彩りの花朝
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
5010
入手方法
イベント
物語
夜が明けないうちに、李家の妹は目を覚ました。長年の治療の末、彼女はようやく病床から離れ、外出できるようになった。今日は花朝節。一緒に賞紅をして、花の神を祀ろうと、姉妹たちと約束していた。馬車に乗ると、姉は外の店を指さしながら一つ一つ説明してくれた。「おいしいって言ってたナツメ餅、ここで買ったのよ。綿布は隣の家で選んだの。それから汪筆は、一番大きな店で買ったんだけど……」李家の妹は目頭が熱くなった、病床で幾度となく町の様子を想像してきたものの、ついにこの目で実物を見た今、自分の想像がいかに貧しいものであったか思い知らされた。姉は手を伸ばして彼女の頬をつねった。「お化粧したばかりよ、泣いたら崩れちゃうわ。」妹は涙を止め、笑いながら目尻を拭った。「うん、もう絶対泣かない。」馬車が止まると、李家の妹は姉の手を取り、胸をはずませて賞紅場所の大木のそばまで歩いた。早春にもかかわらず、その木は待ちかねたかのように満開だった。彼女は用意しておいた色とりどりの紙帯を取り出し、爪先で立って枝に掛けた。風が吹き抜け、紙帯が風に揺れる。花の香りが鼻をくすぐった。姉は笑い、「紙帯があれば、風が吹いても花びらが散る心配がないわね」と言った。李家の妹はまた少し泣きたくなった。姉が言っているのは、単に賞紅のならわしの話だ。わかっている。しかし彼女には、こう感じられたのだ。病に伏せていたこの数年、姉と両親はこの紙帯のように、彼女を包み込んで見守り、散ることがないよう、雨風から守ってくれたのだと。