Gamerch
白黒wiki

【白猫】Wings of hearts Story 中編

最終更新日時 :
1人が閲覧中
最終更新者:にゃん


目次


Story4 ムカつくやつは

Story5 男気あふるる

Story6 遭遇

Story7 守護天使と悪魔殺し

Story8 尻拭い

Story9 揺れる心





story4 ムカつくやつは



ふあ……

……おはよう、レイン。

(…………)

……あさごはん、つくろ……

……?外にだれかいる……?


だれ……?

……チッ、起きてきやがった。

あ……くだもの屋の……!

ダンナ。こいつも悪魔なんですかい?

ああそうだ。まだ子供だが……もう一人の方がやべえ。

え……なにをいってるの?

おいガキ。あいつはどうした。

いえでねてるけど……

よし、早いとこ済ませちまおう。

<村人はロニーの家の周りに油を撒き始めた。>

ちょ、ちょっと……!なにしてんだよ!

悪魔め……!家ごと燃やしてやる!!

悪魔!!この村から出ていけ!!

うそでしょ……?や、やめて……!やめて!!

俺の店を潰しやがって……!同じ目に遭わせてやる!

それは、おまえが ぼくを どろぼうあつかいするからだろ!

おい、もう充分撒いたろ。……よし、みんな、火をつけろ!

なんだよ……なんだよ!せっかく、ころされるところを助けてやったのに!

<ロニーを押しのけ、村人たちがたいまつを手に家へと近づいてゆく。>

全部燃えちまえ!!死ね!!悪魔!!

…………

レインのいうとおりだ……ムカつくやつは……しんだほうがいいっ!!

レイィィィン!!

うるせえ、ガキ!!お前はあとでたっぷりと――


外がうるせーから何かと思えば……ガキィ、オメーいい感じじゃねーか!

レイン!!こいつらみんな……ブチのめしちゃおう!!

ハハハハハッ!そうこなくっちゃナァ!?


……おい。話が違うぞ。なんだよこいつ……!

いや……!殺される!殺されるー!

逃げろおおおお!!

おい!逃げんな!!くそ、腑抜けどもが……!

まずはこいつだな?

やって!ねえ、やっちゃってよ!

…………ひいいぃぃぃ!!

……いいね、追いかけっこだ。レイン、あいつらをいっぱい怖がらせてあげよう。

……フン!

そうだ……そうだ!!ぼくにはレインがいる!!

ぼくはなんだってできる!!なんだって思いのままだ!

お父さんとお母さんも、きっとぼくを見てくれる!

――レインさえいれば!!

…………?

(何だ……?)


TOP↑

story5 男気あふるる



<――時は少し前にさかのぼる。>


パトパトパトパトパトロ~ル♪朝っぱらからパトロ~ル~♪

アイリス、いじょーがあったらすぐに知らせるのよ!

うん。……いまのところは大丈夫だね、主人公。

<主人公たちは、ギルドの依頼で街の警備を請け負っていた。>

……このところ、警備の依頼がぐんと増えたよね。

悪いやつが のさばってるのよ!ゆるせないわ、ほんまにもー!


すいませーん!通りまぁぁぁぁす!


なにかが猛スピードではしってったわ!

おもしろそーだからおいかけるわよ!ぎにゃー!!

あ!ま、まって!主人公、私たちも!


いそげいそげいそげいそげ~!

……だいぶ遅れてますね!もうすでに、悪魔は人間に接触しているはず……!

いまならまだ間に合います!……間に合わせらーい!!


はっ……はああ……ひいい……ふうう……

ばあちゃーん!だいじょーぶぅぅぅ!?

苦しいんですか!?大丈夫、わたしがすぐに治したりますよ!

背中がカユイ。お嬢ちゃん、すまんがカイてくれんかのう。

……あら。そうなのですね……――では、カキカキします!

おほ~う……ごくらくごくらく…………オヤ、天使が見える。気持ちよすぎてお迎えがきちゃったかい?

いーえおばあさん!あなたはまだまだ長生きしますよ!わたしが保証したります!

ありがたやありがたや……

失礼しまぁぁぁす!


おまち!!

待ちます!!


……天使……?

はい、いかにも!わたしはルカ・フォルテス。古都<ニカエア>からやって参りました――

人々を守り、悪を退け、正しき心へと導く守護天使です!

きもちのいい自己しょーかいね!アタシはキャトラよ。

アイリスです。こっちは主人公。

ああ!!あなた方が、飛行島の……!?

私たちをご存知なんですか?

はい!ガレアさまから色々話は聞いていました!うわ~、お会いできて光栄です!

あ、ガレアってかみさまなんだっけ?

急いでる様子ですが、なにかあったんですか?

そうそうそう、そうなんです!わたしはいま急いでいるんです!

じんじょーじゃないわね!ついてってみようかしら!

警備の仕事もひと段落したし……ルカさん、よければお力になりますよ。

本当ですか!?うわ~、ガレアさまの言うとおり、親切な方たちです~!

