花灯の長道
概要
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効果
入手方法
イベント
物語
霜は飛の傍らを歩いた。二人は、ゆっくりと光り輝く花灯の世界へ入っていった。彼女は灯会見物を口実に、家を抜け出してきた。これが、飛との初めての外出だ。霜は父親からもらった簪を再びつけた。提灯の下を歩きながら、二人は互いに話すきっかけを探っていた。長く連ねる花灯の道は、彼らが勇気を出して話し出すのを待っていた。飛は穏やかに灯る提灯に軽く触れ、丸い提灯がくるくると回り始めた。「霜、あの時どうして傘を二本も持っていたんだ？」「あ、あの時はお父様を迎えに行く途中だったの。」「でも俺に傘をくれたなら、その後どうしたんだ？」「えへへ、お父様に肩車してもらって、私が傘をさして帰ったわ。」二人は声を合わせて笑った。霜も照れるのをやめて、積極的に話しかけ始めた。「去年の中秋の詩吟大会で、絵を描いたでしょう？」「中秋の詩吟大会？絵？あ、そんなこともあったな！なんで君が知ってるんだ？」「その絵ね、今私の部屋にかけてあるの。」霜の声はどんどん小さくなり、ついにつぶやきになってしまった。二人はまた同時に口をつぐみ、妙な雰囲気が流れた。その時、そばで提灯を売っていた店主が声を張った。「お兄さん、天灯を買ったらどうだい？言いたいことを書いて、空に飛ばせるぜ。」どう切り出そうかと困っていた飛は、渡りに船だと感じ急いで天灯を一つ買った。霜が口を開いた。「飛さんは、天灯に何て書くの？」飛はただ微笑み、天灯の紙に筆を下ろした。しばらくして、飛は筆を置いた。「さあ、街へ天灯を飛ばしに行こう。」霜はにやりと笑って、「ダメよ、私がまだ書いてないわ。」と答えた。灯火が、霜の横顔を照らす。白雪で薄化粧した赤提灯のように、その横顔は白く透き通っていた。「覗き見はダメよ。」霜自身を見られるのが嫌なのかと勘違いして、飛は慌てて目を背けた。細長い路地を抜けて、二人は広い通りに出た。「さっきは何を書いてたの？」「天灯を飛ばせば、すぐに見えるよ。」飛は灯芯に火をつけ、角を持ち、飛び立つ天灯からゆっくりと手を離した。天灯はふわりと空に浮かび上がっていった。二人は人混みの中立ち尽くし、無数の灯火の中で星あかりとなっていく天灯を見つめた。天灯の片面には、こう綴られていた。「去年の元日、銀花満天に落つ。旧き傘玉壺に倚り、灯影自ら眠り難し。」そして、その裏側にはこう綴られていた。「今年の元日、瓊花の灯簾巻く。卿と火樹を観、万灯身を照らす。」
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