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【アナデン】デュナリス Story

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アナザーエデン・キャラクエスト「デュナリス編」
2019/05/17


目次


Story1 塊のおくり手

旅の途中で相棒のブランから呼び止められたデュナリス。

急な葬儀の依頼で依頼主はかなり困っているらしいが……。


Story2

Story3





story1



「おや……?」

「ん……?どうかしたのかデュナリス?」

「ああ……ブランが何かに気づいたみたいなんだ」

「ブランって……」

「向こうを見てごらん。

あれが僕の相棒のブランだよ」

「相棒……?あれって魔物だよな?」

「うんそうだね。僕たち魔獣族にはときどきとても友好的な魔物が現れるんだ。

魔獣のルーツが魔物たちにあるからとも言われてるけど………

いずれにしても僕にとってはそれがブランだったというわけだよ」

「ふうんなるほどな……。

それでさっきブランが何がに気づいたって言ってなかったか?」

「うん。少し待っていてよ。

おいで僕のブラン!」

「わっ!賢い鳥だな……!」

「ふんふん……なるほど………

……そうかい。そういうことなら急いだほうがいいかもしれないね……」

「なにをぶつぶつ言ってるんだ?デュナリス……」

「それで場所は……

うんうん……わかったよ。いつもありがとうブラン。

ああ、ごめんねアルドくん。ブランが僕宛てに依頼が来てるって教えてくれたんだ」

「……教えてくれた?」

「そうだよ。ブランと僕は話ができるからね」

「ええっ……!?じゃあさっきぶつぶつ言ってたのは独り言じゃなくて……」

「もちろんブランと話していたんだ」

「すごいじゃないか……!オレとも話してくれるかな?」

「うーん……どうだろうね。試してみるかい?」

「えっと……

なあブラン。オレはアルドっていってデュナリスの仲間なんだ」

『ああ、デュナリスから聞いてるぜ。よろしくなアルド』

「おお……!すごい!本当にしゃべれるんだな!」

『も、もちろんだぜ……フフッ』

「……ん?」

「ふっ……くくッ……」

「な、なにを笑ってるんだ……?」

「あっはっはっは……!いやまさか本気にするなんて思わなくて……」

「あっ……!じゃあいまブランがしゃべったのって……」

「うん。僕の腹話術だよ。

ごめんよ……悪いとは思ったんだけどアルドくんの反応が面白すぎてつい……」

「ちぇっ……せっかくブランと話せると思ったのに……」

「残念だけど言葉が通じるのはブランの間だけだからね」

「そうなのか……

あれ?じゃあ依頼主はどうやって仕事を頼むんだ……?ブランとは話せないんだろ?」

「もちろん。だからたいていはブランに手紙を預けてもらってるよ」

「なるほど。たしかにそれなら話せなくても問題ないな」

「そういうことだね。まあ場合にもよるんだけど……」

「それで依頼の内容はなんだったんだ?」

「仕事だよ。僕は亡くなった同族の魂を「送る」のを生業にしているんだ」

「同族の魂を送る……?」

「平たく言えば魔獣の弔いをしてるってことだよ。葬儀士なんて呼ばれてるね」

「じゃあ今回も葬儀の依頼がきたってことか」

「うん。依頼主もかなり困ってるみたいでね。

それでセレナ海岸ヘ向かいたいんだけどいいかな?」

「ああ、もちろん。セレナ海岸に急ごう」


「……大丈夫。何も心配はいらないよ」



- Quest Accepted -



「そこのあなた……ちょっといいかな?」

「ん?なんだあんたら?魔獣と人間なんてずいぶんおかしな組み合わせだな……」

「僕はデュナリス。旅の葬儀士さ。

こちらの大陸に渡る前は蛇骨島で弔いの仕事をしていてね……」

「蛇骨島で葬儀を……!?