とりあえず、じじょーを説明してくれるかしら?

わかりました!では、走りながら説明しましょう!

あ!魔物の心配はいりませんよ!みなさん全員――

わたしが守るったるよーい!

守るったるよーい!?

参りましょぉぉう!


TOP↑

story6 遭遇



……そんな訳で、わたしはその悪魔を止めに古都を出立してきたんです!

はあはあ……悪魔といっても、最近は色々な人がいますよね!

はい!不の感情を吸収して生きる、新世代の悪魔のことですね!

はあ、ふう……ただ、それ以外の悪魔は、人間にその存在を忘れられないようにしなければいけない、と!

……ですから、彼らは様々な手段で人間に接触しているのですが!

はあはあはあ……いま追ってるやつが、かなりヤバイ、と!

ええ、それはもう!……あの、少し休みますか!?

そーね!話しにくいったりゃありゃしないわ!はあはあ!



汗冷えしてはいけません。焚き火をしましょう!

でも、あたりいちめん雪がつもってるわよ。

えっさほいさえっさほいさ!!えっさほいさー!!

<ルカは持っている杖で雪かきを始めた!……猛烈な勢いである!>

荒々しいわね!!

<ほどよい焚き火スペースを確保するルカ。すると今度は――>

はいっ!はいっ!はーーーーい!!

<まるで別の生き物のように、するすると木に登っていく!>

ごめんなさいね~。ちょっと、剪定させてくださいね~。

<ルカは何本かの枝を切り落とす。――手刀である。>

荒々しいわね!!ていうか飛べば!?


…………

……


ルカさん、ありがとうございます。あったかいです♪

……アンタってさ、天使のわりにずいぶんとサッパリしてるわね、色々と。

あ、それよく言われるんですよね~。

なんか、男気!ってかんじね。

……古都では<男気天使>で通っております……

私はとっても素敵だと思いますよ、ルカさん。凛としてるというか……

そ、そ~ですかね~。へへっ!

……あ、そういえばわたし、握り飯を作ってきたんです!食べますか?握り飯。

握り飯て……


助けてええええええ!

死にたくねえよお~!


な……なにごとです!?


ははははは!まてまて~!!

おいガキ、そろそろいいだろ。この辺でさっさと――

……!


あ、あなたは……<悪魔殺し>!!

こいつが……!

……?おねーさんたち、だあれ?村の人じゃないよね。

お子様さん!!……えーと、お名前は!?

ぼくはロニー。ねえおねーさん、きれーな羽だね。おねーさんも悪魔なの?

わたしは、あなたを守りにきた天使です!

さあ、もう安心ですよ!ロニー君、こっちへおいで!

そうはいくかよ。

……ずいぶんと遅かったじゃねえか。……クソ天使様よお。



TOP↑

story7 守護天使と悪魔殺し



<悪魔殺し>。その子を解放しなさい。

解放?レイン、このおねーさんはなにをいってるの?

オメーは黙ってろ。……テメー、守護天使だな?ハハ、こいつぁいい。

渡しなさいと言っています。そして大人しく、国へ帰りなさい。

ずいぶんと偉そうじゃねーか?ああ!?

――!

……んだテメーは。

……おー、いいオーラ出しやがる。テメーも俺と遊んでくれんのか?

ククク……ブチのめしてやるよッ!

<――来る!>

この方たちは関係ありません。攻撃するならわたしを狙いなさい。

……さあ、ロニー君。こっちへ来るのです。

させるか!

お、おねーさん!ぼくは行かないよ!

レインといっしょに、せかいをせーふくするんだ!ね、レイン!

……悪魔!言葉たくみに、この子の精神を支配しましたね!?

好き勝手いってんじゃねえっ!

いい機会だ。守護天使と悪魔殺し……

どっちの力が上か、試してみようじゃねえか!!

みなさん!ここはわたしに任せてください!

で、でも……

大丈夫。わたしは守護天使――

命に代えても、お前ら守ったるかんなああああああ!!

レ、レイン――

どっか行け、クソガキ。チラチラ視界に入られると気が散ってかなわねえ。

……うん……


ど、どーする!?

……私たちも、まずは下がりましょう。


…………

……


<雪が舞う白銀の空で、天使と悪魔は織烈な戦いを繰り広げていた。>


オラァッ!!

せぇーいっ!

ラチがあかねえ……!

<レインは膨大な<気>を全身に溜め――>

ラァッ!!

<渾身の一撃を叩き込む!……しかし!>

はっ!!

<神々しい光を放つ純白の翼がルカを包み込むと、ブ厚い防御壁を形成した!

破れぬ壁に、巨大な斧はギリギリと悲鳴を上げる――>

あーーー!ウザてえんだよ!!

あなたの刃は、わたしには届かない……!あきらめる事ですね!

