李白
画像
ステータス
MIN | MAX | ||
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建造 | 優 | 335 | 607+4*2=615 |
農牧 | 優 | 120 | 607+6*2=619 |
制作 | 優 | 335 | 776+5*2=786 |
財務 | 良 | 105 | 432+4*2=440 |
探検 | 特 | 175 | 790+6*2=802 |
専属御宝 | 李の枝 |
天賦
★2 | 外で探検する時、すべての採集で体力の消費が-8。 |
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★3 | 外で探検する時、すべての採集で体力の消費が-10。 |
★4 | 外で探検する時、すべての採集で体力の消費が-15。 |
物語
正午過ぎ、手にした酒壺がもう空になった。一人の酔っぱらいが店員に叫んだ。「おい、酒もう一壺だ!」
店員は一瞬、軽蔑の目で彼を見たが、金を払うお客様は神様ともいう。彼は慣れた様子で、軽蔑をへつらいの笑顔に隠した。「豪快な飲みっぷりですね、お客さん。」
料理も担当している店主から合図を受け、店員は頷き、困ったように口を開いた。「あの、お客さん、その、お勘定は……」
李白は不満そうにつぶやきながら懐をしばらく探り、数枚の銅貨を取り出した。「あいよ、釣りはいらねえよ。」
店員は銅貨を取って数えると、また困った口調で告げた。「お客さん、その、三枚足りてませんが……」
李白は身を乗り出して靴を脱ぎ、ひっくり返して食卓の上にその中身を出して、ゴミの中から三枚の銅貨を見つけた。また数個の茴香豆(ういきょうまめ)をかき出し、残ったものを靴の中に戻した。
彼はその茴香豆を酒壺に入れ、満足そうにくんくんと匂いを嗅いだが、他の客たちは、その考えられない行動に眉を顰め、口と鼻をかくした。ここは山野に設けられた小さな屋台で、食卓と椅子がぎっしりと並べられていて、客たちはほとんど腕を組むようにして座っていた。李白は調子に乗って、酒壺を持ちながら客の間をうろつき、誰とでも兄弟と呼び合い、潰れるまで飲み続ける勢いだった。
店員は、もしここで騒ぎを起こされたら、商売に支障が出るかもしれないと心配し、どうやってあいつを追い出してやろうかと考え込んだ。その時、李白は商人の恰好をした人の前にぺたりと座った。「おい、一緒に飲もう!」
商人は礼儀よく手を振り、お茶をすすった。
だが李白は彼に絡み、なかなか離れようとしなかった。「お前、俺をなめてるのか?」
商人は無言で李白を見つめた。李白が杯を商人の口元に差し出すと、富商は眉をひそめ、手を伸ばして杯を押しやり、逆に李白を怒らせてしまった。
李白はその酒を商人の顔にかけながら、ガミガミと彼を叱った。騒ぎを見た店員は慌てて雑巾を持ってきたが、李白は突然酔いが醒めたかのように、ガシッと肩を組んできた。「いや、すまんな兄弟。さっきはちょっと酔っちゃってよ。」
商人は李白の手を振り払おうとしたが、肩を組む手がさらにきつくなった。「着替えに行こう。服を汚ししまって、ほんとすまんね。」
商人は李白の口から溢れた酒臭い息に少し息を詰め、声を絞り出して言った。「結構です。」
李白はさらに近づき、彼の耳元で囁いた。「命が惜しいなら、俺について来い。」
力いっぱい商人の肩を掴んだ李白は、半ば強引に立たせると、着替えに連れ出そうとした。立ち上がるやいなや、店員が商人の面に向かって息を吹きかけたが、李白はそれに冷たく笑い、足を上げて店員を蹴り飛ばした。「まったく、汚ねえ真似したもんだな。」
店員は、商人が無事な様子を見て驚いた。「そんな、しびれ薬が効かないはずが……」
李白は商人を守りながら、店の外を向いた。「あたりまえだ。なんで酒をかけたと思ってんだ。」
屋台の客たちは次々と立ち上がり、机の下に隠し持っていた武器を取り出して李白に斬りかかってきた。李白は商人の前に立ちはだかり、腰から目立たない筆を取り出して、武器の攻撃を食い止めた。その木製の筆管(ひっかん)は、彼の手の中でまるで鋼であるかのように、敵の攻撃を抑えこんだ。
李白は手首を瞬時にくるりと翻して、敵の手を振り払うと、筆先の墨は四方に散らばり、敵の目にぴちゃりと入った。敵全員が、痛みのあまり叫びながら、ごろごろと転がっていた。
李白は戦う気が失せ、商人を引っ張って出ようとすると、後ろから店員が大きな刀を持って追いかけてきて、李白の頭をめかけて振り下ろした。李白は筆を逆手に持ち、冷たく光る刀身を一振りで払った。その力で店員の掌は痺れ、もはや刀を握ることもできなくなった。李白は勢いに乗って、一歩前に出ると、筆で店員の顔に「李白」と書き、げらげらと笑った。「この墨の跡は、何十日も決して消えないぞ。」
李白は商人を連れて立ち去り、宿駅まで着くとようやく彼を放し、目の前の人に向かって一礼をした。「命を受け、陛下を護衛させていただきました。さきほどのご無礼、どうかお許しください。」
商人を装った皇帝は、李白に酒をかけたことを思い出し、フンっと鼻で笑った。「よくも御上に失礼なことを。」
しかし、そこにはもう李白の姿はなく、残されたのはただ一枚の紙切れだった。「事が終われば身を隠す。」、と。