そいつは助かる!ちょうど困っていたところなんだ!」

「えっと……いったい何をそんなに困ることがあるんだ?ただ弔いがしたいんだよな」

「実は……亡くした妻が蛇骨島の出身でな。

俺は生まれも育ちもこっちの大陸だからあの島の葬儀の仕方がわからなくてよ……」

「えっ……そうなのか?」

「人間も住む場所や宗教によって冠婚葬祭のやり方は様々だろう?魔獣も同じことさ。

蛇骨島の場合は『穹葬』というちょっと変わった弔い方でね」

「蛇骨島の穹葬か……オレちょっと知ってるぞ」

「そうなのかい?それは驚いたな……」

「とは言っても縁があって少し手伝ったくらいだけどな。詳しいことはさっぱりだよ」

「なるほどね……。

あれは簡単に言えば亡くなった魔獣の魂を天の園へと導くための儀式なんだ」

「天の園か……たしかに妻がよく口にしていたな」

「肉体を離れた魔獣の魂は『翼持つ者』によって天の園へと導かれ永遠の安寧を得る……。

蛇骨島の魔獣たちはみんなそう信じているんだよ」

「それで妻は自分が死んだら穹葬を……と言っていたのか。

危うくいい加減な弔いをするところだった……」

「知らなかったものは仕方ないよ。

だからこそ僕が来たんだ。あなたにきちんとした穹葬をしてもらうために……ね」

「頼もしいな……!それじゃあよろしく頼む!」

「準備をするならオレも手伝うよ。まずは何をすればいいんだ?」

「まずはそうだね……魂の依代となるもの……奥さんの形見なんかがあるといいんだけど………」

「ふむ……妻の形見……

それなら息子が持ってるはずだ」

「息子さんか……その子はどこにいるんだ?」

「この海岸の少し先……海を見渡せる崖のほうだよ。

そこで妻と俺と息子の3人でよく波を眺めたんだ」

「そっか……息子さんも辛いだろうな……」

「……そうだね。だからこそきちんと送ってあげるべきなんだ。

葬儀は遺された側のための儀式でもある……

……なんてありふれた言い方になっちゃうけどね」

「いや……たしかにいまの息子にとって葬儀は必要なことなんだと思う。

よろしくなデュナリスさん」

「できることはさせてもらうよ。

それじゃあ息子さんのいる海の見えるところへ行こうか」


 ***


「母さん……」

「あの子が息子さんだね」

「やっぱりここにいたんだな……」

「父さん……どうしたの?このひと達は……?」

「実はこのひとに母さんの弔いを頼もうと思ってな。

そのために母さんの形見が必要なんだ。あの短剣を渡してもらえないか?」

「え……これを?

……い、いやだ!

父さんだって知ってるだろ?これは母さんがいつも持ってたものなんだ……!」

「母さんが恋しい気持ちはわかる。

しかし……お前は母さんと約束したはずだろう?立派な魔獣になると……

いつまでも泣いていてはいけない。母さんをきちんと弔うためにもその短剣を父さんに渡すんだ」

「……いやだ!弔いなんてそんなのしなくていい!」

「お前……」

 「……どうするんだ?まさかあんなに嫌がるなんて……」

「やあ僕はデュナリス。きみのお母さんの穹葬を頼まれてやってきたんだ」

「きゅうそう?なにそれ……?」

「お母さんの魂を天の園に送る大事な儀式のことだよ。

そしてその儀式にはきみが持っているお母さんの形見が必要なんだ」

「天の園……?送る……?」

「以前お母さんから間いたことがあるんじゃないかな?

亡くなった魔獣の魂は天の園というところで平和に暮らす……と」

「そんなの……そんなの知らない……!

母さんはぼくとずっとー緒にいるんだっ!!」

「待ちなさい……!

……申し訳ない。息子は母親に甘えてばかりだったもので……」

「甘えたい盛りじゃないか。あんたが謝ることじゃないよ。

でも困ったな……あの子形見を渡してくれそうにないぞ?

えっと……短剣なんだっけ」

「ああ。護身用の短剣だ。

故郷を出る時に両親から贈られた物らしくてな……妻は肌身離さず持っていたよ」

「肌身離さずか……

……なあデュナリス。儀式に必要な依り代って別のものじゃダメなのか?」

「残念だけれど………どうしてもあの短剣がいいみたいだからね」

「いいみたい……?」

「……いやなんでもない。気にしないでくれ。

「遺された者が死者との繋がりに固執する気持ちはよくわかるよ。とくに子供ならなおさら……ね。

でも天に旅立とうとする魂を地に立つ僕らが縛りつけていい道理なんてないんだ。

だからあの子にも納得して形見を手放してもらわないと………」

「……そうだな。

まずはあの子を追いかけよう。万がいち人間と鉢合わせたりしたら騒ぎになるかもしれないし……」

「日ごろ人里には近づかないよう教えている。それにあいつはひとりで遠くへ行ったりなんか……」

「いや……その予想は外れだ。

息子さんはカレク湿原に向かっているようだよ」

「カレク湿原だって……!?あそこにはいまの時期凶暴な魔物が出るんだ!

