【アナデン】 ロキド(AS)Story
アナザーエデン・キャラクエスト『ロキド(AS)編』 |
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R ……むう遅いな。
A ……どうしたんだロキド。なにか探してるのか?
R いや探し物ではない。待ち合わせをしているのだ。
A ふぅん?誰と?
R うむ。アルドも覚えていると思うが前に……
- ……ロキドーーーーーっ!
A ん?今のは……
- お待たせロキドーーっ!
相変わらずやわらかくて気持ちいいねー!
R そんなに顔をこすりつけて俺の毛並みを乱さんでくれ。
- えーーっ!ロキドのケチーーっ!
A この子はもしかすると前にロキドが花を摘んであげた子か……?
R ああそうだ。あれからときどきこの子が俺に花冠などをくれるのだ。
- あ……お兄ちゃん!久しぶりねー!
A そうだな。元気だったか?
ロキドの待ち合わせの相手はこの子だったのか?
R うむ。なんでも大事な用事があると言われたのだが……。
- あのね……!アタシのお母さんいまバルオキーにお出かけ中なのー!
A ああ……あのお母さんか……
かなりロキドのことを悪く思ってたよな……。
- そーなのよー!だからお母さんがユニガンにいない今が大チャ~ンス♪
A 大……チャンス……???
なんの話なんだロキド?
R いや……俺にもさっぱりわからん。まずは詳しく話してくれ。お前の母がユニガンにいないとどうだというのだ?
- それはねー。あとで教えてあげる!
とにかくいまは急いでユニガンに行かなくちゃだから。とっても大事なのよ?
R よくわからんが……お前といっしょにユニガンに行けばいいのか?
A オレもついてったほうがいいのかな……?
- そうねー。お兄ちゃんもいてくれたほうがいいかも!
A わかった。じゃあみんなでユニガンに向かおう。
- Quest Accepted -
王都ユニガン
- ……あっお婆ちゃん!
ロキドを連れてきたよー!
= おやおやホントに大きいねえ。立派な身体つきだこと。
- どうかなお婆ちゃん?
= 大丈夫だと思うよ。かなり大きめに直しておいたからね。
- ほんと!?……やった♪
R すまんが……いったいなんの話だろうか?
- いーからいーから!さあお婆ちゃんの家に行くよー。
***
A ……あのひとはキミのお祖母ちゃんなのか?
- ううんちがうよ。うちの近所のお婆ちゃん。アタシたち仲良しなんだ!
A ああそうなのか。ところでいったいロキドに何をしてるんだ?
- あのね。ロキドをもっとかっこよくしてもらってるの!
A ロキドをかっこよく……?
- そうなの。それでお母さんにロキドのこと好きになってもらうんだから!
A どういうことだ……?
- あのね。アタシのお母さん……ロキドのことすっごく怖がってるの。
アタシがロキドと遊んだりすると嫌がるのよね。
A そうなのか……。たしかにあのお母さんなら……。
- だからロキドをかっこよくしてお母さんにも好きになってもらいたいんだー!
A なるほどなあ……。
= ……はいはいお待たせ。
- どう?かっこよくなった?
= それは自分の目でたしかめてごらんよ。
R …………。
- わあ……!すてき~~♪
かっこいいよロキド……v
R …………。
= これは私の亡くなった夫の礼服なの。うちの夫も大きい方だったけどずいぶんサイズを直したよ。
- ありがとうお婆ちゃん!
= いえどういたしまして。
R …………。
A どうしたロキド?浮かない顔をしてるけと………その服窮屈なのか?
R いや。服のサイズは問題ない。ただ……
- ……ねえロキド!その格好でアタシのお母さんに会ってほしいの!
そしたらきっとお母さんもロキドのこと大好きになるから!
R …………。
A どうしてそんなにロキドのことをお母さんに……?
- だって……
ロキドのお嫁さんになったときお母さんにもお祝いしてほしいんだもん。
A ロキドのお嫁さん?誰が……?
- もちろんアタシが♪
R なっなんの話だ!?
- ひどいロキド!もう忘れちゃったの!?アタシちゃんと言ったでしょ!
大きくなったらアタシが結婚してあげるから……
それまで誰とも結婚しないで待っててねって!
= あらあらおませさんね。
A いつの間にそんな約束を……
R 俺は約束などしておらん!
そもそもあれは何度か付き合わされたママゴトでの話ではないか!
- それでも……約束は約束♪
= まあまあロキドさん。子供の言うことですからそのうち忘れてしまいますよ。
A (でもこの子って妙に行動力があるからもしかすると……)
- とにかくロキド!その格好でお母さんに会いにいくの~!お願い~!
R …………。
A 君のお母さんはバルオキーに行ってるって話だったよな?
- うん!これからみんなでバルオキーに行こー!
