荒山の古塚
概要
レア度 | 画像 | マス |
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効果
30
入手方法
イベント
物語
「この先が、あの荒れ果てた墓地だ……」「日が暮れてから通りかかると、妙な風の音が聞こえるらしいぞ……」「変なことを言うな、通る時にきちんと一礼すれば、ご先祖さまがきっと守ってくれるさ!」二人の木こりは荒山の古塚を通りかかり、互いに勇気づけようと声を掛け合った。しかしその声も途切れぬ内に、古塚のそばの木の葉がざわざわと音を立て、二人は真っ青になって逃げ出してしまった。「ちぇ、面白くないなぁ。」小鬼は頭上の葉を払い落とし、がっかりしたようにため息をついた。あの二人の木こりは、小鬼がわざと木を揺すって気を引こうとしていたことなど、考えもしなかっただろう。何しろ小鬼はもう長い間、一人でさまよっていたのだ。小鬼はふらふらと墓地へ帰って行った。そこは草ぼうぼうで、いったいどれだけの野墓があるのか、見当すらつかない。歪なたくさんの墓石には文字のひとつすら刻まれておらず、供養をする者もなく、誰からも忘れ去られたかのようだった。小鬼は無名の墓石に名前をつけ、旧友のように話しかけていた。「名前があると、みんなに覚えてもらえるからね!」小鬼の声は荒れた山々に寂しくこだました。「まあ、少なくとも……僕はいつまでも覚えていてあげるよ。」