よく言い聞かせていたのに……どうしてあんな場所へ!?」

「理由を考えるのは後だ……!とにかく息子さんか危ないんだろ!?」

「ありがとうブラン。情報助かったよ。

僕たちもすぐにカレク湿原へ向かおう。息子さんを助けなければね!」



「あ、あっちに行けよ!こっちに来るなってば!」

「いたよ!あそこだ!」

「大丈夫か!?」

「父さん……?」

「ひっ……!た、助けて……!助けて母さん!!」

「な、なんだあれ……!?」

「形見の短剣が光っている……!?」

「ブラン………!」

「今だ!早くこっちに!」

「と、父さん!」

「ああ……よく無事で……!」

「いまの光はいったい……?」

「アルドくん話はあとだよ。今はあの魔物を追い払うのが先決だ」


 ***


「ふう……とりあえずこれで安心だな」

「大丈夫?ケガはないかな?」

「う、うん……」

「なんだってこんな魔物が出るところにたったひとりで……」

「ご、ごめんなさい。でもぼく………」

「……ともかく無事ならいいんだ。

ただし、わがままはここまでだ。母さんの形見を渡しなさい」

「うッ……それは……

と、父さんだって見てただろ!?この短剣か光ったおかけでぼくが助かったところを……!

あれはきっと母さんがぼくを守ってくれたんだ……

この短剣は母さんなんだよ!絶対に離れるもんか!」

「お前……!いい加減に……!」

「仕方ないな……ブラン頼むよ」

「な、なんだよ……鳥のくせにぼくに何か言いたいことでもあるのか?」

『…………。

……くそく……』

「え……?」

『約束……したわよね?立派な魔獣になるって……』

「……こ、この声は……!?」

『だったらもう泣かないで……自分のことは自分で守らなきゃ。

もういつまでも私が守れるわけではないのだから……』

「母さん!?母さんなの……!?」

「きみがその短剣に頼っているかぎりお母さんは心配で天の園に旅立てないらしくてね……。

今はブランを介してきみに話しかけているんだ」

「母さん……!」

「でも……死んでしまった者は本来いつまでもこちらにいてはいけない存在……」

「なんで?どうして一緒にいちゃダメなんだよ……!」

「全ての存在はあるべき場所でしか安らかではいられない……。

魚が陸では泳げないように草木が空に根を張れないように……

死んでしまった者がこの世にとどまり続ければいつか必ず苦しむことになる」

「母さんが苦しむ……?そんな……

そんなの絶対やだよ!」

『……ありがとうね。お前ならそう言ってくれると信じていたよ……』

「うう……母さん……」

「さあちゃんとお母さんの魂を天の園へ送ってあげよう。

いつか遠い未来……きみとお母さんが同じ場所で再会できるように、ね」

「……また会えるの?母さんと……」

「……きみのお母さんはそう信じているよ」

「…………。

……わかった。ぼくちゃんと……母さんとお別れ……する」

「……いいのか?」

「うん……。父さんごめん。ぼくずっと弱虫で泣き虫で……

でもこれからは……

……父さんと母さんみたいにちゃんと強い魔獣になるから!」

「……ああ。そうだな」

「母さんの魂を送るにはこの短剣が必要なんだよね?」

「そうだよ。最後のお別れに使うんだ。

だからその時まではきみが持っていてほしい」

「……わかった。ぼくが持っていく。絶対落としたりしないから……」

「その意気だ。一緒にお母さんを送ってあげよう」

「……うん!」

「儀式はどこで行うんだ?」

「そうだね。穹葬は故人の思い入れが強い地で行うものだから……

お母さんにとって大切な場所……きみは知ってるよね?」

「うん!ヌアル平原だよ。ついてきて!」


 ***


「……ここで穹葬をするのか?」

「そうだね。できるかぎり故人にとって大切な場所から送ってあげよう。

これがこれから旅立つ魂にとって見て聞いて感じられる最後の地上の景色だからね」

「とりたてて特別な場所には見えないが……

ここはあいつにとってどんな場所だったんだ……?」

「……前に母さんが言ってたんだ。

ここの風は故郷の風とどこか匂いが似てるって。だからぼく……」

「……危険なカレク湿原を通ってでも来ようとしたんだな。