緑の村 バルオキー
- ……ここで待ってて!アタシお母さんを探してくる!
R …………。
A なんだか本当にー生懸命だよなあの子……。
R ああ……そうだな。
A ……やっぱり様子がおかしいぞロキド。
もしかしてあの女の子に付き合わされてるのが嫌なのか?
R いや……まあ戸惑う気持ちもありはするかあの子の想いはとても嬉しく感じるのだ。
あれほど素直に好意を向けてくれるのだからな。俺はとても感謝している。
A そっか……。
ということはやっぱりあの子が大きくなったら結婚する気なのか……。
R 待て待てアルド……!早とちりをしてくれるな。それとこれとは話が違う。
あの子は年の離れた妹と言うにも無理があるだろう。俺の子供ぐらいの年回りではないか?
A そうなのか……。
R ああ。だがあの子がいくら幼いとはいえ俺と向き合う気持ちが真剣なことだけは理解できる。
だからこそ……俺のほうもあの子の想いに対して真面目に向き合わねばならんと思う。
A ロキド……?
R ……すぐに戻ってくる。
- ……ほら早く早く!
= いったいどうしたの?急にバルオキーまでやってきて。
- お母さんに会わせたい人がいるんだって言ったでしょ?
ほらこっちよー!
あれ?お兄ちゃんだけ?
A ああそうなんだ。なんだかロキドのやつどっかに行っちゃって……。
= えっ!?ロキド……ですって!
- ちっちがうのよお母さん!
ロキドはロキドでもお母さんだって大丈夫な感じのロキドになってるから!
= …………?
R ……すまん。支度に時間がかかった。
- あっ!ロキド?早く早く!お母さんに……
R ああ……いま行く。
待たせたな。
- ろ、ロキドっ!?
= ひいーーーーっ!?ま、ま、魔獣ーーーーっ!!!
A あっ!大丈夫か……!
- なっなんなのよその格好ー!お母さんがますますおびえちゃって……
倒れちゃったじゃないのー!
R この装備はな……。魔獣の本能を呼び覚まし俺の肉体をより強化するものだ。
かつての俺はこの装備を身につけるのを避けていた………魔獣の力を頼ることになるからだ。
だが……今の俺は我が血統に誇りを持っている。
この装備をまとうことにもはやなんのためらいもないのだ……!
何を……言ってるの?なんでわざわざそんな怖い姿になっちゃうのよお……!
R 俺はな。魔獣の血を引く者としてありのままの姿で人間とも魔獣ともわかり合いたいのだ。
俺は混血ゆえか純粋な魔獣と違いより人に似た姿へ変わることはできん。だがだからと言って……
人間の礼服に身を包んで姿形をごまかすようなことはしたくない。
- そんなの……よくわかんない。
なんでロキド……アタシの邪魔をするの……?
アタシのこと嫌いなの……?
R そんなことはない。お前の気持ちはいつも嬉しく思っているぞ。
- …………。
うそつき……!
……ロキドのバカーーーー-ッ!
R やはり……わかってはもらえんか。
A とりあえずこの人を介抱しよう。
R ああそうだな。
A ……もう気分は落ち着いたか?
= ……ごめんなさい。みっともないところを見せてしまって。
A なあ……聞かせてくれないか?
どうしてあんたそんなにもロキドを怖がるんだ?ロキドは本当にいいヤツだぞ。
R ……アルド……
= …………。
私も……いまは昔ほどにはロキドのことを悪く思ってないのよ。
A 本当か……!?
= ええ。うちの娘からいろいろロキドの話を聞かされたの。
あの子ときたら私がちゃんと話を間いてくれるまで口を利かないとか言い出して……
10日間も私と何の話もしてくれなくて私のほうが根負けしたのよ。
A やっぱりあの子……すごいな。
= 嬉しそうにロキドの話をする娘の表情を見ていたら私のほうが間違ってると思えてきたわ。
A そうだったのか……。それは本当に良かった。
= うちは母ひとり子ひとりで父親がいないから……
もしかするとロキドに対して父親に似た気持ちを抱いてるのかしら?なんて思って。
R そうだな。たしかにあの子の振る舞いを見ているとそんなふうにも思える。
= だけど………私は今でも……
やっぱり魔獣が……怖いの。そして……
そして……憎んでいるわ。
A そんな……
R もしかすると……魔獣との間に何かあったのか?
= …………。
私の夫……あの子の父親はミグランスの兵士だった。
だけどあの子が幼いころに魔獣との戦で命を落としたの……。ううっ……!
