蟾宮の木犀
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
5010
入手方法
イベント
物語
いつの間にか、家の前の金木犀が絢爛と咲き乱れていた。その香りは、いつもヘイ君の胸に迫る。子供の頃、牛おばさんに連れられて、金木犀の花を集めていた。その花で枕を作ったり、木犀餅を作ったり、お茶にしたりしたものだ。できあがった木犀茶をいつも真っ先に飲むヘイ君を見て、牛おばさんは、将来は「蟾宮折桂」、科挙に合格するだろうと言っていた。牛おばさんが亡くなってから、金木犀を採る人はいなくなり、木犀茶も淹れられることはなかった。ヘイ君は母を想った。彼はほこりっぽい倉庫からほこりの積もった箒を取り出し、木から金木犀を集め始めた。木犀茶を淹れて、ヘイ君は子供の頃のあの味を思い出しながらお茶を味わった。金木犀の香りに浸っていたあの頃、お茶の湯気を通して母の姿がぼんやり見えたようだった。悠々と広がる茶の香りのように、日々もゆったりと過ぎていた。