黄色の傘
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レベル
Lv.27
紹介
【装飾・黄色の傘】
杭州に来たが、郷試に合格できず、旅費も底をついた飛は、故郷に戻るつもりだった。
しかし、友人の紹介で、隣人の手紙の代筆の仕事を見つけることが出来た。飛はようやく収入を得て、次の郷試の準備ができるようになった。
ある日、飛が町で紙と墨を買って帰ろうとした時、突然雨が降ってきた。
周りを見渡すと、雨宿りの場所はどこにもなかった。
「おしまいだ、紙と墨で貯金の大半を使ってしまった。雨で濡れてしまったら、また飯が食えなくなる。」
貧乏暮らし、試験の失意、そしてこの土砂降りに心が折れた飛は、悲しみのあまり、地面にしゃがみ込んで泣き出し、心の苦しみを吐露した。
ふと、雨の音はすぐそばで聞こえているのに、自分の身体には雨が一滴も降っていないことに気がついた。
飛が顔を上げると、傘をさした少女がこちらを見下ろしていた。
「雨ぐらいで泣かないでよ。私の傘、貸してあげるから。」
飛は立ち上がり、驚いたまま、少女から差し出された傘を受け取った。何か言おうとした飛だったが、先ほどの嗚咽のせいで声が出ないことに気づいた。
少女は飛の言いたいことを理解し、答えた。「心配しないで、傘はもう一本あるから。もう泣かないで、ちゃんと家に帰ってね。」
少女の後ろ姿が煙雨の中に消えてようやく、飛は、自分の顔にまだ涙が二滴流れていることに気づいた。
そして二回目の郷試。飛は再び落第した。
彼はその結果を今度は平然と受け入れると、傘屋に入った。
「店主さん、見習いにさせてもらえませんか。」
頭がよく、苦労人だった飛は、すぐに傘の作り方を身に付け、傘職人として杭州で名を馳せることになった。
多くの人々が傘を買っていったが、雨の日に傘を差し出してくれた少女の姿を再び見ることは叶わなかった。
雨の日ともなれば、傘屋は一番繁盛する。
しかし飛は雨が降るといつも店を離れ、古い傘を持って道路そばの軒下に立ち、通行人を眺めていた。
「飛さんは、いったい誰を待っているんだ?」人々は彼に問いかけた。
飛はいつも微笑み、こう答える。「借りた傘は、返したいからね。」
ステータス
所要材料 | 800 |
繁栄度・環境 | 繁栄度5・環境10 |