A そう……だったのか………
R …………。
………話はよくわかった。
そういう事情ならば魔獣の血をひく俺のことを恐れたり憎むのも仕方がないだろう。
= ……ごめんなさい。
R いいのだ。人の心とはままならぬもの。誰が悪いというわけでもないのだからな。
A ロキド……。
R さて。あの子を探してくるか。
そして……
これを最後に俺はもう2度とあの子とは会わん。
= えっ……!?
R 俺とあの子が会うことで母親のあんたにつらい想いをさせるのはしのびない。
= …………。
R そっちは村の中を探してみてくれ。俺たちは村の外を探してくる。
さあ行こうアルド。あの子に会ったらよく言い聞かせねばならん。
A 本当に……それでいいんだな?
R もちろんだ。まずはヌアル平原にでも向かってみるか。
***
- ……もう!ロキドなんて嫌い!
アタシあんなに頑張ったのに。台無しじゃないの……!
= ……ギギギギ………
- な、なに!?今の……!
……きゃーーーーっ!
ヌアル平原
A ……あっ!あれは!?
なんだあの魔物は!?いったいどこから現れたんだ……!
- いや……助けて……ロキド……!
ロキド!お兄ちゃん!!
R 怪我は無いか!?
- ううん……!だいじょうぶ!
A おいロキド……!こいつはかなり手強いぞ!
R わかっている!油断するなアルド!
- 怖かったよーっ!ロキドーーーっ!
- うむ。無事で良かった。
だが……さっきの魔物はまだこの近くにいるはずだ。安心するのは早いぞ。
A そうだな。とにかくいったんバルオキーに帰ろ……
= きゃーーーーっ!?
A な、なんだっ!?
- お母さんっ……!?
R むうっ!いかん……!!
- ぐふぅ……!
= ロキドっ!?
- ぐがっ……!!
A ……ええいっ!
= ど、どうして……!?
どうして私なんかのことをかばってくれたの……?
幼くして……父もおらず……たったひとりの母を亡くすなど………
そのような……苦しみをこの子に……味わわせる……わけには……
その……つらさは……誰よりも……俺がよく知っ……
= ロキ……ド……
- いやーーーーっ!
A ロキド……!
しっかりしろ!ロキド!!
…………。
………………。
そんな……!ウソだろ!?
- ねえ!どうしたの!?
A …………。
もう……息をして……ない……。
= そんな……!私を助けるために……?
- やだやだやだやだ……!目を覚ましてよ!ロキド!!
ロキ……
ロキドーーーーーっ!!
A …………。
A くそっ……!あいつのせいで……ロキドが……
許さないっ!よくも……よくもロキドを!!
……ギ、ギイッ!
A ぐっ……!
くそっ!ロキドの……仇を……!
……がはっ!
……アルド……
……友が……戦っている……
助けに……いかねばならん……
我が拳……涙を止める……
力なき者を護りぬく……ため……
……ぬうううっっっっん!!!
R …………。
……かはっ!
- ……っ!?
R アルド……!いま行くぞ……!!
= ああ……ロキド!
- ロキドぉ……良かった……!生きてたぁ……!
R お前たちはここにいろ!
あの魔物は……
俺がしとめてくる!!
***
R すまんアルド!遅くなった!
A ろ、ロキド!?お前……!!
R 話はあとだ!いまは……
こいつを倒さねばならん!
A ああ!わかった!ロキドさえいてくれるなら……
絶対に負けやしない!!
***
- やったねロキド!かっこ良かったよーー♪
= 私のせいで……ごめんなさい。
バルオキーでこの子が見つからなくて村の外を捜していたらあんなことに……
私がおとなしく村で待っていればロキドをあんな目に遭わせたりしなかったのね………
R いやいいのだ。娘が心配なのは母親として当然のことだからな。
それより……俺のほうこそすまなかった。
= えっ!?な、何が……?
R 目の前で魔獣の力をふるってしまったことだ。
過去の話を聞いた限りではそういう状況を見てしまうのはさぞつらいだろう?
= 私の……気持ちを……?
ロキド……あなたという人は……
信じられないほど優しくて……そして強い心の持ち主なのね。
A だから言っただろ?ロキドは本当にいいヤツだって。
= ええ、その通りだった………
- ……ねえねえお母さん!だったらロキドのこと好きになってくれた?
= そうね。お母さんも……ロキドのこと大好きになったわ。
- やったぁーーっ!
A それでこのあとあんたたちはどうするんだ?
= バルオキーでの用事は済んだのでこの子とユニガンに帰ろうかと………
R それならば俺たちがユニガンまで送り届けよう。
A ああそれがいい。
- ありがとロキド!お兄ちゃん!
= 助かるわ。ロキドがいっしょなら道中も安心ね。
- えヘヘ♪ロキドとお母さんがいっしょだなんて夢みたい……!
