャ!!
オハギの様子も変です!
――ッ、見せてやるぜ!俺の運命をくつがえす引きの強さを!
インフィニットスペシャルドロー!……来たぜ!俺のデッキ最強のサモンスターが!
インフィニットスペシャルドラゴンをサモン!デッキにダイレクトアタック!無限に滅べ!インフィニットバーストブレス!
消えたデッキカードからトリガー発動!波動のフェイタルミラー!
なえう!まずい!
フェイルミラーはブレス系の攻撃を反射し、反撃できる!
貴様の力、倍にして返すぜ!デッキにダイレクトアタック!無限に滅べ!インフィニットバーストブレス!
ぐわー!
高レアのサモンスター、インフィニットスペシャルドラゴンは、たしかに強い。
だが、高レアが最強とは限らないぜ。サモンカードの戦術は無限だ。低レアでもジャイアントキリングは可能!
約定どおり、インフィニットスペシャルドラゴンはもらってくぜ。
くそー!ちくしょおおおおっ!
あれは、完全に式法です!霊符を使った式神召喚術と同じ……
カードサモン!僕のサモンスターで攻撃だ!
負けないぞ!迎撃するんだ!コボルトナイト!
なんかさ……みんな普通に使ってない?
見てけ!買ってけ泥棒!サモンカードの出張販売所だよ!ミルフィに来たら絶対一度はプレイしないと損すること請け合いだ!
……お買い得だ。
これって、つまり……陰陽道の秘術がカードゲームになっちゃってるってことかな?
こんな形で秘術が世に出てしまうなんて……
よし!気持ちを切り替えて、観光メインで調査しよう!うんそうしよう!
そういう前向きなところはセヅナの長所だと思いますが、簡単に切り替えてはいけないことだと思います。
でもさ、もう隠匿とか、闇に葬るとか、無理じゃない?
見て見て、トワ♪ほら、すっごく大きいお風呂もあるんだって。ホテルのお風呂かな?
素敵なお風呂ですね……
見てよ、泡だよ!泡風呂!しかも純金のバスタブだって!
…………
はあ……しかたがありませんね。とりあえず宿を探しましょう。
お風呂広いホテルがいいよねー。
できれば、温泉のあるほうがいいです♪
story3
まさか、どのホテルも満室だなんて……
……お風呂に入りたいです。
やめろよー!返せよー!
ああ?うるっせえ!
てめえみてえなクソガキがこんな高レアカード持ってても無意味なんだよ。俺みてえなプロファイターが使ってやるよ。
返してよおおおっ!うわあああああん!
なにをなさってるのですか?
ああ、すっこんでろよ。おめえらも殴んぞ?
よし、トワ、あいつ、殴ろう。
暴力はいけませんよ、セツナ。ここは私に任せてください。
あ?この最強のカードサモナーに逆らうってのか?ああ?
近づかないでください。これは警告です。
うるせえ!さっさとサモンカード、出しやがれ!
今ここに星は巡る。罪薇れを祓いたまえ。極星よ、中天にあれ。罪扱れを清めたまえ。
(あ、トワがキレた……)
永久なる定めを刹那の時に。出でよ、天乙貴人。我が意のままに天駆けよ。急急如律令!
ああ!?見たことねえサモンスターだな……まあ、いいわ。力ードサモン!スタンバイ!
俺のサモンスターでブチのめしてやんよ!レディー!サモン!
最高レアのサモンスター。漆黒の閤魔神!
式法に関しては、こちらに一日の長があります。
そんな!俺の闇魔神がー!?
って、言うかと思ったかよ、バカが!
漆黒の闇魔神は、サモンから2ターン以内に破壊された場合に限り、マジックカードに変化する。
マジックカード!虚無への供物、発動!漆黒の闇魔神を攻撃したサモンスターをぶっ壊せ!
オハギ!?
ひゃひゃひゃひゃ!ドロー!いいぜ、来たぜえ!インフィニットスペシャルドラゴンサモン!
一度、競技場以外でよー、サモンスターでフレイヤーを攻撃してみたかったんだよな……
あひゃひゃひゃひゃひゃ!無限に滅べ!インフィニットバーストブレス!
トワ!
月刊ミューを買いにきたら、まさか、こんな場面に出くわすなんて……
なにも知らない初心者狩りなんてカードサモナーのカワウソにも置けない奴ね!
(風上にも置けない奴って言いたかったのかな?)
いいわ!このカードサモナー四天王、リーチエ・パスラ・オリバが相手になってやるんだから!
おもしれえ。四天王だかなんたか知らねえがおめえら、まとめて俺の餌だ。
捻り潰してやんよ!
***
すんませんしたー!
自分、ちょーしこいてました!もう勘弁してください!
ダメ、勘弁しない。デッキに直接攻撃。減殺轟雷爆震剣。
ぎゃああああああ!
少年、カードはいつでもサモナーの味方よ。ともに強くなっていけるんだから♪
うん!僕、いつかお姉ちゃんみたいなカードサモナーになるよ!必ずなるよ!
ありがとう、お姉ちゃん!
ふふん……
あの……ありがとうございました。
ぽあい!?
ぽあい?
なにいきなり話しかけてるの!?びっくりしたじゃない!もう誰!?なんなの!?
先ほど助けてもらった者です。トワ・クオンと申します。
こちらがセツナ。あなたに助けてもらえなければ危ないところでした。
あ、そうだ!そうたったわね!そうね、助けたわね、うん。サモンバトルに集中しすぎて、こってり忘れてたわ。
でも、こういう時の名台詞は決まってるわね。名乗るほどの名前じゃないの!
(さっき、自分でリーチェ・パスラ・オリバって自己紹介してたような……)
あなたたち旅行者ね。見たことないカード使ってるみたいだけど、なにそれ?
これは霊符って言うんだ。
ふ~ん……霊符、霊符、サモンカードじゃない……ふむふむふむりん……
なんかいろいろ話聞きたいし!ついてきて!
って行っちゃったけど、どうする?
そうですね……助けてもらったお礼もきちんとできていませんし、とりあえず、ついていきましょう。