そのお母さんの形見と一緒に」

「……うん」

「……そうだったのか。俺はそんなことすら知らなかった……」

「母さんね……父さんには内緒だって笑ってた。

故郷に帰りたがってるって思われたら父さんがきっと気にするから……って」

「あいつそんなことを気にして……!」

「……優しいひとだったんだな」

「……それじゃあそろそろ送るとしようか。

この短剣をお母さんの魂の依り代としてブランに託すんだ。

さあブラン。彼女の魂を天の園まで送っておくれ」

「母さん……ばいばい」

「……またな」


「…………。

これで彼女の魂は天の園へと導かれた。もうなにも心配はいらないよ」

「本当に助かったよ。あいつも……妻もきっと喜んでるはずだ。

……ところで葬儀のお代なんだが……」

「それは必要ないよ。もう受け取ってるからね」

「む……?俺はなにも払っていないが……」

「ああいや……

……そうだ。今回は奥さんのご実家からの依頼だったからね。その時に貰ったんだよ」

「そうか……?それならいいんだが……

それじゃあ……本当に世話になった。妻の分まで感謝するよ」

「あの……ありがとう!

母さんを送ってくれて本当にありがとう!」

「ああ。ふたりで強く生きるんだよ。

きっとお母さんも見守ってくれているさ」


「……お代ならきっちりもらってるさ。

なあ……レリアス」

「……ん?どうかしたのか?」

「……いやなんでもないよ」

「それにしてもデュナリスの芝居には驚かされたな」

「芝居……?」

「ほら腹話術でブランにお母さんの魂が宿ってるみたいに話してただろ?」

「ああ……何かと思えば……

あれは僕の言葉じゃなくて本当にお母さんの言葉だよ。僕はそれをただ代弁しただけさ」

「そんなこと言って……オレも2度目は扁されないぞ?

そうだ無事儀式も済んだんだし依頼人に報告しなくていいのか?

亡くなった奥さんの故郷から頼まれたんだよな?」

「そのことなんだけど……

実は今回の依頼奥さんの故郷とは無関係なんだよね」

「……え?

でもあの親子だって依頼主じゃないんだよな……?

じゃあいったい誰がこの葬儀を依頼したんだ?」

「それはね……

亡くなった奥さん本人さ」

「……ええっ!?」

「最初にここに来たときにブランが彼女の魂を見つけてね。

話を聞いてみたところ今回の依頼につながった……ってわけなんだ」

「ちょ、ちょっと待ってくれ。魂を見つけたとか話を聞いたってどういうことだ……!?」

「……ブランには死者の魂が視えるんだ。

そして僕も……ブランの力を借りることで魂を視たり話したりできるんだよ」

「じゃあさっきの芝居は……」

「魂がそこにいたから彼女の言葉を代弁しただけだよ。さっきも言っただろう?」

「そ、そうだったんだな……。

死者の魂と話せるか……ふたりにはそんなすごい力があったんだな」

「はは、すごいだなんてなんか照れるなあ」

「でもだったらはじめから教えてくれてもよくないか?

なんでブランが依頼の手紙を持ってきたなんて言ったんだ?」

「たしかに依頼はたいてい手紙で来るとは言ったけど……今回は数少ない例外だよ。

アルドくんが僕の話を最後まで聞かなかったんじゃないか」

「そ、それは確かに……」

「それに手紙であろうと魂本人からであろうときみはこの依頼を手伝ってくれただろう?」

「まあそうしてたとは思うけど………」

「だったら問題ないじゃないか。結果オーライってやつさ」

「ブ、ブラン……!?」

「はは!ブランもアルドくんのそういう素直なところがお気に入りみたいだよ」

「また適当なこと言って……」

「いやいや。彼は僕以外の人にそんな風に懐いたりはしないからね」

「魂を天の園へと運ぶ魔物か……

まあたしかにデュナリスよりは信用できるかな」

「ひどい言われようだなあ……」

「自業自得だろ?ほらふたりとも行くぞ」



「魂を天の園へ運ぶ、か……

アルドくん……僕はきみにひとつ言い忘れてしまったね。

天の園……そんなものはどこにもないんだって」



- Quest Complete -





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