王都 ユニガン
= ……二人ともありがとう。
それからロキドにはいままでのことを心から謝らせてちょうだい。
R いや……その言葉だけで充分だ。本当にありがたい。
俺はいま父の遺志を継いで人間と魔獣が共に生きてゆける世界を目指している。
あれほど魔獣を噌んでいた人間からそんな言葉が聞けるとは……
父が目指し俺が望む世界の実現もけっして夢物語ではないと……そう信じる勇気をもらった。
A 良かったなロキド。本当のお前を知ってもらえればこうやってわかってくれるんだよ。
- そうよ!ロキドのこの姿だって最初はちょっと怖かったけど………
いつもよりフカフカで気持ちいいー-ーっ!
アタシこっちのほうが好きーーっ!
R こ、こら……!俺の毛並みを乱してくれるなと何度言えば………
= ……ねえロキド。良かったら今度はうちに遊びに来てくれる?
この子も喜ぶし私の家でいっしょにご飯でも食べましょう。私の手料理をごちそうするから。
- あのねロキド!お母さんはお料理とってもじょうずなんだよ!
R そうか……。手料理などいつ以来であろう。
母の料理は俺が幼すぎてもう覚えておらんのだ。
= だったら普段はどんなものを食べているの?苦手なものとかは?
R 苦手なものなどない。そんな贅沢を言えるような環境ではなかった。
俺は野山にいる食材はなんでも喰らう。幼い頃はよく……
木の実を集めキノコを狩り様々な虫や宿を背負った蟹などを獲ったものだ。
A む、虫……!?
R ……ははっ!それは子供のときの話だ。
大人になってからはちゃんと魚やら獣やらを獲って喰らっているぞ。
A ……野性味にあふれてるな。
= ぜひ!うちでご飯を!毎日でもいいから!
- ほんとお母さん!?
R いや。さすかにそこまでの迷惑をかけるわけには……
= そんなの気にしないで。いままでのお礼なんだから遠慮なく遊びにきてちょうだい。
R そ、そうか……?
- 毎日ロキドが来てくれたらなんだかもう……
結婚しちゃったみたいっv
= あらうふふ。この子ったら恥ずかしいわ♪
A ……それにしてもあのときは焦ったよ。
息も鼓動も止まってたんだから……。
R それを聞く限りどうやら俺は本当に死んでいたのだな。
A ああ……。傷もひどかったしひと目でダメだと思ったんだ。
だとすると……俺があのときに見た夢はいったいなんだったのだろう……?
A あのときの夢って?
R 実はな。あの魔物にやられて倒れていたとき……
……ん?
なんだこれは?俺が倒れている……?
いったいどうなっているのだ?
「……おや?死にたての魂かな?
これは珍しい。新鮮な魂にめぐり逢うなんて。
お前は……この状況について事情がわかるのか?
「事情なんて単純だよ。
ただ君が死んでしまった……というだけのことだから。
俺が……死んだだと!?
「ああそうさ。だけど心配することはない。
このあと君が還るべきところへ僕がちゃんと還してあげるから。
アルド……!
俺はまだ死ぬわけにはいかん。
そんなことを言われてももう死んでるけどね。
いいや!友が戦っているのだ!助けにいかねばならん!
「ふうん。義理堅いな君は。
だったら……特別に教えてあげようかな。
君が生き返る方法を……
本当か!?恩に着る!いったいどんな方法なんだ……!
「まあ簡単なことさ。
煉獄の鎌の遣い手であるこの僕をここから追い払ってごらん。
君はまだ死にたてだしそれができたら……
君の魂は肉体に戻れるはずだよ。
なんと!それだけでいいのか!?
ぬっ!?ど、どういうことだ……!?
俺の攻撃が当たらん!
「ははっ!言い忘れてたけと………
魂には実体がないからね。僕の肉体に触れることなんてできやしないよ?
さあ……これで気が済んだだろ?
君の今生はもう終わったんだ。すっぱりあきらめてこの僕の鎌で………
あきらめることなどできん!!
我が拳はか弱き者の流す涙を止めるためにあるのだ……。
俺の……拳は……!
= …………?
俺の拳は……力なき者を護りぬくためにある!
= なっ……!?
いまこそ!俺は生き返る!
俺の渾身の拳……受けてみよ!
= ちょ……ちょっと待った……!
……ウワアアアアアアアッ!!!
R ……というような夢だった。
夢が終わるとふいに俺は意識を取り戻したのだ。
A そ、それってもしかして……
イルルゥの仕事仲間みたいな人だったんじゃ?
まあ理由は何でもいいか。
オレはこうしてまたロキドと話せるだけで嬉しいよ。
R そうだな。俺も同じだアルド。心配をかけてすまなかった。
俺はこの世界を素晴らしきものにするため……
そしてアルドとともに歩み続けるため……
これから先も何度でも蘇ってみせよう!
- Quest Complete -