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カルロス・テニスの思い出

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思い出1



オラアアアアーッ! 邪魔するぜ!

相変わらず声が大さいわね!

こんにちは、カルロスさん。

うむ! 息災かアイリス、キャトラ、そして主人公も!

はい。カルロスさんもお元気そうですね♪

もちろん俺も変わりない!

で、今日は一体どうしたってのよっ!?

そうだ! お前たち、ソアラを見なかったか?

ついさっさまでここで一緒にテニスをしてたけど……

なにっ!? それは入れ違いになったということか!?

そのようね!!

(キャトラの声もつられて大きくなってる……)

くっ……ソアラめ。俺の修行を持てんというのか……

あ、勇者の修行のことですか?

アンタたち<魔王>が、勇者を育てる教官なのよね~♪

その通り。今回は、ソアラがテニスを始めたというのでな。

修行の一環にテニスを組み込んだ特訓を考えていた。だが……

ソアラは、俺がメニューを考案している最中に姿を消した。

逃げたの?

そんなわけあるか!アイツはこの俺の弟子なんだぞ!

アンタ巌しくしすざたんじゃない?

キャ、キャトラ……

確かに、俺の特訓は厳しい! それが<勇者の鬼教官>と呼ばれるゆえんだからな!

だがソアラは、音を上げて逃げるような軟弱者ではない!

ああ、それもそうねえ。でも、そもそもアンタ、テニス出来るの?

ファッファッファ! 出来るかだと!? 出来ないわけがないではないか!

なに……? 俺の指導を受けてみたいだと……?

ふむ? 俺の特訓が厳しいことで有名なのは知っているか?

甘っちょろい考えだと痛い目を見るぞ。

それでもなお受けたいと、そういうのだな?

よかろう! そこまでの覚悟があるのならば引き受ける!

まあ、期間限定にはなるかな。

魔王カルロス・エルグランドが貴様の手並みをとくと拝見しようではないか!



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思い出2 (LV20)



まず、これがラケットだ。このようにグリップする。

(そこから!?)

いいか、何事も基本が大切なのだ。

基礎をおろそかにする者に、応用が利くわけもなし、だ。

足を肩幅に開き、腰を落とす。しっかりと膝を使え!

いかなるボールにも対応できるように、視線を集中!

うむ! 初心者にしてはなかなか筋が良いぞ!

だって主人子は初心者じゃないもの。

なんだと!? それは本当か?

なんだよ~、もー、それ先に言ってよ~。時間の無駄じゃ~ん!

そういうとこ抜けてるわね~。

失敬なっ! 俺は抜けてなどいないっ!

今までのはこいつの実力を測っていたまでのこと。

出来るというのならば、上級者向けに切り替えるまで。

<極楽から急転直下>コース、受けて立つか!?

よかろう、次の特訓はこれだ!


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思い出3 (LV40)



テニス上級者を自負する貴様への地獄特訓メニューは、これだ!      、

走り込み、コート10周! ボールマシン打ち返し、100球!

あ、あれ? 意外と普通……?

……を、10000セットだ!

このくらいで驚いてどうする。

反復練習が強靭な精神力を生むんだぞ。いざ!

主人公、大丈夫かな……?

こんな無茶振り、アタシでもやらないわ。

甘いな……キャトラよ。それでは名コーチの名も廃ろう。

なんでよ?

<勇者>とは! 最後の最後に不屈の精神力がモノを言うのだ。

勇者を育てる、それすなわち、踏まれても踏まれても立ち上がれる者を鍛えること。

あのねえ。だから踏みつけ続けるっての?

否! 強靭な精神を強靭な肉体に宿すのだ!

さあ、己の限界を超えてみせろ!!

うむ! <勇者>の素質大いに有りだ!

主人公は、勇者を目指してるんじゃないわよ~…… 



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思い出4 (LV60)




10周100球10000セット、こなしたか。

よし。では次の段階へ移る。

さあ、これに履き替えるのだ。

今度は何させようっての?

そう、いつものシューズの100万倍の重さがある!

まさかラケットも……?

体力増強用<地獄の蹄鉄>シューズと<獄卒の観株>ラケットだ!

こんなもんいつ用意したのよ!?

備えあれば憂いなし、だ!これを手足のごとく使いこなせ!

まともに動けないじゃない!

目標はこれらを身に着けたまま普段通りの動きをすること!

心頭滅却すれば鉄もまた軽しだ!

んなわけあるかー! アンタが持ってみなさいよ!

お安い御用だ! この程度の重さで持てなくてどうする!

あ……

さ、さあ! あのラケットを取ってこい!

こんなんでまともにテニスの練習ができるのかしら……?


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思い出5 (LV80)




そう、そうだ!それだよ! その持ち方だ!

なにごとよ!?

無駄な力が抜けて、ベストな状態でグリップでさているぞ!

修行は無駄じゃなかったってことね!

その通りだ!貴様もよく喰らい付いてきた! その心意気や良し、だ!

ここからは俺ガ直々に相手を務めよう! 試合をするぞ!

さあ、この爆塵の魔王、カルロス・エルグランドの一球を受けてみよ! ウルァ!

うむ! よく受けた! だがまだまだぁ!

貴様ぁ!たるんでるぞ!!

そんなヘナチョコ球でこの<魔王>が倒せるかぁ!

気合が足りんぞ!! 腹の底から気合を入れろっ!!

カルロス、燃えてるわねえ……

まだまだ行くぞぉ! さあ遠慮は要らん殺す気でかかってこーい!!


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思い出6 (覚醒進化) (LV100)



休憩もしないでずっとやってるね。

もう、いい加減終わりにすれば~?

うむ。それもそうだな。試合はこのくらいにしておくか?

よし、では次の修行は……

お、終わるんじゃなかったの!?

何をいう。準備運動が終わったところだ。

<極楽から急転直下>コースはまたまだここからが本番たぞ。

い、いくらなんでもこれ以上は主人公が潰れるわ!

フン……この程度で潰れるだと? 甘い、甘いぞキャトラよ!

貴様、そんな生半可な気持ちだったのか?

その程度の覚悟でこの俺に教えを請うたのかっ!?

そうだろう! キャトラよ、<鬼教官>をナメてもらっては困るな。

本人にやる気がある以上、ここで俺が引くわけにはいかん!

アタシだって引けないわっ!

ぎにゃー!! 主人公はアタシの教え子でもあるのよ!

ぐぬぬぬ! 譲ってたまるか!

カルロス! アンタはソアラの師匠でしょ!

飛行鳥にはソアラを探しに来たんじゃない!

きっと今ごろソアラもアンタを探しているはずよ!

そう、その通りだキャトラよ!

熱くなりすきて弟子を失念するとはカルロス・エルグランド何たる不覚!

俺にはソアラを立派な<勇者テニスプレーヤー>にする義務があるのだぁ!

(勇者テニスプレーヤー……って何だろう?)

ならば行かねばなるまい! 我が最愛の弟子が持つ彼の地へと今すぐに!

いや、たがしかし……志半ばの者を放り出すわけには……

許すというのか……? クッ……すまない。

貴様ほどの素質ある者、いずれ道の途中で我が弟子と相見えることもあろう!

邪魔したな、俺は行く! 首を洗って待っていろソアラめぇぇぇ!!

この俺が<煉獄の閃光>特訓でとことん鍛え抜いてやる!!


なんだか……すごかったね。

そうね。まあ、何はともあれ……熱い男だわ。





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