饅頭屋台
概要
レア度 | 画像 | マス |
---|---|---|
効果
2010
毎日銅貨*360を生産します。
入手方法
厳さま取引
塩商
物語
町には、とても柔らかくて美味しい饅頭を売る、有名な饅頭屋台がある。蒸籠で饅頭が蒸しあがる前から、屋台の前にはいつでも長蛇の列ができあがっている。店主の夫婦はこの町に店を出してもう十余年になり、いつもきちんと決まった時間に、1日も欠かさず店を出し続けていた。ここへ饅頭を買いに来るのは、この町に住む近所の者ばかりだ。毎朝饅頭を買うことは、もはや住民たちの習慣になっていた。安は、外での勉強から帰ってくるたびに、この屋台の饅頭を食べてみたくてたまらなかったが、朝起きて行ってみても、饅頭はいつも完売してしまっていた。安が家にいる日は、いつも朝早く散歩に出るお爺ちゃんが、帰りに饅頭を二つ持ち帰ってきてくれるのが常だった。「甘い饅頭の匂いで目を覚ましていたあの日々が恋しいな。」安は寝床に横になったまま、一睡もせずに梁を見つめ続けていた。窓の外がすっかり明るくなった頃、安は寝床から起き上がり、饅頭屋台のほうへと歩き出した。道中に人影はあまりなく、少し物寂しかったが、饅頭屋台に着くと人々が並んでおり、町の日常を感じさせた。蒸籠のふたが開き、白い湯気が空中に浮かび上がった。安は、その湯気の中に人影を見たような気がした「店主さん、饅頭を二つおくれ。」「おじいさん、普段は饅頭なんて買いに来ないのに。さては、お孫さんが帰って来たんですね!」「ああ、あの怠け者が帰ってきてねえ。饅頭を食べたいと言うくせに、起きないんだ。」顔にあたる湯気を通り抜け、安は饅頭屋台の前まで辿りついた。「店主さん、饅頭を四つください。」「今度は僕がお爺ちゃんに買ってあげるよ。」