【白猫】Wings of hearts Story 序章
Wings of hearts Story0
序章 悪魔を屠る悪魔
『――!』
「……ったく、こんな所にまで潜り込んでるなんてな。
外界の連中はカンタンにはこれねーはずなんだけどな、ここ。」
『<悪魔殺し>ィィィ! 覚悟ォォォォ!』
「うるせーよ。威勢だけはいい弱小悪魔が。」
「お~い。レインくぅ~~ん。」
「……エルゴラム様。」
「や~、殺してるね~。イイヨイイヨ~。その調子ダヨ~。」
「この間の小競り合いは沈静化しましたが……何匹か進入を許してしまったみたいすね。」
「ね~。ほんとヤだよね~。困っちゃうよね~。使えないよね~。下っ端の奴らはさー。
……そんな訳で、予定を少し早めることにしました。
レインくん、今からすぐ行っちゃおう。ナ~ウ!」
「今から、っすか?」
「うん。あのね、小耳に挟んだ情報によると、どうやらクソ天使も出張ってくるらしくてね。
だからさ、悪は急げ、だよ!人間を利用して、僕たち悪魔の存在を知ってもらおうじゃないの~。」
「……わかりました。」
「出張費は出るからね~。なんつって。」
「それで、どんな人間なんすか?」
「――さみしんぼ。」
Story2 守護を司る天使
「お弁当よし!水筒よし!ハンカチよし!
わたしよし!!
よーし!待っててくださいお子様さん!守護天使のわたしが――」
「なにがなんでも守ったらーい!!」
「ルカ。」
ルカ・フォルティス |
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「……っとと!女神さま!」
「出立の儀式、ご苦労様でした。」
「はい!初めてなので緊張しましたが、どうってことないです!へへっ!」
「ふふ。……あなたには、何の心配もしておりませんよ。胸を張ってお行きなさい。」
「ありがとうございます!ルカ・フォルテス、賜った使命を精一杯果たせていただきます!
ではっ!行って参りまあぁぁぁす!」
「……ここから飛べばいいのに……」
***
「いそげいそげいそげ~!お子様さんがわたしを待ってる~!」
ガレア・アリスイ |
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「ルカ。」
「……っとと!ガレアさま!」
「止まらなくていい。……見送りに来た。」
「うわあ!ありがとうございます!光栄です!」
「……今、悪魔族はかなりデリケートな状況に陥っている。
……これ以上、彼らに対する人間達の印象を下げる事になれば――
人間に寄り添おうとする悪魔たちの立場も危うくなるだろう。」
「大丈夫です、ガレアさま!人間も、良い悪魔もみんな――
全部わたしが守ったりますからー!!」
「ふ……さすがは<男気天使>だな。」
「あ、ちょ、ガレアさままでー!その二つ名、ぜんぜん女の子ぽくなくてイヤなんですー!」
「俺は良いと思うぞ?……ところで……
お前の弁当、大丈夫か?箱がバコンバコン揺れてシェイクされているぞ。」
「握り飯なんで大丈夫です!」
(握り飯て……)
「……気をつけてな。」
「はいっ!見送りありがとうございました!では、行って参りまぁぁす!」
「………………飛べよ……」
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悪魔の企てを阻止するため、守護天使は出立する!