…………


<レインはその翼をはためかせ、何事か測るようにゆっくりと地上に舞い降りた。>

どうやったらテメーをブチのめせるんだろうなぁ。

はあ、はあ……

!!ロニー君、来ちゃだめ!!

もう……もうやめてよ!!


TOP↑

story8 尻拭い



おい、クソガキ!俺の視界に入るなっつったろ!

レイン、もうやめようよ!そんな人はほっといて、早くさっきのやつらを――

ロニー君!目を覚まして!あなたはこの悪魔に――

おねーさんも、もうレインと戦わないで!……おねがい!おねがいだよ……

レインは……ぼくのたったひとりのともだちなんだ!!

えっ……

…………何が友達だクソガキ……

……!

ほら、いこうよレイン!ぼくに力をかしてくれるんでしょ!?

……ねえ、あなた達は……

やーっと追いついた!ロニーったら足がはやいのね!

ルカさん!大丈夫ですか!?


「だいじょうぶじゃないんじゃな~い?」


だってぼくが来たんだもの。

エ……エルゴラム様!

レインくぅぅぅぅぅ~~ん。甘いよぉぉぉ。甘すぎだよぉぉぉ。

ずっと<覗いて>たけどさぁ~。な~にをチンタラやってんだよぉ。仕事できなさすぎぃぃぃ~。


お前は…………エルゴラム……!

あ、守護天使ちゃんだ。ぼくの名前知ってるんだね~。ありがたや~。

な……なんなの!?こいつ!!

<悪魔殺し>と同じ……<サタニアス>に住む悪魔です。

こんな無能と同じにしないでくれる?いちおー、上司だし。

中間管理職って辛いよねー。部下の尻拭いをしなきゃなんないんだから。

あ、愛の女神ちゃんは元気?昔はよく一緒にお茶会とかしたなー。してないけど。

ふざけないで!

エルゴラム様!俺はまだ――

あーいいっていいって。言い訳なんか聞きたくない。

あのさあ、120点の仕事に時間をかけるよりさあ、70点の仕事をパパッっと持ってきてほしいのね、ぼくは。

今のちみ、10点。

な、なんなの……!?レイン、この人はだれ……?

ぼくはね、レイン君の味方だよ。つまり、きみの味方。

怖がらなくて大丈夫だよ~。だからこっちにおいで~。

う、うん……わかった……

!!ロニー君、行ってはダメ!!


ねね、ロニー君。きみの願い……ぼくがすぐにでも叶えてあげる。

えっ……

ぼくってば、彼なんかよりずっと役に立つんだ。せかいせーふくなんてあっという間だよ?

で、でもぼくはレインと――

まあまあまあまあまあまあまあ。そんな事いわずにさ~。

……レインといっしょじゃなきゃ、やだ……

(――おい。こいつら見張っとけや。後は俺がやっからよ)

……わかりました。

(みなさ~ん。……変なマネしたら、ガキンチョの命、いただいちゃうからねん♪)

そういう訳だ。大人しくしとけ。


ひ、ひきょーな……!


TOP↑

story9 揺れる心


さて……ロニー君。おじさんが、本当の事を教えてあげよう。

ほんとうのこと……?

この男……レイン君はね、きみの事をこれっぽちも考えていないんだよ?

だって、せかいせーふくなんてする気はないんだもの。

…………

コイツはねえ……力が弱すぎるんだよ。――人間を支配する力がね。

人の気持ちね、理解する事ができないんだよ~。きみの寂しさ……憎しみ。

そんなもの知ったこっちゃないって感じ。身に覚えがあるだろ?

で、でも……

はっきり言おうか。……レイン君は、きみと友達になるフリをして、きみの魂を食べようとしているんだよ。

ロニーくぅぅん。きみは騙されているんだよぉぉ~?

エルゴラム!!

黙れ。

う、うそだよね……レイン。

うそじゃないぉ~。……ねえ、コイツといたら、きみはいつまでもひとりぼっちだよ?

――お父さんとお母さんは、戻ってはこないよ?

!!

(だめ、このままじゃ……!)

……妙なマネはするなよ?

(……レイン!……あなたは、本当は……!)

……やだ……そんなの、やだよ……

やだよねえ?お父さんとお母さんに帰ってきてほしいよねえ?

……おじさんの力を使いなよ。そうすれば、二人はきっとまたきみを愛してくれるよ?

……どうすればいいの……?

きみの魂をちょこっとおじさんに預けてくれればいいんだ。だいじょうぶだいじょうぶ、ホント、ちろっと預かるだけだから。

ああ、かわいそうなロニー君。……大丈夫!おじさんがウマイ事やってあげるからね……

<エルゴラムはロニーの頭をゆっくりとなでた。>


さあ選ぶんだ!!レインとおじさん、どっちがいい!?

…………

……おじさん……


…………!

(まただ……!何かが、俺を……!)




next



コメント (Wings of hearts Story2)
  • 総コメント数0
新着スレッド(白黒wiki)
注目記事
ページトップへ