半山閣
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
3510
閑人住宅
入手方法
厳さま取引
悪党尋問
塩商
物語
西湖の北岸には宝石山という山があり、その山の中腹には楼閣がある。楼閣は西湖に面した崖の上にあり、湖を一望することができた。霜が杭州へ帰るのは今年で二度目だ。だが前回と違い、彼女のまわりに、もう侍女はいなかった。霜の父は朝廷の争いに敗れ官を辞した。生活は以前ほど豊かではなくなったが、霜は、杭州に帰れることを喜んだ。前回は忙しく、一瞬しか西湖の風景を見られなかった。それが今日、やっと杭州から西湖を見渡すことができた。そこには、夢にまで見た風景がそのまま広がっていた。霜は半山閣の手すりにしがみつき、霧雨に霞む山の下の西湖と、白堤の柳を眺めた。そしてふと、あの霧雨の絵巻を思い出した。「そういえばあの絵は、書生さんが描いたものだったのかしら。彼、どんなお顔だったか、何故か思い出せないわ。」書生のことを考える霜の白い頬に、ほんのりと赤みがさす。梅雨の時期の杭州では、小雨が降りやまないのが常だ。白堤にはもう、観光客の姿もなければ、屋台もなく、風に揺れる柳を楽しむ者はいなかった。その白堤の上に、古い傘をさした男が、風に吹かれながら歩いてきた。男が霧雨の中を歩いていると、遠くから見つめられているような視線を感じ、足を止め、山のほうを見た。雨の中、青山には白い息吹が立ち籠め、半ば隠れた山中の楼閣に、万緑叢中紅一点、景色を眺めている人がいた。「飾るのは白堤の上歩く者、楼より眺む煙雨の西湖。」「装うは楼の中より眺む者、白堤で観る朧山景。」